死はわが隣人 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

  • 早川書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150016616

作品紹介・あらすじ

オックスフォード大学の学寮長の引退を目前に控え、後継者争いが激化するなか、大学にほど近い閑静な住宅街で住人の女性が射殺される事件が起きた。さっそくモース主任警部は捜査を開始するが、被害者が人から恨みを買っていたとはとうてい思えない。糖尿病に悩まされながらも地道な聞き込みを続けるモース。うさんくさい新聞記者、耳の不自由な老婦人、詮索好きな主婦…一癖も二癖もある隣人たちの錯綜する証言から、モースは殺人事件と学寮長選挙との意外な接点を発見する!シリーズ終了との噂に、英米ミステリ界が騒然となった超話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 「コリン・デクスター」の長篇ミステリ作品『死はわが隣人(原題:Death is Now My Neighbour)』を読みました。
    古書店で懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版を見つけちゃったんで、またまた買ってしまった一冊… ハヤカワポケミスって、若い頃のイメージで、ちょっと憧れのシリーズなんですよね。

    -----story-------------
    オックスフォード大学の学寮長の引退を目前に控え、後継者争いが激化するなか、大学にほど近い閑静な住宅街で住人の女性が射殺される事件が起きた。
    さっそく「モース主任警部」は捜査を開始するが、被害者が人から恨みを買っていたとはとうてい思えない。
    糖尿病に悩まされながらも地道な聞き込みを続ける「モース」。
    うさんくさい新聞記者、耳の不自由な老婦人、詮索好きな主婦… 一癖も二癖もある隣人たちの錯綜する証言から、「モース」は殺人事件と学寮長選挙との意外な接点を発見する!
    シリーズ終了との噂に、英米ミステリ界が騒然となった超話題作。
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    やっぱり、これっ、、、

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス版… 古くて、やや色褪せしていいますが、それでもやっぱり、なんだか読んでいて嬉しい感じです。


    本作品は、「モース主任警部」シリーズの13作目にあたる作品のようですが、、、

    「コリン・デクスター」の著書を読むのは初めてなので、もちろん、本シリーズ初になる作品です… この次の作品で完結しているシリーズのようですね。


    舞台はオックスフォード… 日本でも名の知れた大学の街、、、

    本作品では、ロンズデール・カレッジの学寮長選挙が物語の縦糸となっています… 学寮長のポストは、それを巡る様々な欲望の場となります。

    大学内の複雑な人間関係や利害関係が絡む殺人事件… 後継者争いが激化するなか、大学にほど近い閑静な住宅街で住人の女性「レイチェル・ジェームズ」が射殺される事件が発生、、、

    テムズ・バレイ警察の「モース主任警部」は、血の海に横たわる女の死の謎を追い始めた… 一癖も二癖もある隣人たちの錯綜する証言から、やがて殺人事件と学寮長選挙との意外な関係が明らかになっていくが、そんな中、関係者のひとりで被害者の隣人「ジェフリー・オーエンズ」が射殺されてしまう。

    そして、捜査の過程で「モース」は病に倒れ、相棒の「ルイス」は、単独で捜査を進めることに… 幸い「モース」は短期間の入院後、無事に退院、、、

    「モース」と「ルイス」は、徐々に真相に迫ります… 最初の殺人は、部屋番号を間違って殺されたという推理も、なかなか愉しめましたね。


    仕事熱心ですが、気難しい性格で科学的思考より自身の直観(思い込みや思い付き)を優先する「モース」と、地道な捜査を好み、「モース」の直感的推理を迷惑に感じつつも、巧く相手をしながら淡々と捜査を進める「ルイス」の対比が面白かったですね、、、

    でも、この二人の間にはしっかりとした友情関係があるんですよねぇ… そして、これまでに明らかになっていなかった「モース」のファーストネーム”E”が何の頭文字かという謎がエンディングの「ルイス」に宛てて「モース」が送った絵葉書で判明することも、本作品の注目ポイントらしいです。

    「モース」の父親が英雄視していた、「ジェームズ・クック」の乗艦「HMSエンデバー号」を由来とする「エンデバー」だったとか、、、

    「モース」は、イギリスでは、1990年のCWA会員投票において「好きな探偵」第1位に選ばれるなど、小説上の名探偵として著名な「シャーロック・ホームズ」と並び高い人気を博しているらしく、ファーストネームの謎についても、イギリス国内では様々な憶測があったとか… 知りませんでしたねぇ。

    「モース」って、(勤務時間内であっても)パブでおいしそうにビールを飲むシーンが多く、、、

    読んでいるとビールを飲みたくなることが多かったですね… パブで樽詰めのビールを愉しんでみたいな。



    以下、主な登場人物です。

    「レイチェル・ジェームズ」
     ブロクサム通り17号の住人。物理療法士

    「ジェフリー・オーエンズ」
     ブロクサム通り15号の住人。新聞記者

    「アデル・ビアトリス・セシル」
     ブロクサム通り1号の住人。保守党の運動員

    「ミセス・アダムズ」
     ブロクサム通り19号の住人。未亡人

    「エミリー・ジェーコブズ」
     ブロクサム通り17号の向かいの住人

    「ジュリアン・ストーズ」
     ロンズデール・カレッジの研究員

    「アンジェラ・ストーズ」
     ジュリアンの妻

    「デニス・コーンフォード」
     ロンズデール・カレッジの研究員

    「シェリー・コーンフォード」
     デニスの妻

    「サー・クリスビー・ブリーム」
     ロンズデール・カレッジの学寮長

    「マルコム・JJ・ジョンスン」
     泥棒

    「ドーン・チャールズ」
     ハーヴィー・クリニックの受付係

    「ロバート・ターンブル」
     ガンの専門医

    「シスター・ジャネット・マックイーン」
     看護婦

    「ストレンジ」
     主任警視

    「ルイス」
     部長刑事

    「モース」
     主任警部

  • 久しぶりの再読。相変わらずのモースのワガママぶりともてっぷりにニヤニヤしてしまう。モースの直感から展開される華麗な推理は、当たり外れ関係なく楽しい。

  • 250.初.元ビニカバ、帯付。
    2010.12.20.鈴鹿BF

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