- Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150019105
作品紹介・あらすじ
誘拐された少女、女性刑事、殺人罪で収監されていた元刑事がそれぞれ隠し続ける衝撃の真実とは? エドガー賞2冠&週刊文春ミステリーベスト10第1位作家の圧倒的筆力! 五年ぶりの最新長篇!
感想・レビュー・書評
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五年ぶりの長編だが、ジョン・ハートの作品だという先入観がなかったら飛ばし読みで終わっていたかも。評価は甘め。
刑事が絡んでいるふたつの殺人事件という特異な設定でスタートする。この事件を軸に進んでいくのだが、のろのろの蛇行運転で徐々に暗さが増してくる。登場人物に共感できない点と、破綻していくストーリーに閉口したが、それでも読めてしまうのがこの作者のスゴさなのだろう。既読作品でも同じようなことを感じてたので、これはもう相性ですな。
原題は『贖罪の道』。被害者であり加害者でもある人物たちが背負う罪。そこから逃れられずに、赦しを乞うことも与えることもできずに苦悩する姿が痛々しい。それぞれが隠し続ける真実というスタイルはこの作家ではよくあるが、今回の真実はかなりヘヴィー。そこに思い込みやら独りよがりの心理が絡んでくるから、頑なに口を閉じたまま状況はどんどん悪化する。
終盤は怒涛の展開。そこからラストまで一気に流れるが、中途半端な感は否めない。一番感じたのは、主役の男女の互いに対する想い。この気持ちに沿って行動しているのに、そこの結びつきがイマイチ理解できないのでストーリーに入り込めなかった。真犯人の動機も無理があるし、この結末もいかがなものか。これだけ厚く詰め込んだ物語のラストとしては違和感ありあり。ホントにこれでいいのか? でも、どんなラストだったらしっくりくるのかと自問したら何も思いつかなかったので、これでいいのでしょう。 今は疲労感が半端ないので、今後のリピートについてはそのうち考えよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
評判どおりの壮大な物語。エリザベス刑事の魅力がもう一つだったけど、最後の大団円までハラハラさせる筆力はさすがです。
次作も分厚いですが、挑戦します。3.6 -
長すぎ
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『川は静かに流れ』以来のファンで見つけると読んでいるジョン・ハートの作品。主人公は犯人を射殺し少女チャニングを救出したものの、弾倉の18発をすべて二人の犯人に発砲しており拷問や処刑の疑いを持たれ、犯人が黒人の兄弟だったために連邦警察の捜査対象となって停職中の白人刑事エリザベス。相棒の刑事にも心は許さず、仲間より事件の被害者や遺族に共感し寄り添うタイプ。エリザベスには少女時代の命の恩人で憧れの刑事がいるのですがその刑事エイドリアンは殺人の罪で有罪となり服役中、状況証拠だけでなく物証もあるなかエリザベスだけは無罪を頑なに信じておりそのことでも警察内で孤立しています。読み始めてしばらくぶりだったのもあり、冒頭から複雑な事情を抱えた女性刑事が登場して、もしかしてシリーズものの途中から読んでしまったか?と不安になってしまいました。エイドリアンが殺人犯として収監されていた刑務所から13年ぶりに釈放されたその日に、遺児であるギデオンが母の仇を討とうと父親の拳銃を盗みエイドリアンを襲おうとして逆に大けがを負います。自分の問題だけでも手に負えない問題を抱えながらエリザベスはチャニングとギデオンを守ろうとします。。。と、概要を書こうとしても無理な複雑な設定を、ぐいぐい読ませる筆致の力強さは健在でした。冒頭はいきなりの展開にとまどいながらも中盤までくればいったいどうなるのかと読むのがもどかしい感じに。とはいえ終盤には犯人はこの人かもね、と推測が出来てしまい、推測は出来るものの納得するには至らず、それでも設定や構成はしっかり考えられており流石なのですが、これはもしや海外版の辻村深月さんなのではないか、と思いついてしまって、ちょっと残念な気持ちになりました。もう一作品くらい読んでみて、今後も追いかけたいかどうか決めようと思います。
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エリザベスに始まり、相棒のチャーリー、引退した弁護士など脇役も魅力的。とても面白かったです。
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いちいち攻撃的な口調の主人公エリザベスを好きになれなかった。しかし物語の面白さと奥深さには脱帽。登場人物の一人ひとりが息づいている。
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読み応えは期待以上。
みな救済されたかな。 -
ジョンハート最新作。相変わらずの面白さで特に中盤は引き込まれたが、最後はちょっとバタバタして終わった印象。