復讐の序章 (ハヤカワ文庫 SF 631)

  • 早川書房
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本棚登録 : 61
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150106317

感想・レビュー・書評

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  • ヴァンスの魔王子シリーズ1、素晴らしく面白くて一気読み余裕でした。SFの異世界描写に衒学的な哲学論議、ミステリの犯人探し、復讐譚の人間ドラマ、愛と悲しみと陵辱の全てを兼ね備えた完璧な物語だった。

  • 魔王子というからヒロイック・ファンタジーなのかと思って読んだらスペース・オペラだったのでびっくり。色彩感に溢れる著者の特徴が出ている少しハードボイルドっぽい作品。復讐ものって、そのモチベーションをどのように維持していくかがいつも気になってしまう。

  • 魔王子シリ-ズの序章 渋い面白さ
    表紙   4点萩尾 望都
    展開   5点1964年著作
    文章   5点
    内容 500点
    合計 514点

  • 復讐もの、と聞いて読みましたが
    はっきり行って地味、地味も地味。
    訳のせいなのかもしれませんね。
    全部読んだところでワクワクな心もなく。

    ただし、主人公ガーセンは相応に
    頭脳がさえ、強い男です。
    ただ、頭脳のほうがメインで
    肝心の強い男というのは
    あまりシーン的には出てきませんがね。

    地味も地味なので、
    それを覚悟の上でどうぞ。

  • 再評価の機運があるのかないのか今ひとつよくわからないジャック・ヴァンスの魔王子シリーズもの。

    これ、わたしが中学生くらいの時にはけっこう古書店で見かけて気になってたんだけど、なんとなく買いそびれていたら、いつのまにか店頭で見かけることはさっぱりなくなっていた。

    目録で注文して買うかというと、どうもそういう気合を入れる作品とも違うよなぁという感じで、たまたま店頭で見かけたら買うという方針でいたのだけれども、ブックオフでやっと出てきた。
    ちなみに1巻の本書が2冊、3巻の『愛の宮殿』が1冊という、どういう状況で仕入れたのかという在庫状況。とりあえず1、3巻と買ったけれども、しばらくしたら残りの1巻も売れていた。


    五人の犯罪者「魔王子」たちの襲撃によって、故郷の街をほろぼされたカース・ガーセンが復讐者としての修練を積み、魔王子を誅する旅に出るというわけで、メインストーリーは単純な復讐劇ながら、ヴァンスの細部にこだわった描写を読むところだろう。

    星系探検隊の隊長が発見した惑星群に名づけた名前の俗物ぶりにうんざりした通信仕官が、それを握りつぶして自分で勝手に名前をつけて、登録してしまうというくだりなど、しょうもなくて笑えた。


    一方ではヴァンスのプロット作りの弱さも目立ってしまうというか、そもそも物語の発端であり、印象的であるべき魔王子たちの襲撃シーンも淡々としており、ガーセンの復讐者としての主体が弱く、長編を引っ張るだけの個性が見えない。どうもガリー・フォイルの情念が爆発した復讐譚に比べてしまうと、説得力に欠けるのは否めない。

    最初の標的となる魔王子マラゲートも、正体が露見して、ガーセンと直接対決するのは最後の10数ページで、正直読者としては興味を失いかけているところだ。もっと早いページで一度ぶつからせて、ドラマを盛り上げておくべきところじゃないかなーと思うのだが、こういう部分では特殊な発展を遂げた日本のエンタメに毒されてるのかな、私は。

    一方、最後にマラゲートの一の子分であるサディスティックなダースを襲った運命は非常に奇妙というか、長期間にわたる暴力的な支配と被支配の個人的な関係の歪み方というのは非常にいやな感じで、強烈だった。

    中盤のやや退屈なマラゲートの正体探しをカットして、150~180ページくらいの中篇にまとめたほうが締まった作品になったのではないかと思うけれども、エンタメとしては満足。こういう作品が大量に書かれることが、ジャンルの平均というか期待水準値をあげていくというんでしょうか。さて、続きの巻はうまく見つかるかなー。

  • 魔王子の一人災厄のマラゲートを倒そうとする話。
    のはずだけれども、その部下の方から目が離せなかった。
    監禁モノなのか!?
    というようなラストに、主題が何だったのか忘れる。。

  • 「魔王子シリーズ」全5の1巻目。耽美、官能、デカダンの世界。

  • 魔王子シリーズの1巻。
    家族を滅ぼした魔王子たちへ復讐するために、祖父に殺し屋としての能力を仕組まれた主人公ガーセン。第1巻では一人目の魔王子マラゲートを狩る。

    いい感じにB級で楽しい。

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著者プロフィール

1916年、サンフランシスコ生まれ。カルフォルニア大学バークレー校を卒業後、商船員の職につき航海中に小説を執筆、45年短篇「The World-Thinker」でデビュー。その後、世界中を旅しながら作品を発表、奇怪な世界と異様な文化を活写する唯一無比の作風で息の長い活動を続け、80冊以上の著作がある。主な作品に『終末期の赤い地球』(50)、『竜を駆る種族』(63、ヒューゴー賞受賞)など。ミステリ作家としても『檻の中の人間』(60)でエドガー賞処女長篇賞を受賞。84年には世界幻想文学大賞生涯功労賞、97年にはアメリカSF・ファンタジー協会が授与するグランド・マスター賞を受賞、殿堂入りを果たしている。

「2017年 『スペース・オペラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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