ストームブリンガー (ハヤカワ文庫 SF ム 1-25 永遠の戦士エルリック 4)
- 早川書房 (2006年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150115791
作品紹介・あらすじ
最愛の妻を何者かに拉致されたエルリック。魔剣ストームブリンガーを手に探索の旅に出るが、"新王国"の地は、"混沌"と手を結んだパン・タン=ダリジョール連合軍に侵略されつつあった。戦乱の渦中に否応なく巻きこまれるエルリック。だがこれらは、迫り来る"混沌"と"法"の怖るべき戦いの前哨戦にすぎなかったのだ!「魂の盗人」「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」の3中篇と、表題長篇『ストームブリンガー』収録。
感想・レビュー・書評
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エルリック・サーガの第4弾。
「法」と「混沌」の戦いというメインテーマがぐぐっとクローズアップされた本作。
エルリックは「混沌」の神を守護神とするメルニボネ人ではあるが、「法」の側として戦うことになる。
「混沌」が支配する世界のグロテスクさの描写や、「混沌」と「法」の戦いの理由、ストームブリンガーの存在の意味、エルリックのなすべき使命、など重々しいシーンが続いていく。
そんな中でも失われない、エルリックと彼をとりまく戦士との友情。
エルリックとムーングラム、そしてストームブリンガーの最後のシーンはエルリックの肌の色と同じ、真っ白の風景に見えて美しい。
このシリーズ、7巻まである。うーむ。じゃあこの後のシリーズはどうなっているんだろう? -
ストームブリンガー読了。エルリックサーガとして見事に完結。見事という他ない。エルリックは最後までエルリックだった。
……これで終わりでいいですよね? -
虚空に消えていくストームブリンガー。
「さらば友よ、我は汝の千倍も邪悪であった」
エルリックの心臓を貫き、呵呵大笑して去っていく
その剣の姿を見ながら、私は嘆息するしかなかった。
しかし、それは一時の別れに過ぎない。
またどこかの次元で巡り合う二つの魂を思い、
私はもう一度ため息をついた。