カメレオンの呪文 (ハヤカワ文庫 FT 31 魔法の国ザンス 1)
- 早川書房 (1985年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150200312
感想・レビュー・書評
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名作だと聞きかじって手に取り、ユーモア小説っぽいのになぜ? という好奇心で読了。納得の傑作ファンタジーでした。
自分の能力がわからず追放されるビンクは、同情以上に共感を誘う......彼に課せられたテーマは案外重い。軽妙なギャグで和ませたと思えば、悲壮感と文明批判が突然昂ぶり、不思議な静けさが訪れる一幕も。
ビンクの魔法とは一体......? 物語のセオリーを大胆に逆手にとった種明かし。「自分が思い付きたかった......」という同時代作家のため息が聞こえそう。
旅と戦いとロマンス、ほんのり哲学のかおり。古典的名作に通じるファンタジーの醍醐味ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
魔法の国にあって、魔法を使えないものはその国から追放される。
そのルールのもと、旅立つのですが・・。
これは面白い!
すごくわくわくしてページを捲りました!
そうして、語られる真実の大きさにはかなり心を揺さぶられました。 -
び、びくびく虫だ~!
(4半世紀前の読書の感想がこれって…。びくびく虫の説明が何巻にあったかは覚えてないけど)
設定で魅せる読ませるファンタジー/ミステリー
映画化の権利の話を聞いたことあるんだけど音沙汰なし
面白いと思うんだけどな~ -
世界観がすごいしっかりしてる。いきものは魔法が使えるか、魔法そのものかという分類は面白い。
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180208読了。今年8冊目今月2冊目。
ミステリでもある。
書ききれない感想 -
現実の世界とうまく繋がっている物語。よくできていて、いつの間にか魔法があるのが当たり前な気がしてくる。
単純に面白さを味わいたい時に! -
シリーズ名見るとつい「魔法の国ざんす?」とか言ってみたくなるし、途端にB級ファンタジーっぽさ漂ってきちゃうけど、そこの先入観はいったん忘れてください。
いいんですよこれ。本当に。
第1巻であるこの本だけじゃなくて、僕はたしかシリーズ第8巻あたりまで読んだと思うけど、その範囲ではすべての作品が素晴らしかった。
1巻ごとにきっちり完結しているから安心して読み始められるし。
舞台は、すべての住人が生まれながらに何らかの魔力を持つという魔法の国ザンス。
しかしそんな世界でただ1人、成人を目前にしながら魔力の発現がなく、このままでは成人とともにマンダニア(魔法のないおぞましい世界!)に追放されてしまうと怯える青年がいた。
そんな青年ビンクが主人公。
経緯は詳しく思い出せないけど、ビンクは結局、嫌も応もなく旅立つことになる。
それは追放されてだったか、追放される前になんとかして自分の魔力を見出すために、という動機だったか。いずれにせよ、やむにやまれず。
そんな、ザンスにおける「持たざる者」である彼を待ち受ける冒険行がこの「カメレオンの呪文」です。
魔力のない者が魔力のある者=一人前の人間、によって差別され、追放される世界。
魔法の存在しない世界マンダニア=僕やあなたのいるこの場所、が野蛮な辺境として蔑まれているパラレルワールド。
そんな舞台設定自体が、すでに手痛い示唆と皮肉を帯びていることは言うまでもない。
しかしこの作品は、示唆と皮肉の物語では少しもなくて。
別世界である魔法の国ザンスで、彼らは彼らの生活と運命を真剣に生きている。
見事なファンタジー作品です。もっともっと知られてほしい。 -
住人一人一人が、一つ魔法の力をもつ『魔法の国ザンス』シリーズ第一作。
このシリーズはホント、どの巻も面白くって、図書館で借りて夢中になって読みました^^
先日、BOOKOFFで見つけたので、改めて再読。楽しみです♪