紙の魔術師 (ハヤカワ文庫 FT ホ 4-1)

  • 早川書房
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150205959

作品紹介・あらすじ

魔術師養成学院を卒業したシオニー。ところが希望とはまったくちがう「紙の魔術師」に師事して修行することになってしまい……!?(2)『硝子の魔術師』2018年1月、(3)『真実の魔術師』3月刊行予定

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジー3部作の1作目。
    魔法が公認されている世界で、才能のある女の子が活躍します。

    1900年代初頭の雰囲気があるロンドンが舞台。ただし、女性が長いスカートをはいているぐらいで、歴史はほぼ関係ないです。
    魔法学校で優等生だったシオニーは、金属の魔術師になることを目指していましたが、あまり人気のない紙の魔術師の所へ配属されてしまいます。
    しかも、折り師である師匠のエメリー・セインはどうも変わり者らしい?
    ここで実習して師に認められなければ、一人前にはなれません。
    不満と不安を抱えつつ、同居しての研修が始まります。

    ガラスの魔術師、など物質に即した魔術がいろいろあるという設定が面白いです。
    紙の魔術は、折り紙が動き出す、ような要素もあって、日本人にはなじみやすいかも。視覚的にも楽しいですね。これも映画化権は取得されているそう。
    エメリー・セインが紙で犬を作ってくれたりして、しだいに親しくなっていく師と弟子。
    世の中にいくつか不穏な兆候はあったものの、ある日、まさかの大事件が起こります。

    師匠の心臓の中に入っていく、という魔法にしても想像を超えた設定がすごい。‥だって、紙の魔術師なのに?
    これがなかなか上手く描写されていて、その発想と表現力に感心しました。
    意外とダークな世界だったんです。
    甘いロマンス要素でエンディングへ向かうのは好き嫌い分かれるかな?
    「カラヴァル」より好みだな~と連想して、アップしました。
    もう最後まで翻訳されているしね☆

  • 『切除師』って、何のために殺戮を繰り返してるの?主人公シオニーの師であるセインの元妻は、どうして切除師になったのだろう?その辺が謎でモヤモヤ。だんだん明かされるのかな。成り行き上とはいえセインの過去や思いを弟子のシオニーに見られてしまうって、プライバシーの観点からして、ヤダな。やっぱりここでもモヤモヤ。

  • 続編があると知っている作品は、基本的に続けて読むのだけど、続編は読まないことにした。

    この舞台では、魔術師は特定の物質と契約して、その物質にだけ魔法を注ぎ込めるようになるらしい。魔術師養成学校がある。などという情報があり、主席で卒業したヒロインが住み込みで不本意ながらも紙の魔術師に弟子入りする。

    ここから、あしながおじさん要素があり、この師匠である紙の魔術師が実は良い人であり、しかしながらもこの師匠は何か過去に闇を抱えている要素が匂わされる。
    ここからいきなり、師匠が襲われる。師匠の心臓のなかのイメージ世界?が始まる。

    まだ、物語の設定を読者に理解させる前に、師匠とヒロイン、師匠の過去の妻、の揉め事エピソードに突入するが、説明が足りないせいか、なぜこうなったのかよくわからない。一応「心臓世界」で妻が闇術の世界に傾倒していく様子が少し描かれるのだが、興味がひかれない。魔術の設定を生かす前にロマンスとその終局だけに特化しすぎだと思う。

    人間の体を物質とみなして契約する、闇魔術の師匠の元奥さんを撃破して、ヒロインと師匠が将来結婚することを暗示するところも唐突。

    続編ありきの作品としても、これで完結させるつもりの作品としてもちぐはぐな印象を受ける。そして、人物の心象描写と場面風景描写のバランスが悪いというか間延びしてしまっている様子もあり、ひっかかりがなかった。

  • 半分から流し読み。ファンタジーなのはわかる。でも心臓に入ってからの話が長いし、わかりにくかったです。想像力が乏しいのでしょうが、やっぱり映像向きなんでしょう。続編も買ったけど微妙だな・・・
    わたしが高校生だったなら楽しく読めたかもしれません。 主人公は貧乏だけど気は強く、努力家であしながおじさんと恋に落ちる・・・なんかどっかで読んだような。
    個人的には出てくるキャラの誰も好きになれませんでした。残念。

    • papriikaさん
      同感です。始めは、この1冊で完結予定だった、とのことですから仕方ないかもしれませんが。世界設定の説明がまだ不十分のまま、心臓の中での戦いに突...
      同感です。始めは、この1冊で完結予定だった、とのことですから仕方ないかもしれませんが。世界設定の説明がまだ不十分のまま、心臓の中での戦いに突入してしまって「なぜ?」という消化不良の疑問を湧き出させたまま、いきなりのハッピーエンド。
      表紙カバーイラストは良かったのに。
      2021/07/03
  • 表紙に惹かれて読んでみましたが、面白かったです。
    紙の魔術師という設定がまずすごい。あしながおじさん的要素と恋愛小説、それと魔法要素が素晴らしいバランスで組み合わされている。
    特に折り紙に親しみが強い日本人には読みやすいのでは?と思いました。

    正直主人公のシオニーとヒーローのセインの絡みはそこまで多くないのですが、それ以上の結びつきが出来てしまう構成がすごい。

    続編も気になります。映像化も決定しているとのことなので、動く折り紙がとても楽しみですね。

  • 魔術と金属とか、紙とか、そういった物質を大々的に絡めるのはむしろジブリっぽくないか??
    でもディズニーが映画化するんか…

  • 図書館で。
    折り紙に命を吹き込むとか魔法に使うって言うアイディアは面白い。面白いんだけど…結局そこよりは彼女が師匠の元奥さんと対決する、みたいなのがメインになってしまいちょっと残念。それはまだ時期尚早じゃない?とか思ったんですが… 師匠の胸を土足でドカドカ歩かれる、みたいな台詞はまんまで笑ってしまいましたが。

    最初、主人公のやる気度がマイナスなので好感度があまり上がらなかったせいかもしれませんがあまり好きになれないタイプのヒロインだったな~。あっという間に恋に落ちた理由も微妙だし。けど10代の女の子なんてこんなものなのか?続きを読むかは…微妙な所。

  • 27:意に反して紙の魔術師=折り師エメリー・セインのもとで研修することになった優等生シオニーの、ささやかな大冒険と(ほんの少しの)恋と、魔法使いライフ。折り紙とか切り紙に魔法を込める、みたいな感じかな。新素材の魔法に押されて紙の魔術師は不人気とか。
    めっちゃ好きなやつでした。女の子が強いお話は良いね……。紙の魔法が素敵。

  • 紙がどんな魔術になるかと思ったけれど、面白かった!
    折り紙だけでも魔法みたいなものよね
    内容はなかなか血みどろでした

    1900年代はじめのロンドンなんて大好物の舞台のはずが
    きわめて現代アメリカ的な社会的規範と環境。
    ヴィクトリア朝の最晩年からエドワード朝初期なんておいしい時代なのに、時代考証含めまったく反映されてない。作者は王様のいない国の人なので仕様がないのかもしれません。
    現代アメリカが舞台ではいけなかったのかな?
    どこでもいいやと思えば、面白かったです。

  • 一人前の魔術師になるため、先生のもとで研修を受けることになるシオニーちゃん。
    ところが、言い渡されたのは紙の魔術師。
    一人の人間が使える魔術は一種類のみ。それは一生変えられない。
    しかも、その先生がまた変人で、
    人を嫌って森の奥に一人で住むわ、紙の骸骨に執事をさせるわで
    とにかく陰気なお方。

    わたしの人生どうなっちゃうの!?
    ・・・からの、あれよあれよという展開が面白い、
    冒険譚です。
    先生の、かつての因縁の魔術師を相手取り、
    ハラハラとした展開が楽しめます。

    恋模様もドキドキハラハラです。

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