- Amazon.co.jp ・マンガ (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150306410
感想・レビュー・書評
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透祜と鷹野という二人に焦点を当てながら、サイドストーリーとしての青比古と桂と那智の三角関係などを展開していくうまさに、舌を巻きっぱなしで読み進めた。
透祜は成長するにつれて、幼さから強さと共にエロスを発していく。こういうあたりをきちんと絵に乗せて表現できるあたりに、ひたすら水樹の画力の高さを感じた。鷹野と病の娘のキスシーンを目撃した透祜の「ずっと鷹野が好きだったの」はド直球少女漫画だが、ずばっと決めてきたのにも痺れた。
しかもこの巻の途中では妖祜という一卵性双子が登場したと思ったら、いきなりメインキャラの透祜を殺してしまうという衝撃の展開。半狂乱になった鷹野は、追ってきた妖祜を殺しかけるが、妖祜の中に、彼女と一体化した透祜を発見し、抱きしめる。この場面で首を絞められ、死を覚悟した妖祜の表情が実にエロい。
血のつながっていない兄と妹の恋、双子が互いに惹かれあう神秘性みたいなものをテーマにした漫画は、この時期沢山描かれていたように思う。そういう漫画あるあるを全部盛りにしながら、物語は物語で骨太に進んでいくのだから、大したものである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この時点で、亜神が古き神の跡を継ぐよき神々で、威神がそれに対立する悪しき神々。
そして、その2つの神々の下にいる人間たちも、同じように、威神のところには、悪役がいる……。
そんな風に見えるようにかきながら、作者の目は、しっかりと遠くを見ていたんですねぇ。
すべてを受け入れて、肯定し、許す神。その姿からは、決してそうとはうかがいしれないけれど。
そう。「百億の昼と千億の夜」で阿修羅王が必死な思いで守ったあの世界は、56億7千万年の後に滅びてしまったのですが、もしかすると、この世界は……。
あの思想に負けずに、生き延びていくのかもしれない。
それが、誰にも支配されない「神名を持つ國」の意味というか、存在理由なのかもしれません。 -
学生時代に、母親が持っていた単行本を読んでハマり、このハヤカワ文庫版を自費で購入するにあたりました。
神とはなにか、人とはなにか、名の持つ意味、目に見えるもの、目に見えないもの、本当に大切なものは?など、とても考えさせられた物語。
壮大なスケールで、いまだに読み返す本の一冊です。
セリフの一つ一つが印象的です。
今の自分を構成していると言えるくらい影響を受けました。
単なる少女マンガとは一線を画してます。
その第二巻。 -
何回読んでも夢中になれる。
一つ一つのセリフまでが胸に残るような作品。ブラボー。