- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311049
作品紹介・あらすじ
『天冥の標』を展開中の著者が21世紀と23世紀を“つないで”描く、異色の時間SF長篇
感想・レビュー・書評
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#日本SF読者クラブ 「コオロギ岳」ではない。「木星前方トロヤ群」がわかなくても大丈夫です。時間SFなんだけど、難しい理屈は無視して(?)スラスラと読むこと。新型コロナ疲れの頭には、一服の清涼剤となるでしょう。
コミカルな「時砂の王」という例えもあったが、言いえて妙です。作者が「天冥の標」の執筆の合間に書いた作品である詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代の日本アルプスと、23世紀の木星。時も場所も違う2つの世界にまたがって出現した、なぞの生物。
「尾っぽの方が23世紀の木星に挟まって動けない」と現代に現れた頭の部分がのたまって・・・。
とにかくその生物を解放しようと、日本と木星にそれぞれ居合わせた女性と少年が試行錯誤の交流を図るお話。
今やったことが、未来を変える。この、当たり前だけど実感できない事実を、平面にして見せてくれる。 -
西暦2231年。木星前方トロヤ群の小惑星・アキレスに住む
ふたりの少年リュセージとワランキは、終戦後の広場に放置された
宇宙戦艦に忍び込んで閉じ込められてしまう。
いっぽう2014年2月。北アルプス・コロロギ岳の山頂観測所で
太陽観測に従事する天文学者・岳樺百葉のもとには、赤茶けた色の
大根のような形をした巨大な物体が突如あらわれて.....
天空と時空を超えて、二つの時と場所が交差して織り成すファンタジー。
時空と天空が交差する絡みをわかろうとするのには
頭の中がぐるぐるになっちゃいましたけど(笑)
リュセージとワランキの二人の少年の、逆境にもめげずプラス思考で
前向きに立ち向かおうとするテンポのいい軽妙な掛け合いは
心地よくて楽しくて好きでした。
カイヤクがとらわれてしまった楔は、いったいどんだけ長いのかしら???
想像できるようなできないような.....不思議な不思議な大根です。(笑)
みんな前向きで一生懸命なのがいい♪ -
つい帯に釣られました。見事に釣られました。 作者も、こういうの書きたくなるよね……。というぐらい軽く読める時間SFものでした。コロロギ岳から太陽観測をする仕事をしている女性が出会った、突如現れた「大根」とは……。まさか小川一水さんが、こっち方向のネタをいれてくるとは……とちゅうで消えちゃいましたが、笑ったー。深読みしたくなる気持ち、わかります!でも、私は実は上は女の子だと信じてました……!
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西暦2231年の木星トロヤで、宇宙船内に閉じ込められた二人の少年。一方2014年、日本のコロロギ岳では、とんでもない来訪者が訪れ、天文学者の百葉(ももは)と水沢は、閉じ込められた少年たちを救う手助けをすることになるのだが…
もっと分かりやすく、この小説の説明をするなら、200年越しの人命救助! 200年後に閉じ込められる少年たちを、いかに現代から救うか、ということがテーマです。
百葉たちはどうやって200年後にメッセージを残すかに苦心します。メッセージを受け取ることは、可能なのですが、それに対し返信しようとすると、200年先にも残っている形で、伝言を残さなければならないからです。
200年先にも伝言を残すには、いろいろな人間が世代を超えて、メッセージを残し、伝えるようにしなければいけません。そして、そうした動きは歴史を変えることにもつながっていきます。
そうした壮大な動きが、二人の少年を救うためだけに行われる。単純な動機なのにスケールが壮大で、それが読んでいてとっても素敵だと感じました。
読んでいて思い出したのは映画『オデッセイ』と『火星の人』。一人の宇宙飛行士を救うためにあらゆる人が頑張るその作品と、この『コロロギ岳~』には、共通のバイタリティが、根底にあるような気がします。
時空を超えて紡がれる、人間の善意の物語だったと思います。
第45回星雲賞〈日本長編部門〉 -
ん-・・・
ちょっと難解 -
新年早々続けて小川一水。
「風の邦、星の渚」はSF要素薄めだったけど、こちらはSF要素満載。
なんと言ってもみんな大好き時間SF。
ずっとわくわく、にこにこしながら読めてたし、オチもきれいに決まって文句なし。
小川一水にハズレ無し!