〈骨牌使い(フォーチュン・テラー)〉の鏡(下)(ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 74
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311858

感想・レビュー・書評

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  • はぁー……楽しかったです。
    流麗な文章に誘われるまま世界に没頭し、その中を生きるように読むという至上の時間を過ごしました。
    「物語ってこういうことだ!」と鼻息荒く主張したいです。

    上巻は王道的とも感じたのですが、下巻になると混沌に次ぐ混沌で、頁をめくるごとに自分の顔色が変わっていたようにさえ思います。
    人物達の内省や、世界が<詞>によるという設定などにも垣間見える観念というか哲学というか……は、あまり安定していないようなのですが、それも含めてこの作品なのだと感じました。

    個人的にはアルディルがすごく好きです。
    考えたみたら、ザ・悪人があまりいなかったような? 

    ラストシーンもすばらしくて、この壮大な物語の終わりに相応しい、美しい景色でした。

    単行本でかつて読んでいるのですが、何年も前のことで、忘れている部分も多くあり……しかしそれにしても、前回よりもっともっと楽しんで読んだという感覚があります。
    再読して良かった。

  • 図書館で。
    面白くない訳ではないけれども…という感じ。
    なんとなく苦手なお話でした。何が苦手かというと

    主人公が感情的で読んでて疲れる。
    序盤から登場人物が多く、誰が誰だかわからないうちに事件が起こり何がどうなってるのかわからない。
    お話の根幹にあるカルタってのと社会のシステムがよくわからない。
    良い人なんだか悪い人なんだかわからない人間が出てくるのは仕方ないんですが自分を誘拐した男よりずっと幼少時より仲良くしていた塔の姫の方が許せないって感覚がよくわからない。

    というわけで全体的にお話の世界観と背景を理解するのに苦労しました。挿絵でも付いてると違うのかな?まあでも主人公があまり好きなタイプではなかったのでどうしようもないのかも…

  • 上巻ではストーリーの進行にあまり動きはなく、もっさりした感じでありましたが、下巻に入ってからは怒涛の動きで、登場人物それぞれが明らかに成長していくので面白く読めました。ただ、相変わらず主人公であるアトリとロナーに魅力を感じず、それよりもナムール、ペルシャザル、ユウェインの三角関係の物語と、弱々しかったアルディル公女の目覚しい激変振りのほうが印象的でした。

  • 娘として、少女として、女として。
    息子として、少年として、男として。
    相手に映し出される姿は年齢とともに確かに成長していった。

    最後の最後まで見届けるまでは目を離せない物語。
    失ったものは多々あれど、全ては収まるべきところに丸く収まる。
    そして未来へ。

  • 面白かった。勉強になる。

  • 登場人物が敵なのか味方なのか、目まぐるしく変わっていくのが面白い。勿論、かといって首尾一貫していないということではない。一人一人の設定がかなり細かくされているのではないかと思う。
    また最初から終わりの書き方も決めているのではないかと思うほど、物語の流れがスムーズで初期の作品にありがちな尻切れにはなっていない。伏線の回収も素晴らしい。
    ただ、多少文章が読みづらいのとあまり作者から伝えたいテーマ的なものがいまいち伝わらない。
    だが、世界観やストーリーの一貫性は期待に値するので
    他の作品も読んでみたいと思う。

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