機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ツ 1-5)
- 早川書房 (2017年5月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312749
感想・レビュー・書評
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近未来の警察小説・ミステリー。
縦割り組織の警察機構にあって、独自に自由な捜査活動・制圧行為が認められてた特殊部局・警視庁特捜部。特捜部の秘密兵器が「龍機兵」という特殊装備。搭乗員と人型ロボットが人馬一体の動きを実現する装備・機甲兵装の中でも、「装着者の脊髄に挿入された龍髭が、脳に達する以前の脊髄反射を検出して量子結合により龍骨に伝達。機械的操縦では実現できない反応速度を生み出す」秘密兵器だ。
この設定にちょっとワクワクする。ロボットアニメ全盛期に少年時代を過ごした身には堪らないな。懐かしさすら感じた。
でも、内容的には、警察組織内部の激しい縄張り争いやいがみ合いがテーマでなかなかハードだ。特捜部は、正規の警察組織と認められず、疎まれ、足を引っ張られ…。その根本は、縄張りに横から割り込んでくる特捜部の強引さ、特捜部に引き抜かれたメンバーが全員一階級特進していること、そして何より、龍機兵の搭乗員として傭兵を雇っていること。
その龍機兵搭乗員は、それぞれに複雑な過去を持つ3人: 姿俊之(「奇跡のディアボロス」最後の生き残り、フリーランスの傭兵,楽天家)、ユーリ・オズノフ(元モスクワ警察刑事、内向的で実直)、ライザ・ラードナー(元IRF(アイルランド過激派テロ組織)メンバーで自殺願望あり)。そして特捜部を率いるのが、外務官僚出身で腹の底が読めない人物・沖田旬一郎。
クセのあるキャラ達がいい味出してる。このシリーズ、読みすすめたいな!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
月村作品ということで手に取った
いきなり龍機兵が登場して『むむむ…パトレイバーか?』となったが、次第に警察物のリアリティと異色の傭兵達のドラマに引き込まれていった
現代社会とSF世界がARのようにレイヤーが重なり没入できる世界観になってます -
近未来の警察小説として評価、人気が高いということで読んでみた。2010年に出されたなら、映像としてイメージも出来るのだろうが、細かな描写を楽しめるかがこの小説をどこまで評価するかだろうと思う。ハリウッド映画にありそうな、と言ったら古臭いか。アンドロイドのような登場人物たちの人間味が面白い。
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月村作品は、エンジュや土漠の花から入った
ので、デビュー作の本作は、読んでいても、
すんなり受け入れられた
ラストシーンは、映画を観ているような感覚
で読み応え充分だった
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3.5m超の着用する機甲兵装がテロなどで活躍する近未来。しかし警察組織は未だ腐っており、特捜部なる部署が警察のマル秘・龍機兵を管轄する。それを操るのは外様の雇われ傭兵達。
ロボットも人の名前もあまり頭に入って来ず、読むのが少し辛かった。コミカライズされているので、先にそれを少し読んでイメージつけてから読めば良かったです。パトレイバーもエヴァも攻殻機動隊も見てないからなー。少しイメージわかってきたから、続きからは楽しめるかも。 -
数年ぶりに再読(その時は通常版)。やっぱり面白い。
テロや民族紛争が激化し、大量破壊兵器に代わり近接戦闘兵器・機甲兵装が主流となった至近未来。最新鋭機「龍機兵」を導入した警視庁特捜部の闘いを描いたシリーズ1作目。
ロボットもののスリリングな戦闘シーンに加えてハードボイルドな人間模様、警察組織内の軋轢もあり読み応え抜群。
作者が元アニメの脚本家ということもあってかキャラの立たせ方、ストーリーの盛り上げ方が非常に上手い。
ベタかなと思う設定もついつい熱くなってしまうカッコよさがある。続編も改めて読み返してみたい。 -
いきなりバイオレンスがあり
楽しかった。 -
近未来の日本警察を舞台にしたパワードスーツ物。
設定的にはラノベだけど、一般小説作者による地に足ついた作品で面白かった。
雑な展開が無いからこそ安直にパワードスーツの戦闘をさせないので、戦闘シーンが少なくなってるのはちょっと物足りないかな、
海外ドラマで言えば1〜3話くらいで、まだ序章という感じ。 -
場面一つ一つに臨場感が感じられ、視点が変わるのでそれぞれの心情も理解し警察内部の気持ちの複雑さがわかりやすいのが良かった。