流れよわが涙、と孔明は言った (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.79
  • (9)
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  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 178
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150313722

作品紹介・あらすじ

馬謖の首が硬くて斬れない孔明のがんばりが並行宇宙論へと飛躍していく表題作のほか、笑えて泣ける新時代のSFエンタメ短篇集!

感想・レビュー・書評

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  • カクヨムや同人誌への掲載作品に、書き下ろし1編を加えた全5編からなる、著者の短編集第2作。

     表題作の『流れよわが涙、と孔明は言った』は、失態を犯した愛弟子の馬謖の首を斬ろうとするが、硬くて切れないというストーリー。タイトルも有名作のパロディであり、一見インパクト重視の出落ち作品かなと思うも、読み進めれば次々と奇想が展開し飽きさせない。荒唐無稽に思えて、馬謖の首が切れない理由にもSF的回答が与えられていて驚いた。

     また、収録作の中でも特に評価が高いのはドラゴンカーセックスをテーマに書かれた「竜とダイヤモンド」だろう。獣人やドラゴンが実在する世界観で、新聞記者兼泥棒の鹿人と、貧乏貴族ながらなぜかドラゴンを飼育している"坊っちゃん"の物語。なぜドラゴンが車に欲情するのか、筋道立てて説明されている点も素晴らしいが、愛憎の果てに種族を越えた友情を描いたストーリー自体がとても面白かった。

  • 「走れメデス」が100点である。

  • 文体も内容も全く合わなかった。ナンセンスギャグ小説だが個人的には面白いと思えず。

  • 「流れよわが涙、と孔明は言った」★★
    「折り紙食堂」
    「走れメデス」
    「闇」
    「竜とダイヤモンド」

  • この人はほんと天才ですね。

  • アホすぎて面白い表題作に釘付けだった。

    三国志を知ってる人なら、ほとんどが分かるだろう「泣いて馬謖を斬る」をまさかこんな扱いにしてしまうとはな。

    帯の惹句は「泣いたのに、馬謖が斬れない」

  • (伝説の)ドラゴンカーセックスの文字が見えたので買ってしまった。
    待ち合わせの時間潰しに買ったはずなのに一気に読んでしまうくらい気楽に読める。
    内容は全編パロディ&コメディと思いきや、少し考えさせられるテーマのように見えるナニカだったり予想以上に楽しめた作品だった。

  • 20190706
    「 竜は全身が性器なんだ」
    「 竜は全身が性器なのか」
    「 ノートをとりたまえ。大事なところなんだ」
    「 もし俺が雨の中溝にはまって死んでいて、握りしめた拳を開いてみたら紙片が出てきて『竜は全身が性器』と書かれていたら、冥福を祈ってくれるかい?」
    「 真面目にやってくれ」
    卑怯だとは思わないか?
    (p.196)

  • パロディとダジャレがテンコ盛り。「走れメロス」とアルキメデスを、名前が似ているだけでくっつけてしまった「走れメデス」とか、無茶なのに、それなりにまとまっているから不思議だ。軽ーく楽しめる本だった。

  • 《流れよ〜》読了。サクサク読めた。いやこれは面白い。
    いろんなパロディ満載の並行世界論(もちろん並行世界ということで表題の元ネタ《流れよ我が涙、と警官は言った》のパロディでもある)の表題作と、「走れメデス」が抱腹絶倒。
    「折り紙食堂」は不条理劇みたいなテイスト。
    人間が死ぬと電柱になる、という世界を描いた「闇」は心理的にもダークな雰囲気。
    竜の生態(主に生殖)を絡めて若干ハードボイルドちっくな語り口の「竜とダイヤモンド」も良い。大人向けの短編アニメとかにできそう。

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