裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 285
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314767

作品紹介・あらすじ

紙越空魚と仁科鳥子が裏世界で初めて出逢ってから、もうすぐ1年。大学でゼミに入った空魚は、謎の寺生まれの青年と出逢い――?

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ初の長編。今回は「怖いと見せかけて笑える話」がベースにあったようで、たしかに今までとは少し毛色が違う話だったように感じた。舞台も表世界と中間領域が中心になっていることもあって尚更そう感じたのかもしれない。後半はなんだかアタッカー2人+バフ持ちキャラパーティーによる特殊必殺持ちボスアタックみたいな展開になってて、やはり今までと少し違う物語を楽しんだ気分。しかし、空魚に対する感情が高まり過ぎてキャラ変したかのように狼狽える鳥子が可愛すぎる。

    「Tは寺生まれのT」
    大学3年生になった空魚、ある日鳥子や茜理に話しかけられるが空魚はその2人のことを知らない。そのままゼミに出席するが、担当教授から先週と違うことを言っているがどうしたのか?と問われる。空魚自身もどこかおかしいと感じながら、ゼミにいた男子生徒が自分は寺生まれだと言っていたことだけ思い当たる。その後また鳥子に詰め寄られ、空魚は記憶喪失なのではないかと言われる。

    最初はこのように始まり、何か異変が起きていることだけ分かる。回復後は茜理が今まで以上に巻き込まれて(自らの部分もあるが)いったり、DS研のことや意味深な終わり方などこの先が気になる状況になっている。裏世界からの干渉も気になるので次巻以降に期待。

  • 今回は長編(作者後書き曰く「劇場版」)で、扱うネタもいつもとはちょっと毛色が違うが、話の作りとしてはいつもの短編がそのまま長編ボリュームになったような感じ。物語の起伏はあるのだがそれをあまり感じさせない、ある種日常系のような読み味は長編でも実現できるのかと妙なところに感心してしまった。今回は前巻からの刊行期間が短かったので、この勢いで次も期待したいところ。

  • 今回ほどハラハラしたことないよー、裏世界ピクニック!
    寺生まれのTさん、怖すぎるし笑
    とにかくワタシは空魚ちゃんがいちばんやばいとは思っているのでそこが読みたい!
    アニメは終わっちゃったけど⑦楽しみにしてます!

  • 安定の面白さ。続きが楽しみ。

  •  開幕から空魚の記憶喪失から始まり、瀬戸茜理を巻き込みつつTさんへ対峙していくという、普段とは違った長編となってました。
     今巻は怖さが薄めで裏世界へもあまり行かず、瀬戸茜理や小桜さんも出てきてと、此方側の世界に寄った話の様に感じました。また、空魚が鳥子との事や、後輩の瀬戸茜理の事などへ意識を向けている巻でもあったのだと思います。

     前巻で拾った?女の子もチラチラと出て来たり、潤巳るな様と交流したりと、段々と空魚が関わる人間が増えてきて、鳥子と2人だけではいられなくなってきている感じが見られ、空魚が今後、どう他の人間と関わっていくのか楽しみにしています。

  • 2021年3月ハヤカワJA文庫刊。書下ろし。シリーズ6作目。長編。いつもながら、裏世界の構築が緻密で、楽しめる。登場人物たちの行動と思いに、わくわく感がもの凄くあって、面白い。始まりの空魚の記憶喪失や、島子、小桜、茜理の動きに緊張感があり長編の持つメリットと相まって強く心に残ります。素晴らしい。

  •  軽快なやりとりが小気味良い。前巻は、露骨にいちゃついてる感じが、求めていたものではない気がしたが、なんか馴染んで来たというか。距離を詰めてきた鳥子に、ちゃんと応えてあげなきゃな、と前巻で決意した結果、今回はかなり努力しているのに加えて、人との接し方が自然と変化してきているのが良かった。人を通じて、自己の解像度を高めていく感じも良い。
     少しずつ変わっていく二人の関係と、空魚の在り方。4巻までのように、劇的なポイントが設けられている訳ではないけど、一冊通じて「今の二人」を堪能できる。
     裏世界の設定も、もう一段踏み込み初めているし、前巻でちらとしか出なかった話も、きちんと描かれている。こんなに長く続くとは思わなかったけど、続きも楽しみだ。

  • ネタ枠かと思ったら一巻まるごとTさんで驚き。
    概念としての組み込み方が面白い。
    オチよく分からなかった感あるけど、元ネタもオチが無茶苦茶だしなと妙に納得した。

  • 今回も面白かった。最初のパートの、視点がおもしろすぎる。

  • 今回は一つのネットロアで一冊出来てる長編。かねてから展開が目まぐるしすぎて覚えてられないなあと思っていたので、長編で面白かったような、いやもう少し色々入っていて欲しかったような…いや、るなとか少女とか盛り沢山だったか。結構満足です。でも所々あれ、これ文書が異世界…で異世界混入されてるのにノーツッコミな所、あるよね?後でなんか違う展開になるのかと思ってたらそうならずにノーツッコミな。そういうものなのかな。赤い人とか。どうなってるの。

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著者プロフィール

小説家。代表作に『裏世界ピクニック』(ハヤカワ文庫JA)、『そいねドリーマー』(早川書房)など

「2019年 『迷宮キングダム 特殊部隊SASのおっさんの異世界ダンジョンサバイバルマニュアル!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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