燃える戦列艦 (ハヤカワ文庫 NV 87 海の男ホーンブロワー・シリーズ 6)
- 早川書房 (2009年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150400873
感想・レビュー・書評
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副長・ブッシュに続いて、この巻になって艦長艇の艇長・ブラウンの活躍が始まります。ようやく役者が揃ってきた感じです。
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ここまでの印象は。。。。
随分久しぶりの再読です。それまでの長い間に、ひょっとして神格化するような作用があったのでしょうか。本音を言うと「こんなもんだったかしらん」という感じがあります。面白くないわけではないのですよ。充分に面白いのですが、初読の時はもっと凄い衝撃を受けたような記憶があるのです。
ひょっとしたら私の年齢のせいかもしれません。また、本の内容が時代の中でついて行けなくなっている(女性の扱いなど)所がある所為かもしれません。
この作品の魅力は、やっぱりな何と言ってもホーンブロワーの人物造形にあると思います。そこは古びない。やっぱり魅力的です。これにブッシュやブラウンがからんでくるとますます生きてきます。
そして2番目がアクションシーン。ここも素晴らしい物があります。
そして3番目に恋愛。どういうものかイギリスの小説には必ず出てくるような気がします。このシリーズに続いたボライソー・シリーズの最後のほうは、ほとんど恋愛小説の感があります。しかし、どうもここが苦手ですね。このあたりがこの作品の欠点でしょうかね。
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帆船軍艦同士の戦いの描写はどきどきします。実際には戦闘準備から開始まで結構時間がかかったりしたんだろうけど、小説で読む分にはスピード感があって、文字通り手に汗握る感じ。で、この巻の最後、ホーンブロワーもブッシュも大変なことになっています。
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いろいろな帆船軍艦ものを読み、同じ著者の『アフリカの女王』を読んだ後再読すると、わからなかった面白みが見えてきました。
オープニング。
貧乏だし、艦は不格好だし、乗組員は足りない。妻は鬱陶しい(この妻に対するホーンブロワーの心情はとてもよくわかります。妻が悪いわけじゃない。でも、ウザい。イラっとくる。そしてそういう自分に腹を立てる…)し、あこがれのあの人はますます手の届かないところに行ってしまい、とにかく不機嫌のネタがてんこもり。
海に出てからも部下の美点や魅力に密かに嫉妬したりして、あいかわらず、うじうじぐだぐだ考えていて、ちっとも英雄(ヒーロー)じゃない。でもしかし…。
日本語訳第1巻から読むと、この人物造型の妙に気付きませんでした(不覚)。 -
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Ship of the Line
海の男ホーンブロワーシリーズ第6巻。原作第2巻 -
(06.4.19読了)