ラット・トラップ (ハヤカワ文庫 NV ト 1-2)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150405045

作品紹介・あらすじ

ヒースロー空港の上空で、着陸態勢に入った英国航空の旅客機が、過激派に乗っ取られた。同機は無事着陸したが、やがて犯人側から過酷な要求が突きつけられる-獄中にいる仲間のナスードを引き渡せ、さもなくば乗客もろとも機を爆破する!ハイジャック対策本部長のラティマーは、空港の警備を固める一方で、やむなくナスードを連れ出す命令を下した。だが連行する途中、思わぬ事故が発生、ナスードは逃亡してしまった。窮地に立たされたラティマーの打つ手は?ハイジャック機をめぐる熾烈な攻防を描くサスペンス長編。文庫オリジナル。

感想・レビュー・書評

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  • 冒険に憧れる凡庸な私は新・冒険スパイ小説ハンドブックを読んでクレイグ・トーマスを知る。そこには「ファイア・フォックス」の紹介が。高校生の時に読んでピンとこなかった記憶があるけれど、新たに見つけた古本屋さんでクレイグ・トーマス20冊格安セット発見!ここは新年早々冒険して(ちっちゃ!)購入したのだった。デビュー作の本書からもう一度挑戦してみることに。
    めっちゃ面白い!パニック映画全盛の76年発表の本書のテーマはハイジャック。表題はイギリスの対ハイジャック作戦のことを指す用語。とても処女作とは思えない重厚さで登場人物の心理描写がすごい。事故に不注意が重なって作戦に思わぬ支障が重なってくる状況での対策本部長や、追われるテロ犯人の追い詰めらる者の描写に心臓バクバク。苦いラストも渋い。BGMは同じく70年代の映画「エアポート’75」、「カプリコン1」のサントラ。う〜んピッタリ。やっぱり、高校生の時ってぼーっとしてたんだなぁ。今ならわかるよ。
    テロを生み出す社会情勢(パレスチナ問題や格差は今も続く)や、対策を講じてもそれをかいくぐる航空機への侵入、対策チームの心理的重圧など、どれも古びていないことにさらに驚く。パレスチナ問題や航空機事故なども重なっている今というタイミングにゾッとする。世界は恐怖に溢れている。

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