スパイのためのハンドブック (ハヤカワ文庫 NF 79)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150500795

感想・レビュー・書評

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  • あはー!おもしろい読み物だった!

    1960年代にイスラエル秘密情報部のスパイだった著者による、スパイハウツー本。
    スパイに全くなれる気しないし(最初の適応テストによると、155点。「あなたは普通並みで、ほとんどの人がそうである。(中略)身を入れて勤めれば、やがてはまずまずの情報部員にはなれよう。」だったw)、なりたい事情があるわけでもないんだけど!
    前半は「ソロでしっかり生き抜く上でヒントになりそうなところ」が結構見つかったような気がする~。
    隙を作らず、孤立せず、自分の邪魔をさせず、自分の目標を遂げるためのヒント。
    後半も、回顧録的な感じで、大変興味深く読んだ!
    自伝『シャンペン・スパイ』の方も読んでみよう~。

    【自分用メモ】
    56ページの“べし”と“べからず”集から、抜粋。
    ・時間通りにそこへ行くべし(一時間前ではなく)。
    ・服装はこざっぱりと、華美にわたるべからず。
    ・全部の質問に正直に答えるべし。ただし、相手のゆるすかぎり簡潔に。自ら進んで情報をあたえてはならない。
    ・礼儀正しく、しかしけっしてへつらうべからず。
    ・あなたの反応をみるために、相当挑発的な質問がだされるかもしれない。苛立ちをみせず、落着き、とりみだすべからず。
    ・あなたがいかに優秀かとかあなたができることを自慢するべからず。反対に、おどおどしたり、過度に謙遜してはいけない(相手はそれを買わない)。自分に自信のあることを示すべし。
    ・あまり熱心になるべからず。詳細を知らされるまで最終決定を留保しなければならない。そして、二日間熟考したいと申し出るのである。
    ・金目当てだけという印象を与えないようにすべし。ただし、金のことはいわなければならない。あなたが涙金で働くつもりのないことを相手に印象づけておくことは大切である。

  • 1960年代にイスラエル諜報特務庁(モサド)のスパイとして活躍した著者が、スパイ入門書の体裁で実体験をもとに諜報の世界を綴ったのが本書です。

    スパイの種類(密告者、二重スパイ、特殊工作員、駐在工作員など)、スパイになるまでの経緯と面接でのコツ、スパイの養成方法、諜報活動における女性と金、尋問に際してのアドバイス、刑務所での身の処し方、引退したスパイのその後など、著者の半生とともに、普通は知りえないスパイにまつわる事実のあれこれを窺い知ることができます。

    その書名からも興味本位で手に取られることの多いであろう本書ですが、なかには面接におけるアドバイスにある「自慢すべからず、謙遜すべからず」、監獄での処世術としての「完全に他人を信用しない」などといった一般人の生活にも適用できそうな箴言ともいうべき言葉も含まれています。そして終章にある「満足な健康状態で引退できるスパイは相当運がいい」という厳しい事実には、むべなるかなという思いです。

    本書には第1章に「スパイ能力」、第6章に「スパイとして異性とのかかわりあいを上手に処理する能力」、第7章に「贈賄能力」をテストするためのチェックシートも所収されています。自身のスパイ適正を確かめてみたくなる方もおられるのではないでしょうか。ちなみにわたしのスパイ能力適正は残念ながら、「あなたは普通並みで、ほとんどの人がそうである」と判定されました。

    余談ですが、第八章「大きな嘘には小さな真実をまぜよ」を読む限り、佐々木倫子の漫画『ペパミント・スパイ』も本書を参照しているのかもしれません。

  • タイトルに惹かれて読む。
    私はスパイにはなれないが、スパイをやっている人が他人をどう見ているか、お金事情などが分かって面白いかも。
    これをよんでからキングスマンを見ると、面白さ増し?

  • すごい本だ〜。スパイになるためのハウツー本だなんて。すっごい資料だよ。
    尾行の仕方とか、味方の連絡人との会うときのこととか、ホテルで注意すること、買収の仕方、経歴の偽装の仕方、尋問されたときのうまいかわしかた……。
    尾行のときの麦わら帽子とか、新聞が合図とか、面白すぎる。近づく異性には常に注意しろとか。
    スパイってすごいな。

  • ★勝丸円覚氏推薦図書★
    https://www.youtube.com/watch?v=w_CIPqMN4_M
     元イスラエルの情報機関の構成員だった人が書いた本である。この本には、実際のスパイ活動について具体的に記されている。私(勝丸円覚)は日本でスパイハンターを務め、海外で情報活動を行った経験があるが、その経験からも、本に描かれた現場の状況がリアルに感じられる。著者の呼吸の使い方まで想像できるほど詳細に書かれており、非常に感情が伝わってくる。
     スパイは教育や訓練を受けるが、その訓練では学べない、現場での判断が求められる危機的な状況の切り抜け方が記されている。こうした状況でどのようにして危機を乗り越えたかについても書かれており、教科書には載らない現実の対処法が綴られている。実際の現場を経験している私から見ると、本に書かれた内容はまさにその通りで、現場で即座に判断しなければならないことが重要だと強調されている。
     この本を読んだのはかなり前だが、記憶に新しい。改めて読み直そうと思うほど、内容が印象的である。これはスパイになるための教科書と言えるだろう。しかし、実際に高度な訓練を受けた人が書いたものなので、これからスパイを目指す人には理解しがたいかもしれない。そんな現実離れした状況が本当にあるのか、そしてその中でどう対処するのかという疑問が強くなるかもしれない。
     しかし、私はそれが全て真実だと思っている。現場を知る者として、あり得ないことが現場で起こり得ること、それにどう対応するかがこの本の中で語られている。初心者には驚きの内容かもしれないが、現場経験者には納得のいく内容だ。
     情報を扱う部門に新たに参加する人や、これから現場に出る予定の初心者にとって有益な読み物である。[勝丸円覚]

  •  スパイ映画が結構好きなので、現実世界のスパイがどんな物なのか知るために読んでみた。
     本書は新任スパイに向けたハウツー本というスタイルをとっているため、私生活や報酬の話、捕まった時、拷問された時のことなどなかなか他では知ることができないスパイという職業の裏側を知ることができ、とても興味深い内容だった。
     現実のスパイはジェームズ・ボンドやナポレオン・ソロのように派手で華やかな活躍をしているわけではなく、秘密兵器は出てこないし、敵との銃撃戦もなければ、美女をたぶらかしてことを上手く運ぶこともない。実際にはスパイとバレないように地道な偽装や情報収集によって諜報活動を成功させていることがわかった。スパイは想像よりも地味で泥臭い職業なんだと感じた。

  • 真面目なスパイ本、かつ奥様とののろけ付き。
    ただし悲しきかな、彼の職業がアダとなり
    その愛する奥様は捕まったことがもとで
    亡くなってしまいます。

    つまりそれだけ失敗のリスクは大きいということ。
    本当にリスクが多い仕事だよな。

    しかもよく見たら、ここ超有名な諜報機関だ。
    ある悪名高い掲示板ネタで
    この諜報機関の名前見たよ!!

    ユーモアはあるけれどもスパイの適性検査は
    割と本格的よ。

  • スパイになるにあたって参考にする。
    そういえば、スパイファミリーの予習になるかな?

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/765416

  • 元モサドエージェントが書いたスパイ能力テスト付き。

    • mysterymanboさん
      元モサドエージェントが書いたスパイ能力テスト付き。
      元モサドエージェントが書いたスパイ能力テスト付き。
      2021/07/22
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