フルハウス―生命の全容 (ハヤカワ文庫 NF 286)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150502867

作品紹介・あらすじ

日本人選手の活躍で湧くメジャーリーグ。この華やかな世界に影を落とす一つの謎がある。「なぜ4割打者は絶滅したか」だ。この問題に世界屈指の古生物学者で野球ファンのグールド博士が取り組んだ。そこから見えてきたのは、われわれの進化観にも潜む根深い偏見だった…生物界のトレンドを見出すには生物界の全容を視野に入れねばならない。この「正論」を、アクロバティックな構成で語る、科学啓蒙家グールドの真骨頂。

感想・レビュー・書評

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  •       -2008.03.20

    副題は「四割打者の絶滅と進化の逆説」。著者曰く前著「ワンダフル.ライフ」に対をなす書と。生命の進化がランダム.ウォーク-酔っぱらいのヨロヨロ歩き-と同じであることを詳細に論証し、生命の進化は偶然が支配してきた複線的かつランダムな確率過程であって、決して人類は必然の存在ではなく、生命世界の全容-フルハウス-から見れば微々たる存在に過ぎないと説く。

  • 4割打者の絶滅を統計的に検証し、鋭い考察で、野球界の技術的均衡をその理由として論理展開する。4割打者の存在が生物学的にみて、突然変異的存在というわけでなく、進化の結果、存在の分布確率が減ったと主張している。まぁ、そんないきりたって、論証するようなことかとも思いますが、面白く読めます。でも、4割打者が減ったのが、昔の選手の方が優秀だったとこぼす愚痴を封じ込めるには強力な理論書である。別に、封じ込めなくてもよいけどね。

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