マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

  • 早川書房
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本棚登録 : 481
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150502904

作品紹介・あらすじ

DNAの断片を増幅するPCRを開発して、93年度のノーベル化学賞に輝いたマリス博士。この世紀の発見はなんと、ドライブ・デート中のひらめきから生まれたものだった!?幼少期から繰り返した危険な実験の数々、LSDのトリップ体験もユーモラスに赤裸々告白。毒グモとの死闘あり、宇宙人との遭遇あり…マリス博士が織りなすなんても楽しい人生に、きっとあなたも魅了されるはず。巻末に著者特別インタビュー掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 伊原正喜先生(農学部)
    この話は、PCR法(polymerase chain-reaction)の発明者で、ノーベル賞受賞者のキャリー・マリスの自伝です。
    彼はガールフレンドとのドライブ中にPCRのアイデアが閃いたと言っています(噂ではドラッグ服用中だったとも)。
    その後、アイデアを形にしようとしますが、いつもいい加減で人望のない彼に手を貸してくれる人は少なく、またアイデアの重要性も認めてくれる人もいなかったのですが、持ち前の明るさで世紀の発明を成し遂げます。
    マリスは、まじめとは言えませんが、研究を非常に楽しんでいますし、発想も実に自由です。
    マリスのそのような人物に是非触れてほしいと思い、この本を推薦します。
    ★信州大学附属図書館の所蔵はこちら★
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA67427311

  • PCRの発明者、ノーベル賞。
    彼女とドライブ中にアイデアを思いついたという伝説。
    HIVはエイズの原因ではないとか、気候変動は嘘だとか、科学者としての言動は不安定だが、確かに明確な根拠はないみたい。官僚や研究費欲しさの科学者に対する辛辣な意見。
    マウスの発明に賞を?

  • 読書録「マリス博士の奇想天外な人生」5

    著者 キャリー・マリス
    訳 福岡伸一
    出版 早川書房

    p241より引用
    “ 人はたくさん食べれば太り、食べなけれ
    ばやせる。ダイエットに関してこれ以上の真
    実はない。物事の本質を見直すべきである。
    そうすればたわごとに惑わされずにすむ。”

    目次から抜粋引用
    “デートの途中でひらめいた!
     科学をかたる人々
     健康狂想曲
     マリス博士の講演を阻止せよ
     私はプロの科学者”

     ノーベル賞受賞者である著者による、自伝
    的エッセイ集。
     ノーベル賞を受賞することになったアイデ
    アのひらめきについてから科学を利用した世
    の中の欺瞞についてまで、科学的示唆に富ん
    だユーモア溢れる文章で書かれています。

     上記の引用は、世に溢れる健康情報につい
    て書かれた項での一節。
    色々なダイエット法や食べ物が、流行っては
    廃れて行きますが、この一節が全てなのかも
    知れません。
     著者の破天荒というかハチャメチャという
    雰囲気が、書かれている内容からひしひしと
    伝わってきます。こうして著作に触れたり、
    遠目から見ているなら楽しい人ですが、近所
    にいたら実験の貰い事故をしてしまいそうで
    す。
     世間を騒がせた事件や、世の中で当たり前
    のように信じられている科学理論に対する疑
    問についてなど、非常に興味深い内容。
    特に「11,科学をかたる人々」あたりは、世
    の中から大声で聞こえてくる話を、しっかり
    疑って聞いて、出来ることなら自分で調べて
    みたほうがいいのだろうなと思わせます。

    ーーーーー

  • 福岡伸一氏の翻訳によるノーベル化学賞受賞者の著者によるエッセイ集。
    かなり破天荒で自由人であるが、本来あるべき「科学者の視座」が得られる。
    系統としては、「ファインマン先生」の本に通じるものであるが、あちらがビートルズだとすると、こちらはストーンズといった感じ。

    [more]
    (目次)
     1 デートの途中でひらめいた!
     2 ノーベル賞をとる
     3 実験室は私の遊び場
     4 O・J・シンプソン裁判に巻き込まれる
     5 等身大の科学を
     6 テレパシーの使い方
     7 私のLSD体験
     8 私の超常体験
     9 アボガドロ数なんていらない
    10 初の論文が《ネイチャー》に載る
    11 科学をかたる人々
    12 恐怖の毒グモとの戦い
    13 未知との遭遇
    14 1万日目の誕生日
    15 私は山羊座
    16 健康狂騒曲
    17 クスリが開く明るい未来
    18 エイズの真相
    19 マリス博士の講演を阻止せよ
    20 人間機械論
    21 私はプロの科学者
    22 不安症の時代に
    謝辞
    訳者による著者インタビュー
    訳者あとがき

  • 理系出身の私にはPCR法の開発者ということでどんな人物なのかと興味津々だったが、奇想天外どころか紙一重にぶっ飛んだ人物で驚くやら面白いやら。天才というのはこれくらい常軌を逸した人物が時々いるものだ。そうでないと歴史を変える大発見なんか出来ないのかもね。
    あと、福岡伸一先生の翻訳は読みやすくてよかった。さすが。

  • 化学賞においてノーベル賞を受賞したマリス博士の自伝に近いエッセイ集。

    ノーベル賞の科学者というイメージからは程遠い人物像の持ち主で、
    様々なストーリーを通じて、マリス博士が
    「きみは人生の楽しみ方を知ってる?」
    「苦痛をともなう過去を笑い話にして人に話すことができる?」
    と話しかけているような気がしました。

    サイエンスに関する話はとうぜん多いが、
    趣味である「サーフィンの話」をはじめ、
    「光るアライグマに誘拐された」という突拍子もない話もあり、
    訳者のあとがきにあるとおりエンターテインメントとして読めるノンフィクションでした。

  • PCRの発明でノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスの原題を直訳すれば「心の荒野を裸で踊る」となる。
    訳者である福岡伸一博士の著者インタビューもあり、+あとがきを読めばPCRがなんであるか、マリス博士の人となりが生き生きと浮かび上がります。

  • 無類の女性・サーフィン好きのマリス博士は、ガールフレンドとのデートの途中でDNAの配列解読を簡単に行う方法をひらめいてそれでノーベル賞を受賞している。本書の中には、日本での日本国際賞を受賞した授賞式では皇后に対して「Sweetie」と挨拶したとか、LSDなどの逸話が大筋で本当のことだとしてここで語られている。原題は「Dancing Naked In The Mind Control」「心の原野を裸で踊る」の訳でしょうか?これがマリス博士を端的に表している。

  • 1993年にノーベル化学賞を受賞した著者の半生を語るエッセイ集。
    彼女を乗せてドライブをしているときに、ノーベル賞受賞の対象となったDNAの増幅方法のアイデアを閃いたことや、ノーベル賞受賞が決まった際にサーフィンに興じていたことは有名な話であるが、そのほかにも、科学者のイメージからはかけ離れた、LSD体験や、超常体験、未知(宇宙人)との遭遇体験、毒グモとの戦いなど、驚くような、また笑えるエピソードが次々と出てくる。
    一方で、現代科学の姿勢に対して、「人間が五感によって理解することができないあまりに微小なものやあまりに巨大なものに囚われることは、人間の傲慢であり、我々の身の回りにある等身大の問題の研究にもっと力を入れるべきである」と述べ、地球温暖化問題を取り上げて、「現在の地球の気象は偶々こうなっているのであり、それを未来も保全していこうとするのは傲慢である。人類にできることは、現在こうして生きていることを幸せに思い、地球上の数限りない現象に対して謙虚たること、そしてそうした思いと共に缶ビールを空けることくらいである」と語る。
    生きる楽しさを改めて感じさせてくれる、何とも楽しいエッセイ集である。
    (2014年6月了)

  • PCR法でノーベル化学賞を受賞した著者の科学的なものに関するエッセイと私生活。LSD以外にも様々な薬物を試しこれはヤバいと自覚した体験や、ヒトゲノム計画を結果が応用できる段階までは頭脳よりも腕力の世界と表現したことも共感。専門の生化学分野のPCR法の論文はネイチャーやサイエンスにリジェクトされたのに、宇宙論に関する書籍を読んで思いついた仮説がネイチャーに乗ってしまった事件など科学者界隈の闇を感じさせる記述も多く楽しめる。占星術関連の記述も読み直してみると統計的な興味深い内容が書いてある。

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