シャム双生児の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-17)

著者 : エラリイ・クイーン 青田勝

• 早川書房 (1978年6月1日発売)

感想・レビュー・書評

[木谷梨子ꕤさんの感想 · 2015年7月4日]

　ネタバレですが、ざっくり言うと

・炎に包まれた山荘！　熱い密室でエラリイが汗だくになりながら怪事件を解き明かすイリュージョンショータイム。
・体力を消耗してしまったか、エラリイ、最後の数ページまで何もしないに等しい。
・お父さんが恥ずかしい間違いを重ね、犠牲者を増やしてしまうほどの失態を犯しても謝らないのが、日本人的には驚愕！　こ、これがカルチャーショックか……!?

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　館が火に包まれ、刻々と生命の危機が迫る（？）なかで、エラリイ・クイーン氏が館の当主とその弟の怪死の謎を解き明かす、という趣向の作品です。

　最初から不安な感じはありましたね。山の上のお屋敷で、クイーン父だけが「巨大ガニのような怪しげなモノ」を目撃するのですが、エラリイはその場に居合わせながら

　全然見なかった

と述べるのです。あなた、そこにいたじゃないですか！（笑）よっぽど疲れているのか、序盤からエラリイの観察眼はどこかに行ってしまったご様子でした。結局、最後まで冴えませんでしたねえ。
　だいぶ疲弊していたようで残念な部分が多いのですが、エラリイが警察の技術や設備を使わず、純粋に頭の運動のみで謎を解くことに意味を見出せるかもしれません★

　読みどころは、何と言っても火炎地獄でしょう。ほかでは味わえない緊迫感、異様な熱風とメンタルやられ度数の高さでピリピリ感が味わえます。
　しかし、高まる緊迫感のなかで、妙ちきりんな場面もいくつかあるのでした。

★最大の突っ込みどころ。

　上空から「救助できませーん」なんてお手紙が届く。そんなむごい知らせは、送らないほうがましなのでは。

★最も私が好きなシーン。

　ようやく届いた食糧を、一同がむさぼり食うシーン。そんなことをしている場合かと思いつつも、冒険小説っぽくてちょっと楽しかった……。

[tamasan7さんの感想 · 2015年5月1日]

危機迫るクローズドサークル（山火事ver

[kasatakeさんの感想 · 2013年1月30日]

国名シリーズの中で一番好きなんだけど評価あんまり高くないんだよなあ･･･

[libro-ambienteさんの感想 · 2012年12月18日]

あらすじ：
クイーン父子は、旅の途中に唐突に山火事に追われ、山頂に逃げる。
山頂にはザヴィヤー外科医の邸があり、そこでひとまず難を逃れ、一夜を過ごす。
しかし、翌日にザヴィヤー外科医が銃で殺害されていた。
死体の手には破れたトランプカードが握られていて。。。

ダイイングメッセージの謎を解いて行く内容。

クイーン父子の推理が数回、ビシッと解決に導けていないのが
読んでいてもどかしい（笑


シャム双生児の秘密の発表が1933年。
８０年近く前の作品でも読みやすいのは、何度も翻訳されてきたのと
エラリー・クイーンの文章自体が丁寧に違いない。

[kikuさんの感想 · 2012年1月8日]

印象的だったのは、ダイイングメッセージとは、ということ。
それと「Ｙの悲劇」でも思ったのだけど、かなり特殊な身体的特徴を持つ登場人物の行動や言動が、とても純粋で清らかなものに感じられる。筆者の優しさのようなものを垣間見るような気がした。

[workwork3さんの感想 · 2011年11月3日]

ついこの間買った。積んである本が多いのに。

[odadaさんの感想 · 2011年5月8日]

山火事対EQのスリリングな戦い。
推理もスリリング。

[sotsogさんの感想 · 2010年11月14日]

トランプやぶりで利き手

[kiyosiさんの感想 · 2010年9月6日]

山火事に遭遇し逃げ込んだ館。館の主人ザヴィアー博士の死。博士の手に握られたダイイングメッセージのトランプ。館に集う怪しい人々。シャム双子の兄弟。謎の人物スミス氏。何者かに銃撃されたサヴィアー博士の弟マーク。一命を取り留めるがクイーン警視護衛中の夜に毒を飲まされ死亡。クイーン警視はクロロフォルムを嗅がされ気を失う。盗まれた結婚指輪の謎。

　２０１０年９月６日読了

[whowhatさんの感想 · 2010年8月18日]

1933年発表
原題：The Siamese Twin Mystery