- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150730048
感想・レビュー・書評
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クリストフ衣裳店のフランスドーヴィル支店にイレーネが行くことになると考えられていたが、予想に反して秘書のグレゴリィが行くこととなった。グレゴリィはそうなるように工作をしていたようで、店員たちはグレゴリィが死んでしまえばいいと話していたその日、衣裳店の別のメンバが毒殺される事件が発生し、女性に弱いチャールズワース警部が事件を取り扱うことになった。
読んでいてとても気になったのが、倒置法の多さ。なんか意味もなく使われている箇所がたくさんあって、少々読みにくかった。これが、訳者のせいなのか著者なのかそのあたりは不明だけれども。
作品としては、途中からだれてしまったのでいまいちな印象。とある事実について、中盤終わり頃に提示されることになるのだが、その事実が(推定しやすいのに)出るのが遅すぎたし、何かと結果が出るのが遅かった。もっとも、それについては言及しないが、結果としてはその時点でだらだらしてるなーと思ってしまって、読む気力が薄くなってきてしまった。
最後はなかなかひっくり返してきたりするので、集中して読んでいれば衝撃なりあったと思うのだけれど、その点惜しい読み方をしたなあとは思います。
作品の雰囲気としては、店員女性たちの会話だったりと楽しい物だったりといろいろ楽しい要素があるのですが、どうも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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序盤からどばどばと似たような登場人物が出てきて把握しにくいのが困る。それでもひとりの人物に対してファーストネーム、ミドルネーム、ファミリーネーム、ニックネームが入り乱れる『緑は危険』あたりよりはまだ取っ付きやすいかもしれない。筋立ても、中盤まで探偵役が気付かない要素があからさまでちょっと白々しいし、解決にいたる過程もやや強引、最終的に明かされる真相にも特に意外性はない。それでも洒落が効いてるやり取りなどもあり、ざっくりした読後感はまずまずといった印象。 -
後期の傑作群とは一味違う明るいユーモアとストーリー運び。自由自在に動かされる容疑者たち。誰にでも動機があるようで、機会もあるようで。登場人物が本当にいる人物のように感じられてくるキャラの立ち方も見事。そして最終数十ページで披露されるどんでん返しと意外な真相。しかも最後には伏線に深く納得できる。名人はデビュー時から名人だったんだなぁ。