コレクションズ (下) (ハヤカワepi文庫 フ 3-2)

  • 早川書房
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本棚登録 : 88
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200656

作品紹介・あらすじ

進行する病に翻弄されるアルフレッドの様子は、遠く離れて住む三人の子供たちにも動揺を引き起こす。そして迎える最後のクリスマス。イーニッドが望むように、一家全員そろってともに祝うことはできるのか?シニカルかつユーモラスに描きだされる現代人の悲喜劇は、圧倒的な力をもって迫りくる。全米図書賞に輝いたほか、数々の主要文学賞にノミネートされた、アメリカ文学界の旗手フランゼンの代表作。

感想・レビュー・書評

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  • あえて、下巻の一発目から勝負をかけてきた。
    上巻の途中なんだけど、章で分けず、ここから始めるか!また上巻をここで切るか。djみたいな編集!メールのくだりのドライブ感も好き。タイトルはLが2つの収集ではなく、Rが2つの修正を意味で最後にやっと分かった。

  • 文学ラジオ空飛び猫たち第19回紹介本。
    ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/19-elr2dq

    ミエ
    ユーモアたっぷりの家族小説です。アメリカの中流家庭が舞台ですが、母親のイーニッドは世間体を気にするあまり、物事を自分の都合の良い方に飛躍させて考えてしまう癖があって、そんなイーニッドと頑固親父のアルフレッドと三兄妹のやり取りが笑えます。印象的だったのは、エリート街道を歩むと思われた三兄妹が親の期待を裏切るところです。三兄妹は自分らしく生きようとすることで個性が際立っていきますが、そのために親が子に望むこととのギャップが生じます。このギャップをユーモア満載に描写しつつ、登場人物一人ひとりの複雑な内面を描いているジョナサン・フランゼンの筆力がすごいです。長い物語の最後には感情を動かされました。いい意味で、社会に対して適当になれて、適当を許容できる気がしました。
    単純に笑えておもしろい小説ですが、長編なので読むには時間がかかります。ちょっと世の中が窮屈に思えたり、家族関係に悩んだりしたときに手にしても気分転換になると思います。

    この小説は2019年11月に読みました。ちょうど東京で開催されたヨーロッパ文芸フェスに遊びに行ったときに持参していて、会場にいる作家も関係者も私のような参加者も、ジョナサン・フランゼンが描く人物たちと同じように本当は望まれているほど社会的地位に固執しているわけでなく、むしろ世の中を適当に生きているのではないかと思えてきました。会場で一人そんなことを想像して、不思議と気持ちが軽くなりました。

  • 最後から2つ目の章がこの長編小説の中の白眉と言える。それまでの伏線がここに収束しているという構成の上手さはあるものの、それが理由ではない。そうではなくて、ランバート家の人びとの内面が一番豊かに描かれているのがこの章だと思えるのだ。フランゼンがアメリカ文学界の旗手(文庫のカバーの説明)というのも頷ける。

  • スケールでかすぎ。咀嚼しきれないので、しばらくしてまた読もう。

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