ハゲタカは舞い降りた (ハヤカワ・ミステリ文庫 ア 10-4)

  • 早川書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151724541

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ4作目。
    2004年に出ていたと気づかなくて。
    どたばたに磨きが掛かって、完全にコメディとして読めます。

    メグ・ラングスローは鍛冶職人という珍しい仕事をしているが、手に怪我をしてしまう。
    ハンサムな恋人マイクルとは遠距離恋愛中。
    弟の職場に不審なことがあるというので、受付と交換台のバイトに駆り出されたが、これがまた…

    弟ロブは気は良いがかなり風変わりで、たまたま「地獄から来た弁護士」というゲームで一山当て勢いで<ミュータント・ウィザーズ>というソフト会社を設立。
    部下達のほとんどに天才と思われているが、実はパソコンのことはわからず、ゲームのことすらよく知らない。
    若い社員をまとめるには「全員揃うまでピザとビールは頼まないわよ」と叫ぶメグ。
    まったく野菜を食べない彼らのために、トッピングにはブロッコリとピーマンを入れるのだが、指でつまんで捨てているとか。

    会社のあるビルは精神科医の診察室も入っていて、6人のセラピストが勤務しているため、電話も待合室も錯綜していた。
    カーフィリーの町ではオフィスも住宅も物件が不足しているのだ。
    そんな中を回ってくる自動メールカート。
    自動メールカートは、目に見えない塗料の上をたどって室内と廊下をぐるぐる移動していく物。
    メールカートに死体の真似をした乗っていた社員のテッドが本当に殺されてしまう。テッドはいたずら好きでやっかいな性格のため、人に好かれてはいなかったが、殺すほどの動機とは?

    社内に入り込もうとする怪しい人物の行状もおかしい。
    次のゲームの内容を少しでも知りたいと潜り込もうとするファン。
    建物の中にやたらといる動物たちが虐待されていると勘違いした動物愛護運動家の獣医師など。
    受付にハゲタカがいるのを窓から解放しようとするのだが、これはどこかで飼われたことがあるらしいのを拾ったので、羽根が半分切られているから飛べないのだ。

    テッドの自宅を訪ねたメグは、幽霊屋敷のような古い建物に驚く。
    郊外に良い家を見つけたという噂だったのだが。
    テッドの残したメモの意味は?
    メグとロブの父は、医師だがミステリファンで探偵に憧れている。何かわかるかと死体があったメールカートに乗ってみて、居眠りをしたまま社内を回り続けるという。
    メグは世話好きで明るいしっかり者だが、少々ドジな所もある。
    弟を守るために奮闘。
    有能な社員ジャックに口説かれたりしつつ。
    楽しく読めました。

  • 友人から借りました

     鳥シリーズ。推理物。
     メールカートの上で殺された嫌われ者。
     その犯人はいったい?

     妙な身内、ナルシストだけれど主人公を心から愛してくれている彼(同棲中)、彼の母親(嫌な人)から押し付けられた小型の狂犬スパイク。
     そんなものに囲まれたメグ。
     弟が会社を設立。そしてメグは手を怪我したので、鍛冶仕事をお休みし、弟の会社を手伝う。
     そこで殺人事件が。
     変なひとばかり。
     ゲーム会社だから。そして、オフィスをとりあっているのが、カウンセラーたちで。飛べないハゲタカや、狂犬や、いつもなんでも食べる大きな犬やらがわんさか。おなかに子供のいる、臆病な黒猫。
     社員がペット持参なのです。というより、たぶん、住宅事情で会社においていたのではないかな。

     それにしてもロブが作ったゲームがこんなに売れるなんて。
     小金は稼げても、大金は無理かと思ってました。
     さらに、弁護士に一発合格とは(勉強期間に真剣にゲーム作っていたのに)。
     ……見かけに騙されてましたが、頭よいのですか、メグの弟は。(そういや、お父さんは医者だし。

     今回の犯人はかわいそうです。 すごく、可哀想(笑)

  • 予想の斜め上を行く展開ばかりでした。それにしても作者が日本好きなのはなんとなく分かっていましたが、手裏剣の扱いをもっと考えてよと言いたいです。続編を翻訳してくれることを期待しています。

  • 今回の舞台はゲーム開発会社。このシリーズは毎回舞台設定が面白い。また、今回は死体の登場の仕方が非常にユニーク。たぶん他に類を見ないと思う。
    個人的に気に入ったシーンは、コンピュータゲーム会社の社員たちが、夜な夜なボードゲームで遊んでいるところ。たぶん、著者のドナ・アンドリューズはコンピュータゲームもボードゲームも好きなんだろうな。この辺りのくだりに著者のゲームへの思いが何となく伝わってきた。

  • 初めて正規値段で買った。@900-945円。
    惜しくはない……と思うんだ。
    もっとアンドリューズの本が読みたい。

  • 弟の作ったゲームが大ヒットし、ついには会社を立ち上げてしまった。
    しかし社内になにやら不穏な動きがあると言うことで、メグは請われて調査に乗り出すが、社内で死体を発見してしまう。

    いつもどおりのどたばた劇に今回は動物も絡んでくる。
    オフィスペットに、すっかり名脇役の座に着いた凶暴なモップのような犬・スパイク。彼らが笑わせるだけでなく、しっかり事件捜査に役立つあたりが面白い。
    ミステリ部分は今回はイマイチだったけれど、犯人とメグが対決するシーンがとにかく笑える。犯人のイライラが増せば増すほど可笑しくなって、最後には犯人に同情してしまうほど。
    やはり個性的な脇役が登場すると話も動くし可笑しさも増すなぁ。
    今回メグは左手を怪我しているのだけれど、それで起こる不便さがあまり描かれていなかったのが気になった。
    このシリーズ、しばらく続きが出ていないようだけど、もったいないなぁ。

  • 鍛冶職人メグを主人公に、それを取り巻く人々を描くユーモア・ミステリ第4弾。
    ドタバタコメディ死体付き。ハゲタカからセラピストまでうろつくソフトウェア会社を舞台に、素人探偵メグが大活躍。
    巻末の坂田靖子さんの紹介文が非常に纏まってるので概要を確かめたい方は巻末からどうぞ。

  • 鍛冶職人メグシリーズ第3弾。今回メグは弟の会社で電話交換手をしています。
    オフィスは精神科医たちと共同(というかダブルブッキングされていた)、
    弟が作ったゲームの最新版を狙う熱狂的ファンの飽くなき不法侵入、
    いたずら好き社員の執拗ないたずら、そして受付には社のマスコットになっている片翼のハゲタカ……
    あいもかわらずメグのまわりはこれでもかというほどとっちらかってます。
    そして殺人事件発生。容疑者・弟! メグ探偵開始です(^_^;)
    次はいつ出るのかしら……。

    カバーイラスト・解説 / 坂田 靖子
    カバーデザイン / ハヤカワ・デザイン
    原題 / "CROUCHING BUZZARD, LEAPING LOON"(2003)

  • ミステリー的にはちょっと、、っていう意見もあるのかもしれないけど、めちゃめちゃ面白いシリーズ。メグもロブもお父さんも最高。

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