さよならまでの三週間 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ホ 12-2)

  • 早川書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151779022

感想・レビュー・書評

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  • 紙の本。
    冒頭から嫌な奴全開登場ってのは、ストレスフルな展開なのだが、ありえないだろのツッコミどころも散見も、まず読みやすい。しかし、終盤の展開は、この結果が通るの?

  • 猟区管理官 ジョー・ピケットシリーズのC.J.ボックスが書いた傑作の一つだと思います。

    本書の中で経過する時間は三週間。
    家族と共に幸せな生活を送る、普通の男が主人公。
    彼が引き摺り込まれた悪夢、そして、その悪夢から抜け出すまでの凄まじい顛末。
    彼が陥った不幸は非常に厳しいもので、C.J.ボックスだから絶対に最後には正義が安らぎをもたらしてくれると信じてはいたものの、そのどん底の過程はあまりに辛い日々だった。
    そのどん底から抜け出すために、読者は主人公と一緒に泥の中を這いずり回り、足掻きまくる。
    辛いのに、ページを繰ることが止められない。

    いや、面白かった。
    そして、読後感は穏やかなしあわせ。

  • ジータおじさん、かっこ良過ぎ!面白かった。

  • C.J.ボックスの単発もの。
    迎えた養子の親がいきなり育児権を行使して取り返そうと現れて…、という比較的地味なスタート。
    ところがそれに児童虐待殺害の事件が重なって来て最後には巨悪にぶつかる、と言う設定。
    ここでも従来のシリーズ同様に、男の矜持を曲げず苦悩しながらもどこまでも突き進む主人公の姿と、それを支える友人達のキャラが鮮やかに描かれている。
    また必ずサブプロットとして家族、夫婦、親子の姿がその和解とともに書き込まれるのも魅力で、今回は父親との会話で涙してしまった。
    雄大な西部、モンタナ、コロラド、ワイオンミングの風景もしっかり描かれている。
    ただ面白いのは今回の背景がデンヴァーという大都市、だということ。しかしそこで暮らしながらも西部の男ととして事件に対処していく姿はいつもながら。
    ジョー・ピケット物に比べ抑制が無い分、かなり激しく殺人シーンも描かれているが、ラストは「ブルーヘブン」に比べると明るく、ジャックは1年間の収監で済み、再出発が出来る。
    この人の作品は本当に読みごたえがあるし、文章がしっかりしていながら抒情的でもある。それでいてプロットも練られているので最後まで楽しい。
    敢えて難を付ければ、ヒロインのメリッサがピケットの奥さんとうり二つと言うことくらいか。
    他の作品も早く読みたい。どんどん訳してくれ!

  • まぁまぁ。
    小児性愛者って、欧米にはそんなにいるのかな?

  • 題名と最初の展開から、てっきり法廷サスペンスになるのかと思っていました。著者の作品は、「沈黙の森」と「ブルー・へヴン」しか読んでいないので、さては新境地かと思いきや・・・。「尋常ならざる物語」という関口苑生氏の帯の言葉は当たっていました。

  • 解説では主人公ジャックが典型的なアメリカ人のヒーローであると説明されているが、私にはジャックの友人コディの方がヒーローに思えた。たとえ養子でも子供を守るのは親として当然だが、自分の生活を犠牲にしても、友人として赤の他人を守る姿勢の方がヒーローに相応しいと感じた。コディの刑事という職業柄かもしれないが。なので、いまいち納得できない感が残った。

  • 養子縁組をし、念願だった娘のために家を整え、妻は仕事を辞めて子育てを始めて9ヶ月の幸せな夫婦に、エージェントの不始末で親権放棄の書類への父親である少年のサインが取れておらずその少年の父親の現職の判事に法律論を固めてこの養子縁組の取消しを主張されるという思いもよらない事態が突然降りかかります。相手が悪いと弁護士にも見放された夫婦は、夫の幼馴染の2人(不動産業者と刑事)の協力を得て事態に対抗しようとするのですが、、、。
    とても良く出来たお話で面白かったです。途中ある程度の予想はつくものの最後まで読むと、そこまでだったとは!というスッキリ感も得られます。でも個人的には、道義的に正しいけれど法律や社会制度に阻まれてしまって解決できないからといって、銃と暴力で力づくで解決してしまういかにもアメリカ的な方法は、好きじゃないです。あと人がバンバン死に過ぎ。かなり面白かっただけに、そこは不満。

  • 『ブルー・ヘブン』ほどのカタルシスは得れなかったのは、基本的に主人公が受け身な立場であったからかな。作中で亡くなった二人のキャラクターが良かっただけに、あの二人にもう少しスポットがあたっているとより楽しめたかも。しかしある意味デッドリミット型のサスペンスなので、そういった意味での緊張感があって良かったし、ラストの一文には思わず涙してしまう。

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