ドリームガール (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151786532

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  • アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『ドリームガール(原題:Hundred-Dollar Baby)』を読みました。

    『初秋』に続き、「ロバート・B・パーカー」作品です。

    -----story-------------
    『儀式』『海馬を馴らす』の娼婦「エイプリル・カイル」が再々登場、またしてもトラブルの渦中へ。
    堕ちていく女を救うため「スペンサー」は走る!

    かつて二度にわたり「スペンサー」に窮地を救われた元非行少女「エイプリル」。
    美しく成長した彼女が「スペンサー」を頼って現われた。
    自ら経営する娼館が何者かの営業妨害を受けていると言う。
    「ホーク」と共に護衛に乗り込んだ「スペンサー」だったが、脅迫に至った事情を「エイプリル」はなぜか頑なに隠し続けようとする。
    「これが私。あなたには救えない」と心を閉ざす「エイプリル」を憂慮する「スペンサー」。
    もう一度彼女を救うことはできるのか?  
    -----------------------

    私立探偵「スペンサー」を主人公とするシリーズ全39作品のうちの第34作にあたり、2006年(平成18年)に発表された作品です、、、

    『初秋』では、「スペンサー」が15歳の少年「ポール」を息子のように扱っていましたが、本作品に登場する娼婦の「エイプリル・カイル」は、『儀式』、『海馬を馴らす』に続き3作目の登場で、娘のような存在のようですね… 両者とも、「スペンサー」が実の子どものように扱いますが、大人として自立する「ポール」とは対照的に、「エイプリル」は自立に失敗し、男を憎みながら、男を利用することで夢(ドリームガール)を実現しようとするという哀しい役どころでしたね。


    かつて非行に走り家族にも見捨てられたところを「スペンサー」に救われ、ニューヨークの高級娼婦となった「エイプリエル・カイル」… すっかり成長した彼女が、ひさしぶりに「スペンサー」の前に姿を見せた、、、

    ニューヨークのマダム「パトリシア・アトリイ」から託され、自らがボストンで経営している娼館に、何者かの嫌がらせが続いているという… 「エイプリル」が抱える娼婦たちは怯え、客が逃げはじめている。

    「エイプリル」の頼みで、さっそく「ホーク」とともに護衛に乗りこむ「スペンサー」だったが、脅迫の裏には事情があるようだ… 地元ギャング「オリイ・デマース」等の縄張り争い、「エイプリル」の背後に見え隠れする男の影等、事件は複雑な様相を見せはじめる、、、

    「エイプリル」をトラブルから救い出すべく、「スペンサー」は「ホーク」とともにニューヨークへ飛び、事件の背後に潜む真実を突き止めようとする… ニューヨークにやってきた「エイプリル」と「ライオネル・ファーンズワース」の行動を監視したり、ニューヨーク市警の刑事「ユージーン・コルセッティ」の協力を得ながら、ニューヨークのギャング「ブルックス・デヌッチ」と、その金庫番「アーニー・フィッシャー」等から情報を得ることで、「スペンサー」は徐々に真相に近付いていく。

    「スペンサー」は、「エイプリル」を救おうとして活動しているのですが… 徐々に真相が明らかになるにつれて、「スペンサー」にとっては辛い事実が次々と判明し、悲しみが大きくなるという展開でした、、、

    「スペンサー」が「エイプリル」に真相を突き付けたとき… 衝撃で悲劇的な結末が訪れます。

    結果的に、「スペンサー」は「エイプリル」を追い詰めることになってしまったんですよね… 切ないというか、少し後味の悪い、哀しい結末でしたね。

    イギリス版のタイトルは『Dream Girl』らしいので、日本版のタイトルは、イギリス版を使ったようですね。




    以下、主な登場人物です。

    「スペンサー」
     私立探偵

    「スーザン・シルヴァマン」
     スペンサーの恋人

    「ホーク」
     スペンサーの相棒

    「エイプリル・カイル」
     娼婦

    「ダーリーン」
     エイプリルの抱える娼婦

    「ベヴ」
     エイプリルの抱える娼婦

    「エイミー」
     エイプリルの抱える娼婦

    「ヴァーノン・ブラウン」
     エイプリルの抱える用心棒

    「パトリシア・アトリイ」
     娼館の経営者

    「オリイ・デマース」
     ギャング

    「トニイ・マーカス」
     大物ギャング

    「タイ・ボップ」
     トニイの手下

    「ブルックス・デヌッチ」
     ニューヨークのギャング

    「アーニー・フィッシャー」
     デヌッチの金庫番

    「ユージーン・コルセッティ」
     ニューヨーク市警の刑事

    「マーティン・クワーク」
     ボストン市警の警部

    「フランク・ベルソン」
     ボストン市警部長刑事

    「ライオネル・ファーンズワース」
     詐欺師

    「デディ・サップ」
     ガンマン

  • 会話中心に小気味よくすすむ展開、登場人物の人間性もよく伝わってくる。スペンサーはロバート・B・パーカーが理想としてなりたい男なんだろう。

  • 1○Michael Kors:1959年生まれ。米国のファッションデザイナー。クラシックなレディーススポーツウェアのデザインで知られるファッションブランド「マイケルコース」のチーフデザイナー。1997年にはセリーヌで初の婦人服デザイナー・クリエイティブディレクターに就任、2003年までの在任期間中に同社を世界的名門ブランドの一員へとのし上げた。 Wikipedia。
    2○atrium:高層建築物のエントランス・ホールなどの広い空間。吹き抜けになっていて上部にガラスの屋根がかかっているものが多い。
    3○Newton, Massachusetts:ボストンのダウンタウンの西約11 kmにある都市。
    ○指圧師:原文「chiropractor」。
    4○Mushu pork:木須肉。きくらげと豚肉の卵炒め。山東料理の代表的な一品。米国では1960年代から知られ、その後中国料理の定番となる。
    5○鋼の男:Man of Steel。スーパーマン。
    ○スポーツジャケット:sport coat。スリーピース・スーツや背広服のように、セットとなる共布のズボンなどは作られない。一般にコーデュロイ・スエード・デニム・革・ツイードなど硬く厚い素材が使われる。 もともとはスポーツの際に着用される男性用の上着。Wikipedia。
    7○Philadelphia 76ers:フィラデルフィアに拠点を置く米国のプロバスケットボールチーム。
    ○オフショア口座:オフショア銀行( Offshore bank)は、預金者の居住国外にあり、口座開設者のほとんどが裁判管轄上の非居住者である銀行のことである。海外口座、特にタックス・ヘイヴンにあるものは、しばしばオフショア口座と呼ばれる。米国の所得税は無記名預金でさえも申告が求められ、怠ると偽証の罪に問われる。そこで未申告の収入を隠すためにオフショア口座がよく使用された。Wikipedia。
    9○Cuban sandwich:ハムとチーズのサンドイッチの一種で、元々はフロリダに昔から存在している2つの移民のコミュニティーであるキーウェストとタンパのイーボーシティでキューバ人労働者に提供されていたものである。その後、キューバ人亡命者や国外移住者たちがマイアミに持ちこみ、そこではキューバンサンドイッチは今もなお人気がある。キューバンサンドイッチはキューバンブレッド(白パンの一種)にハム、ローストポーク、スイスのチーズ、ピクルス、マスタードそして時にはサラミで作られる。Wikipedia。
    ○Chez Henri:1994年開店、2013年11月閉店。キューバ料理とフランス料理の店。2017年再開、2018年閉店。 Harvard Squareの近くにあった。 1 Shepard St, Cambridge, MA。
    13○『嵐の孤児』:Orphans of the Storm。フランスの演劇に基づくD・W・グリフィス監督による1921年公開の米国無声映画。フランス革命の前夜からその最中を描いた。まったくヒットしなかった。
    ○ハンフリー・ボガートのまね?:『Casablanca』。Rick Blaine(ボガート): We all "try". You succeed./スペンサー:We all try. You succeeded.
    14○Albany:ニューヨーク州の州都。オールバニ郡の郡庁所在地。ニューヨーク市の北約220 kmにある。
    15○LV plate:未詳。
    ○ Browning 9 mm:ブローニング・ハイパワー。複列弾倉(シングルフィードダブルカラムマガジン)を採用した拳銃で、13発~20発、装弾できる。
    18○Excelsior:272 Boylston St。高級レストラン。2004年に開業、2009年に売り上げが落ちて,カジュアルな店に改装するために一旦閉店。本書は2006年。2020/01/20現在は、たぶんない。
    ○つまり、あの妃は誓いのことばが多すぎる?:原文:So maybe she protesteth too much? 「protesteth」は「protest」の三人称単数形、古語。『ハムレット』の「The lady doth protest too much, methinks」から(第三幕第二場)。dothはdoの三人称単数・直説法現在形。/のちには、強く何かを否定するのは、隠し事をしていることを暗示している、という意味で用いる、という。
    ○猛然と闘え、ハーヴァード:Fight Fiercely, Harvard。1945年に在学中だったTom Lehrerが作った風刺的なハーヴァード大学の応援歌。現在もフットボールの試合などで使われている。
    19○ Carlyle Hotel:ニューヨークの5つ星ホテル。ロイヤルファミリーの定宿、NYのホワイトハウスと呼ばれる。190のレンタル・ルームとスイート、および60の個人所有の住宅からなる。at 35 East 76th Street on the northeast corner of Madison Avenue and East 76th Street。
    ○Days Inn:Cecil B. Dayが1970年に創業したホテル。現在、19カ国でチェーン展開している。開業時のひと部屋の料金は8ドルだった。比較的小規模なものも多く、モーテルの一種とも考えられている。Wikipedia。
    ○The Gallery:ザ カーライル ア ローズウッド ホテルの一階にあるレストラン。Renzo Mongiardinoが設計した。トルコのトプカピ宮殿にあるスルタンの食堂に着想を得た、という。
    ○Barbara Carroll:1925~2017年。米国のジャズ・ピアニストで歌手。
    ○Betty Buckley:1947年生まれ。米国のミュージカル女優。Catsの演技で、1983年にトニー賞を受賞。2012年にAmerican Theater Hall of Fame殿堂入り。
    ○Gershwin:1898年~1937年。米国の作曲家。ポピュラー音楽・クラシック音楽の両面で活躍しアメリカ音楽を作り上げた作曲家として知られる。ニューヨークのブルックリンに生まれ。Rhapsody in Blue、『パリのアメリカ人』(An American in Paris)などを作曲。
    ○Paris Hilton:1981年生まれ。米国の実業家、社交界の有名人、テレビ番組・メディアパーソナリティ、モデル、女優、歌手、DJ。ヒルトンホテルの創設者コンラッド・ヒルトンの曽孫娘。セレブタント(才能や仕事ではなく、豊かな富や生活様式で知られる有名人)。ニューヨーク市生まれ、カリフォルニア州ビバリーヒルズそだち。
    ○Full tea:アフタヌーン・ティーの一種。名前の通りlight teaよりも重く、お茶とともに、フィンガー・サンドイッチや、スコーン、さまざまなお菓子が供される。
    ○おれの名がジョージ・クルーニーであるのと同じくらい確実に。:or my name is not Geprge Cloony.
    20○Viand Coffee Shop:1011 Madison Ave, New York City, NY(2015年閉店)に行ったのだと思う。/673 Madison Ave, New York。こちらは、カーライルより南に位置する。
    ○tongue sandwich:牛タンのサンドイッチ。
    22○Kyle Rote:1928 ~2002年。NFLのNew York Giantsの選手、コーチ。ラジオのコメンテーターなどをつとめた。
    24○tattersall:地色と対照的な色を用いた格子柄。
    26○陽気な男たち:Merry Men。怪力の大男、リトル・ジョン。怪力の修道士、タック。弓術の名手、ウィル・スカーレット。吟遊詩人、アラン・ア・デイル。粉屋のせがれ、マッチ。
    28○どこかのいかしたねえちゃん:'A hard man is good to find'?を初めて使ったのは、Mae West (1892 - 1980/女優、歌手、劇作家、脚本家、コメディアン、セックスシンボル)とされている。男のどの部分がhardなのかは、想像に任せる、らしい。
    32○Tupperware party:タッパーウェアはEarl Tupperが製造を始めたキッチン保存用品。Tupperware partyでは、友人や隣人を家に招待して製品を紹介し、売り上げに応じてその主催家主がTupperwareなどの報酬を得る直接販売モデル。
    ○Charlie Rose:Charlie Rose(1942年生まれ)がホストをつとめたテレビのトークショー。1991年から2017年まで続いた。
    ○Dorothy Hamill:1956年生まれ。1976年インスブルックオリンピック女子フィギュアスケートシングル金メダリスト。2000年、フィギュアスケートの世界殿堂入り。
    34○CSI:Crime Scene Investigation。犯罪現場調査。日本では鑑識班の仕事。2000年から2015年までCBSで放送された米国の法医学犯罪ドラマシリーズ。日本でも放映された(CSI:科学捜査班)。ドラマの舞台はラスベガスで、ここでは「CSI: Las Vegas」→「CSI: 南ボストン」としている。CSIというセクションは存在せずTVドラマ用のフィクションであったが、本作の大ヒットにより、就職志望者が殺到し、各警察署では科学捜査を行うセクションを独立させ、CSIと命名した。wikipedia.
    35○Café Boulud:20 E 76th St, New York, NY。セントラルパークの近く、The Surrey Hotelの一階にあるフランス料理店。
    36○テラスハウス:英国英語。原文はrowhouse。米国英語。正面を連続させた横ならびの集合住宅。橫壁を共有する。各戸はそれぞれ街路に向かって玄関をもつ。
    37○Aujourd'hui Four Seasons:レストランは2009年に閉店。2020/02/04現在は、同名でEvent Spaceとなっている。
    ○John Milton:1608~74年。英国の詩人。英文学で最も重要な作家の一人と見なされ、叙事詩「失楽園」が最も有名。
    ○Li'l Abner:Al Capp (1909~1979)による、米国やヨーロッパの新聞に掲載された風刺的な漫画。43年間続いた。
    38○Moynihan連邦裁判所:Daniel Patrick Moynihan United States Courthouseはニューヨーク市マンハッタンにある。
    ○Sutton Place:ニューヨーク市マンハッタン区のイーストサイドを南北に走る通りで、59丁目から57丁目の区間。市内で最も裕福な街と見なされ、高級なアパートメントで知られている。
    ○FDR Drive:Franklin D. Roosevelt East River Drive。
    ○奉仕と保護:1963年以来のロサンゼルス警察のモットーで,多くの警察で採用されている。
    ○川沿いのアパートメント:East River。
    39○Lily’s Bar:501 Lexington Ave,New York City, NY。
    ○Le Perigord:フランス料理店。労働争議のため、2017年に一度閉店。midtown Manhattan→405 E 52nd St, New York, NY。
    41○Jason Varitek:1972年生まれ。移籍後、1997年から2011年に引退するまで、ボストン・レッドソックスでプレイした。捕手。2004年にはチームのキャプテンに指名されたが、1923年以来のことだった。メジャー最多記録となる4度のノーヒットノーランの捕手を務めた。
    42○水夫のチェスト:sea chest。=sailor's chest。個人の所有物のための水夫の収納箱。
    3○Burlington:ボストンの中心部から北西に20kmほど。Burlington Mallは、1968年にオープン。
    ○Barnes&Noble:すべての州に小売店を持つ全米最大の書店。
    ○Joseph Campbell:1904年~1987年。米国の神話学者。比較神話学や比較宗教学で知られる。 彼の人生観は、しばしば「至上の幸福に従え」(Follow your bliss)という一文に要約される。 Wikipedia。
    44○Trouble Is My Business:レイモンド・チャンドラーの短編集の題名。
    46○勇気(オーヴァリーズ)があった:have the ovaries。ovary(卵巣)の複数形。たぶん、have balls(睾丸)の言い換え。
    47○47○hot fudge sundae:温かいチョコレートソースを掛けたサンデー(アイスクリーム)。チョコレートパフェの一種。
    ○Maraschino cherry:カクテルやアイスクリーム、パフェなどの添え物としてよく使われる、砂糖漬けされた甘いチェリー。
    48○Moccasin:歴史的にはアメリカの先住民が履いていた、一枚革で作られたスリッポン形式の靴のことを指した。古来の原形は(鹿などの)一枚革で足を包むように形成されたものだった。後にU字形の甲革を縫合するタイプなども作られたため、現在ではこれらも含めてのモカシンという総称になっている。wikipedia.
    49○Crown Prince Club:『海馬を馴らす』を参照。
    50○Marshport:『冷たい銃声』を参照。
    ○Daffy Duck:ワーナー・ブラザース制作のアニメーションに登場する黒ガモ。
    51○Barney's:Barneys New York。高級百貨店。575 Fifth Avenue, New York。
    ○Harry Cipriani:イタリア料理店。781 5th Ave, New York。ベネツィアのHarry's Bar本店をほぼ正確に再現し、シックなニューヨーカーや世界中からの観光客で毎日賑わっています、とのこと。
    ○Pierre:2 East 61st Street At 5th Ave.ニューヨークで最も美しく優雅なホテルの一つとされる。528/714室は居住用で、客室は現在186室のみという。セントラルパークが見下ろせる。上記の三つは、いずれも近いところにある。
    ○D'Agostino:633 Columbus Ave, New York, NY。ニューヨーク市にあるスーパーマーケット・チェーン。一時26か所で営業していたが、現在はマンハッタンの10店舗となる。ライオネルが住んでいるイースト・サイドにも同じ店があるのに、わざわざセントラルパークをはさんだ反対側のウェスト・サイドの店に行った理由は不明。
    ○Viand Coffee Shop:20章を参照。
    52○ジョーダン家具店のコマーシャル:原文には「コマーシャル」はない。Jordan's furnitureは、2020/02/17現在ニューイングランドに7店舗ある家具小売店。1918年創業。映画館などを併設しているところもある。三代目の兄弟がコマーシャルに出演していた。横浜そごうにも店舗あり。
    ○Duck Tours:Boston Duck Tours。会社名。水陸両用バスで、ボストンの歴史的な場所や観光地をめぐる。
    53○Red Soxの2004年World Series優勝:ボストンRed SoxがWorld Seriesチャンピオンになったのは1918年以来のこと。
    ○事態が動いた:The game's afoot.シェークスピアの『ヘンリー5世』Act 3. Scene I/『ヘンリー4世』Act 1 Scene 3→シャーロック・ホームズのセリフ。Come, Watson, come! The game is afoot. Not a word!
    54○Chingachgook/Leatherstocking:James Fenimore Cooper(1789年~1851年)の連作小説Leatherstocking Talesの主人公Natty Bumppoは、ヨーロッパ系開拓者"Leatherstocking(皮脚絆)"とも呼ばれる。その仲間がモヒカン族のChingachgook。シリーズ第二作が『モヒカン族の最後』。このモヒカン族の最後の人がChingachgook。
    ○Jim/Huck:マーク・トウェインの小説『ハックルベリー・フィンの冒険』の登場人物。Huck(Huckleberryの通称)は、ホームレスの少年。Jimは黒人成人逃亡奴隷。
    ○Tonto:『ローン・レンジャー』に登場するローン・レンジャーの相棒で、先住民族。トントはローン・レンジャーをキモサベ(頼りになる相棒)と呼ぶ。
    55○Driving Miss Daisy:1987年度のピューリッツァー賞演劇部門を受賞したアルフレッド・ウーリーの戯曲。1989年に映画化された。アメリカ南部を舞台に、老齢のユダヤ系未亡人とアフリカ系運転手の交流をユーモラスに描く。アフリカ系運転手Hoke Colburnの役を、オフブロードウェイでも映画でもMorgan Freemanが演じた。
    ○Greenwich/Brooks:関係性未詳。Greenwichは、おそらくニューヨーク市マンハッタン区のGreenwich Villageであろう。
    57○Johnny Mathis:1935年生まれ。米国のシンガー・ソングライター。Grammy Lifetime Achievement Awardを受賞。
    60○Beantown:Boston。ときに卑称。ボストンの住人は通常使わない。

  • 29作目、になるのだろうか。スペンサーシリーズである。

    長く続いているシリーズならではのお話。

    スペンサーものは、過去の登場人物が再び出てき来る上に、きちんと年月による変化が加わっていることが面白さの一つだと思う。

    今回登場するのはエイプリル。そうあの売春婦のエイプリルだ。

    エイプリルが巻き込まれているトラブルの解決にスペンサーが乗り出すが、いつものように事件は表面に見えるほど簡単なものではなく・・・

    という感じのお話。

  •  単行本で既に読んでいたものの、文庫化に伴う再読。
     この終わらせ方はスペンサー・シリーズの中でも異色だろうと思う。
     作者自身もどう終わらせるべきか迷ったんじゃないかな、と邪推している。

  • ★粗筋★
    かつて二度助けたことがある女がスペンサーに助けを求める。
    経営している娼館の営業を妨害され困ったエイプリルを助けるため、スペンサーは街のゴロツキに立ち向かうが、事件の背後にはとんでもなく黒い欲望が渦まいていた。
    果たしてスペンサーの運命はいかに?


    最後の終わらせ方があっさりしとるね、パーカーは。事件的エピローグ、物語的エピローグがゼロやもんな。

    「エイプリルのことをスーザンと話したのか?」
    「いや」
    「エイプリルのことをスーザンと話したいと思うか?」
    「いや」
    みたいな、ほぼ同じ内容で少しだけ変化を加えた会話の構成が上手いね。

  • スペンサー・シリーズの第三十四作目。

  • スペンサーシリーズ第34作目
    何なんだこの読後感…
    第9作目【儀式】と第13作目【海馬を馴らす】で登場したエイプリルの物語。
    得意のお人好しとお節介で救い様の無いこの娘を何度も救ってきたスペンサー。。。
    しかし今回の裏切りはたまらないだろう…
    そして最後の終わり方はたまりませんね(-"-)

    幼い時に受けた心の傷は治らないのか…?
    何となくこんなテーマが隠れてる様な気がする。

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