われらのゲーム (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 早川書房
3.50
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本棚登録 : 29
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152080080

作品紹介・あらすじ

新時代を迎え、英国情報部をリストラされたティム・クランマーは、叔父から遺された屋敷に引退し、年若い愛人エマと優雅な日々を送っていた。同じく引退した元部下のラリーも近くの大学で教鞭をとっていた。ラリーはパブリック・スクール時代からの友人で、彼が二重スパイとして育て上げた男だった。ところが、クランマーの目の前で、エマとラリーは運命的な恋に落ちた。そして、クランマーの屋敷を警察が訪れた。ラリーが失跡し、その前に怪しげな外国人と接触していた、と告げ、クランマーとの関係を執拗に追及した。ラリーは、なんと元KGBコントローラーと組んで、ロシア政府から巨額の金を詐取したらしい。いったい何のために。クランマーには寝耳に水の話だったが、情報部も上司だった彼の関与を疑っていることがわかった。そしてエマも、ラリーとともに姿を消していた。愛人を奪われたうえ苦しい立場に立たされたクランマーは、自ら二人を追い、真相を探りだそうとする。官憲の手を逃れ、パリへ、モスクワへ、戦火のカフカズ山脈へ-冷戦後、さらに混迷を深める世界をさまようスパイたちの魂を、比類ないサスペンスのうちに描ききる。

感想・レビュー・書評

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  • ウクライナ関連の仕事をすることになり、本棚のこの本と目が合い、再読。

    すっかり忘却していたが、ソ連解体後から、ロシアはロシア帝国の再興を夢見ていたのだ。そして、その夢は、21世紀の今も続いていたのである。一方で、排外的夢に徹底抗戦する民族の誇り。

    我々島国の日本人には到底、大陸の思想、つまり身を賭して具現化する思想は理解できないと思う。ロシア文学も読んできたが、本当に理解できていたのか、文字を追っていただけではないかというショックに陥りかける。いや陥った。

    ジョン・ル・カレの小説は、概して物語が展開するまでに時間がかかる。それを知っているので、2段組、350ページの本を、諦めずに辛抱強く読み進む。

    もう少し翻訳の日本語がこなれているといいのだが、自分自身の言語処理能力も低下しているので、すっと頭に入らない文章は何度も読み返すことになる。え?今、なんて言ったの?とビデオを再度戻して見直す感じ。これはよくない。

    しかし、何もかも捨てて、身ひとつで友人を追いかける潔さと覚悟が、私にあるだろうか。生きることは、かくも厳しい選択を強いるのか。カタルシスのないエンディングは辛い。

  • もともとソ連が崩壊したときに大量の国が分離したけど、ロシアはまだまだでかくて、中にはそうか、共和国とかいっぱいあって、でもってそれぞれの国は、ぶっちゃけ全然わからん。イングーシ共和国なんて言われてもいったいどこのことやら。wikipediaで調べるレベル。そして調べてみて。。やっぱり遠いな。思うに世界はまだまだ広くて、アフリカ!とかアジア!みたいなくくりから微妙に外れるような黒海の周りとか、でも自分が知らないところでもいろんな事が行われてて、そこでロシアやら英国やらのスパイが頑張ってるってどんだけーって。にしても世界のことやっぱ知らんよなぁと思い知らされるのだった。

  • ジョン・ル・カレ著。

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