- Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152085627
作品紹介・あらすじ
戦争の足音が忍び寄る昭和九年、軍部の暗躍から実用自転車を使用した前代未聞の本州縦断レースが開催される。多額の賞金を狙い寄せ集めチームを結成した響木、越前屋、小松、望月の四人は、各々異なる思惑を秘めつつ、有力チームと死闘を繰り広げるが…。一攫千金を目論む出場者の悲喜劇、ロードレースの戦略や駆け引きを、日本推理作家協会賞作家が圧倒的なリアリティで描く、感動の自転車冒険小説。
感想・レビュー・書評
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展開が遅く、ゴールまでたどり着けるか心配になりましたが大きなどんでん返しがあり納得。自転車小説というなかなかないジャンルに挑戦してくれた筆者に感謝です。
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昭和戦前の自転車レースを題材にした小説。
好きな「自転車」をテーマにした小説ということで読んでみたが、個人的には惹かれなかった。たぶんこのお話が悪いということではなく、自分がスポーツ小説があまり面白いと感じないためだろう。 -
戦前に行われた自転車レース。軍隊の思惑も絡んで・・・。 結構最近の本なのに、時代に合わせたのか、作者の文体なのか、古臭い感じがして、最後までのめり込むことはなく終わってしまった。題材としては面白い。
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直前に近藤史恵の『サクリファイス』を読んでおり、自転車競技モノはこのひと月ほどの期間に2冊目だ。
この2作品は、人物の作りこみや作風、時代設定などが全く異なり、共通するのは「自転車競技」という題材だけとも言えるが、その中でも、自転車競技における体力的な「過酷さ」と風を受けて走る「爽快さ」、そして何より「チームワーク」という要素は、どちらも読ませるポイントとなっている。本作に興味がある方は、是非『サクリファイス』も読まれることをオススメしたい。
さて『銀輪の覇者』は、昭和9年(当然、競輪もまだ始まっていない頃)、様々な人の思惑を秘め、どうにかこうにか開催された本州縦断(!)自転車ロードレースが舞台。謎につつまれた過去を持つ個人参加の響木が、レースの過程で一癖も二癖もある連中と急ごしらえのチームを作り、優勝を狙って奮闘する姿を描く。
アマチュアの自転車競技団体の横槍やらスポンサーの思惑やら軍部の暗躍、参加選手の過去などが織り交ぜられて、ロードレースだけでは無く、最後まで読み手を飽きさせない。
しかし、読後にビックリしたのは、当時ツール・ド・フランスに出場した日本人が本当にいた、という史実だ。読んでいる最中は、現実離れした設定だなぁ、などと逆に違和感があったのだが、何だかもう一度読み返したくなった。 -
2008/1/9
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毎日のレースを通じて仲間内の葛藤、チーム間の駆け引き、グイグイ引き込まれる。
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未読