ミケランジェロの暗号―システィーナ礼拝堂に隠された禁断のメッセージ
- 早川書房 (2008年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152089908
作品紹介・あらすじ
ルネサンスの巨匠ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の天井画。もっとも有名な歴史的傑作のひとつであるこのフレスコ画を見るために、世界中から人々が集まり、圧倒的な美に息をのむ。だが、キリスト教世界でもっとも神聖であるともいえるヴァティカンにあり、教皇の命によって描かれたものにもかかわらず、そこには新約聖書の人物がひとりも描かれていない。その謎を解くカギは、ミケランジェロが傾倒していた新プラトン主義、ユダヤ教やその神秘的な教義にあった。全面的な洗浄によって元の輝きを取り戻したこのフレスコ画を詳しく眺めると、ミケランジェロが眼力を持つものだけに伝えようとした、しかし、なんとしても隠さなければならなかった禁断のメッセージが見えてくる。500年後のいま明かされたその秘密とは…。巨匠の遺した秘密が500年後のいま明かされる。図版120点以上。
感想・レビュー・書評
-
装幀は凄く豪華で、カラー印刷ページも多く、「これは凄いぞ!」と期待させるものだった分、余計に残念。
知識として得られる部分は多いけれど、話の展開がくどくて遅い。クライマックスを暗示しながらも、それを先延ばしにしてCMにつなげるTV番組の様に。
タイトルも、「暗号」じゃないでしょう…あくまでも恨み・つらみ・妬み・暴露をシスティナ礼拝堂の絵に込めたという事であって…
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロレンツォ豪華王の庇護のもと、当時のフィレンツェで最高の教育を受けたミケランジェロが、旧態依然のヴァチカンの天井画と壁画に(こっそり)込めた思想と皮肉。「暗号」というと何か系統だったものをイメージしてしまうけど、「秘密のメッセージ」といった方がいいかもしれない。 著者の観察や推論は緻密でとても面白かった。
実際にシスティナ礼拝堂の天井画を見た時はあまりに混沌としていて圧倒された裸の青年の群像が、そして公式ガイドブックを見ても今ひとつピンとこなかった内容が、ようやく理解できた気がした。 -
ミケランジェロが教会や教皇に逆らって、作品の中にいかに秘密のメッセージを隠したか。
という内容が書いてある。
歴史とか、キリスト教にある程度の知識がないと「ふーん…?」で終わってしまうと思う。 -
これミステリじゃなくコメディだね
-
カトリックの総本山であるヴァチカンのシスティーナ礼拝堂。教会の依頼を受けてミケランジェロがそこに描いた天井画には、なんと
「キリストが1枚も描かれていない」
それどころか、
「描かれたテーマは、全てキリスト以前の物語である」。
それはなぜなのか。実は、ミケランジェロは
「キリスト教会のために絵画を描く気など、全く無かった」
のだ。…という内容。
ダヴィンチ・コードよりは真実味があるし、ミケランジェロの伝記としても読める。 -
どうかん考えても偏ってる…ルネサンス期は いろんな事に手を出した時代だ。それをユダヤ教中心にスポットを当てているのは…違和感…。
ミケランジェロは、そりゃ〜もぅ~旧約も"好き"(ミケランジェロは信者ではない)だっただろに…。しかしそれより増して古代ギリシャ・ローマ美術の影響を受けている。その事を根こそぎぬけている…(それをもユダヤ教に結びつけている)違和感極まりない。 -
ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の天井に描いたフレスコ画。カトリック教会から依頼されて描いたはずなのになぜ新約聖書の登場人物は描かれていないのか。そこに隠されたミケランジェロの想いを読み解こうとするもの。
画の部分部分を順次の取り上げて一つ一つ解説を行っていき、最終的には画の全てのパーツに隠された、統一的なミケランジェロのメッセージを提示しようとする、その緻密な解説は読んでいて圧倒されるし、面白い。 -
ヨーロッパの人にとっては キリスト教の重さがずっしりかも知れないけど その重さが実感できない日本人の私にとって 暗号にまでする その反逆精神が よくわからないのでした
-
もうこれは表紙ジャケットからエンタメだ。
バサッと広げるとシスティーナ礼拝堂の天井画がドーンと展開する。
派手な仕掛けに惜しみなく拍手を送りたい。
中身はというと外見に反して静かな展開だが、ミケランジェロが実は○○だったとか、レオナルド・ダ・ビンチとのけなし合いとか興味深いエピソードが詰まっている。
特に”ミケランジェロが実は○○だった”という事実は重要で彼の作品の見方がガラッと変わること必至。
知らないほうがいいかもしれない事実だと一応警告しておきます。
が、知っておいて作品を見るのが本当なのかな。