からだの一日: あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする

  • 早川書房
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本棚登録 : 212
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090805

作品紹介・あらすじ

腸は脳に無断で指令を出し、力を込めることを考えただけで筋力は増える。爆発的に増えつつある人体に関する知見を、最新の医学・科学を通じて紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の体は、概日リズムに支配されている。それを崩さないように生活するのは、現代社会ではなかなか難しいが、せめて、早寝早起きと規則的な生活に努めようと思った。2011年9月11日付け読売新聞書評欄「空想書店」。

  • からだの一日

     おもにサーガディアンリズムをもとにした、いちにちの身体の活動を解説したもの。
     概日リズムはもちろんのこと、腸内細菌の話もおもしろかった。

    ・われわれの睡眠は1.5時間ごとのリズムと、覚醒系と呼ばれる回路によって司られている。眠りに落ちるのは、後者の活性が落ちるから。

    ・腸内細菌は個人で違いがある。太りやすい菌ばかりいる人たちは、同じカロリーを摂取しても太る。ダイエットに成功した人はやせた人たちの腸内細菌に近くなる。

    ・薬物摂取のタイミングは薬効に関係する。抗ガン剤では副作用が軽く勝つ、効果がよくでるタイミングがある。(時間治療・クロノセラピー)

    ・交代勤務は体に悪い。高コレステロール値、気分障害、不妊、心臓発作やガンの高い罹患率につながる。

  • 図書館本。 体に関することを、一般的な一日を追いながら解説していく本です。それほど深くは書かれていないので、体についての入門書といった感じ。けれど入門書にしては専門用語が多いので、まったくの初心者向けでもない。執筆の資料として読んだけれど、思っていたより大まかな一日だったので残念。ところどころ海外らしい一日があるので、日本人の一日では少し違ってくるのかと思います。けれど為になる内容も多いので、体について知識を広げたい人にはお勧めです。

  • 面白い

  • 一日の時間に沿って近年の身体に関する論文をわかりやすく紹介し、興味深い発見の数々を紐解いてくれる名著。そのリファレンスの多さに驚く。作者が元来は文系の人間なのに驚いた。

  • ヒトの24時間を、医学・科学で見ていく一冊。概日リズムにより、食べても太りにくい時間や、薬の効果のある時間、運動効果のある時間などが解かれています。
    睡眠の大切さもしかり。
    本来の体のリズムに反し、人工灯の下で生活していく便利な不自然さ。いくら自然とは言えもう戻れない生活は、今後どんな影響を及ぼしていくのか。
    いろいろ興味深い一冊でした。
    専門的な内容なのに、訳が良くて分かりやすいのも、楽しめた要因です。

  • 三葛館医学 491.3||AC

    病気になったり、調子が悪くなったりしない限り、あまり自分のからだのことを意識することは少ないかもしれませんが、365日24時間、からだの中では様々なことが起こっています。本書では人間の1日を追いかけながら、その時からだでは何が起こっているのかを解明します。朝の目覚め、食事、歩くこと、午後の眠気にあくび、ストレス、相手の顔の認識や、惹かれあうメカニズム、などなど・・・何も意識していなくても、眠っている間も常に反応は起こっています。前書きにもありますが、読んだあと、体中を意識しすぎて何もできなくなることのないようにご注意ください。
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=56146

  • 私達の体には、脳内はもちろん、人体の隅々まで無数の体内時計が組み込まれていて、
    その理由は、私達は自転する惑星上で進化したからだそうだ。

    遡ること数十億年、生物は全て単細胞で生暖かい原始の海に浮かんでいた。
    真昼のまばゆい太陽と夜の冷たい闇が、毎日毎日数兆日に渡って繰り返され、
    やがて生命が誕生。そして時は流れ、遂に体内リズムを太陽日と同調できるようになった。

    この体内時計に従って、私達の体内で24時間どんな事が起こっているのかを
    科学的見地から詳しく解説してくれている。
    科学の発達によって解明された事は、偉大な自然と生命の繋がりだということが興味深い。
    体内時計に逆らった生活をしていると、そりゃあ病気にもなるでしょう。

  • 全般的におもしろい。
    同じ食べものを食べても、太る人と太らない人がいるのは、体内の微生物の働きの違い。
    効率がいいんだろうに、カロリーをより蓄積出来る微生物と共生している方が、現代では大変というのは皮肉な話。

    睡眠不足は夢遊病を引き起こしたり、不注意による事故を起こしたり、風邪を引きやすくなったり、と、もっと恐ろしい例があげられている。
    やはり人間寝た方がいいようだけれど、8時間睡眠が標準で6時間以下は危険。現代では6時間取れている人は少ないのではと思ったり。


    運動は素晴らしい効果。
    鬱病になりにくくなる。軽減する。
    風邪を引きにくくなる。軽減する。
    体力がつくので疲れにくくなる。
    思考も活性化する。認知能力の衰えを緩和してくれる。
    一定の食べものが甘すぎてたくさん食べることが出来ないように感じられ、結果として摂取カロリーが少なくなる(甘味に対する感受性が高まる)

    運動をするなら、身体が疲れにくく、強度のつよい運動に耐えられる15時~18時がいい。
    筋肉がもっとも強く、関節が柔軟。手と背骨は一日の早い時間より6%強靭になっている。痛みを感じる度合いも少ない。
    筋肉もつきやすい。
    反応時間も早い。

    朝運動するには、バランスや集中力を要する運動が向いている。
    新しい運動能力を学んだり、コーチの複雑な指示を覚えるには、午前中の遅い時間が最適。
    体温が低いから低い運動効率から始まるが、最適な温度に近づくに連れて運動効率があがるため、午後の運動より運動効率がいい。
    背骨も就寝のあとで休まっているから、それほど痛まない。
    直立姿勢であるため、背骨の椎間板は1平方センチメートルあたり1トン近くの力に耐えている。

    筋繊維は脊髄から伸びるニューロンによって刺激をうける。運動すると、神経信号が補強、同期されて筋力がつく。
    だから、運動のことを考えただけで筋力がつく。
    メンタルトレーニングだけで、筋肉が強化される。
    筋量は変わらないが、手の場合で筋力は35%増加、肘の場合で13%増加した。

    疲労の感覚は、実際の運動ではなく、脳によってもたらされる。
    6km走る場合の始めの1kmの疲れ具合、36km走る場合の始めの1kmの疲れ具合、これらの感覚が違うのは、脳が距離を計算してコントロールしているから。
    走り終えたあとに、「あと5km走って」と言われたら、その瞬間にどっと疲れるのは、そのせい。

    軽い運動なら、ウォーキング。そして何より、階段がおすすめらしい。

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著者プロフィール

サイエンスライター。1980年、イェール大学卒業。生理学、生態学、進化生物学、環境科学など幅広い分野の記事を『ナショナル ジオグラフィック』などの著名誌に寄稿している。邦訳書には『かぜの科学』『からだの一日』(いずれも鍛原多惠子訳、早川書房)がある。

「2018年 『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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