- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152090812
感想・レビュー・書評
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一人の女に振り回されて、周りの男達が結果的に不幸になる物悲しい話。「どうして俺に話す?」「好きになるのが難しい奴だった。それでもあんたはできるだけ親切に接した」
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飽きずに読み終えた
義理人情のある
話だった -
2010年01月24日~01月28日。
いつものスペンサー。
このシリーズを出し続ける限り読み続ける。 -
ついにロバート・B・パーカーがこの世を去ってしまった。近年、四つのシリーズ作品を書き継ぎ、そればかりではなくティーンエイジャー向けの小説や、独立した物語も意欲的に執筆していただけに、急な逝去が何とも残念でならない。
パーカー作品は、翻訳が早いので、残された未訳の作品はあまり多く残されていないかもしれない。本書はスペンサーの最後の作品になるのか、という想いで、こちらは手にとったのだが、もちろん本書は多くのパーカー作品と同じように、さほど力の入った作品とは言えない。中くらいのドラマに収まっているあたりが、パーカーらしいと言えば、実に、らしい。
恵まれた環境下にあり、問題のない夫を持つ女ばかりを誘惑したがるジゴロな男が、この作品の目玉的キャラクターである。
スペンサーとスーザンの愛の形とは対照的な、崩壊する愛の形が、ジゴロの犠牲になった依頼人という姿で、スペンサーの探偵事務所を訪れる。スーザンの心理分析の力を借りながら、スペンサーは、恋愛のオプションが生み出す男女の謎に挑もうとするが、問題のジゴロを何故か憎むことができない。
そんなこんなの長い前置きの末に、ついに殺人事件が発生する。ある浮気妻を許せないでいた亭主が、殺し屋コンビを雇ったことから、スペンサーの調査もいよいよバランスを崩し始める。
ゼルというガンマンにブーというタフガイのコンビは、シリーズデビューとなるのだが、とても印象の強い二人である。タイ・ポップやトニー・モリスが友情出演し、もちろんホークも牽制役を買って出る。
きな臭くなるプロットの中、あくまで人間の弱さが展開を先導する。少し切なく、少し痛い、繊細なラストが、スペンサーの寡黙な窓辺に影を落とす。
前半と後半がまるで別の物語のようだが、スペンサーが窓から見る光景は、古い思い出の跡地に、新しい見知らぬビルができてゆく変化の跡である。思い出せなくなっている遥かな昔への懐かしみが、スペンサーの老いを表現している気がして、作者の死と合わせて、どこか寂しい。
これがスペンサーの最後の心象風景となるのだろうか? -
金持ちで年寄りの夫を持つ妻たちが浮気相手からゆすられる事件。スペンサーシリーズは20代にずいぶん読んだが訳が嫌いで(中学生の英語か?と)そこだけうんざりしていた。図書館で菊池光じゃない訳を見つけたので喜んで手に取ったが、内容がセクシャルすぎた。 2010/10/11 読了。
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2010年1月18日、ロバート B.パーカーが亡くなりました。77歳。スペンサーシリーズの37作目である本書が日本で発行されたのが、2009年11月15日、本国であるアメリカでの発売が2009年10月だったということなので、スペンサーシリーズは、この本が最後になるのかもしれない。スペンサーシリーズを初めて読んだのはいつだったか、すぐには思い出せないけれども、20年以上は前の話だったと思う。すぐに好きになり、以来、ほぼ年に1冊くらいのペースで発行される新作を、欠かさずに読んでいた。この本もそうだけれども、ミステリーとして出来が良いとは思わない。この本などは、ほとんど謎解きという意味でのミステリーらしさはなく、ミステリーの要素を少しだけまぶしたハードボイルド小説、それも、かなりオールドスタイルの、という風に評した方が良いと思う。ミステリー小説として、というよりは、スペンサー、スーザン、ホーク、といった魅力的な人物が登場する出来上がった小世界のその後を読まずにいられない、という感じで読み続けていた。非常に残念だ。
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フィリップ・マーロウをしっているだけに物足りない。
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09/12/22
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スペンサー・シリーズ第37作。歳の離れた裕福な夫を持つ、美しい4人の若妻たち。彼女らはある男に誘惑されて関係を持ったが、やがてその男は夫や世間に浮気をばらされたくなければ大金を払えと要求してきた。なんとかしてほしい、という4人の依頼を受け、その強請屋を追い始めたスペンサー。しかし手を尽くして見つけた強請屋は悪びれることなく「趣味を仕事にしただけ」と語り、どこか一貫性のあるその生き方にスペンサーは意外な好感を抱く。それでも粘り強く調査と交渉を続けたスペンサーの努力により、事態は収束に向かうかに思われた。だがその矢先、4人の妻たちの夫のひとりが何者かに殺される事件が。遺産を相続したその妻は思わぬ行動に出た。彼女の無軌道なふるまいはさらなる混乱と破局を招き寄せていき……流儀を持つ男たちは深い部分で心をかよい合わせるが、業深き女たちがそれを理解することは決してない。スペンサー・シリーズで描かれつづけてきた男女の愛と行き違いを背景に、男の美学をほろ苦く謳いあげる注目作 というのがあらすじの引用。今回は強請屋ゲイリー・アイゼンハワーのキャラクターがすべてだと思います。スペンサーの少年時代を描いた作品が未訳ですが、こちらも楽しみです。