病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上

  • 早川書房
4.27
  • (50)
  • (32)
  • (14)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 386
感想 : 37
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093950

作品紹介・あらすじ

病巣の切除、X線による放射線療法、抗がん剤による化学療法……不治の病から治療可能な病へといたる「がん」との壮大な闘いの歴史を描きだすピュリッツァー賞受賞作。解説/仲野徹大阪大学教授

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 映像化されたドキュメンタリーを観ていたかのような読了感。
    そしてこれをジャーナリストではなく、一人の医師が執筆しているということに驚きも感じた一冊です。

    日本の医療エッセイで目立ったものといえば、患者当事者の闘病記や、医療従事者の視点で書かれた治療法などでしょうか。
    なのでどうしても偏りを感じてしまい、良くも悪くも冷静に情報を受け取ることができずにいました。

    しかし、この著書は「がん」という病に対して、患者の存在、医師の存在、彼らが選択する治療法やこれまでの歴史など様々な角度から向き合った内容となっており、ニュートラル。

    読んだきっかけは、あまりいいことではありませんでしたが、読む前に比べ、未来へ目を向けられるようになり、不思議と入ってくる情報も前向きなものに変わっていきました。

    がんに挑んでいるのは、医師だけでも、患者だけでもない。その両方、もしくはもっと沢山の人たちの存在なくしてがんとの戦いで勝利は得られないというメッセージが込められているのを感じました。

    この手の本を読むことは珍しいのですが、ぜひ下巻も読みたいです。

  • h10-忠生図書館2018.8.21 期限9/4 未読 返却8/24

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=24002

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB13310216

  • 星4に近いですがちょっと読むの大変だったので3にしました。癌や医学の科学の面、研究者やスポンサーの熱意、医者と患者の関係など、興味をとてもひく内容が多かった。本当にいろいろな試行錯誤があってそれなりの療法が出てきつつも、なかなか解決には遠い、もどかしい感じがよく分かる。

  • 歴史
    ノンフィクション
    医学
    病気

  • エジプト時代から書かれているが、長くて退屈。

  • 雑誌で紹介されていたのを見て図書館で読んだ。がんに挑む人たちの歴史。おもしろかった。がんの強敵っぷりがすごくてまさに皇帝。それが実は敵ではなく「われわれ自身のゆがんだバージョン」ってのがいい。ノンフィクションなのにミステリー小説みたいな展開。

  • 現役の腫瘍医であるムカジーによるがんの治療と研究の歴史を描いた本。古代エジプトのパピルスに「この病の治療法は無い」とかかれてあったという。それほど昔から人類はがんと隣り合わせに生きてきた。

  • 割と長ったらしい。洋書ってこうなのかしら。ホモ・サピエンス史も長ったらしかったが、これはそこまでではないにしろ、回りくどい話が多い。

    とは言え、この本が与えてくれるガンに対する知識は偉大。ガンの始まりと、その治療法を探す医師と患者の戦いを伝記的に教えてくれる。上巻は、1970年ごろまで。

全37件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

シッダールタ・ムカジー(Siddhartha Mukherjee)
がん専門の内科医、研究者。著書は本書のほかに『病の皇帝「がん」に挑む——人類4000年の苦闘』(田中文訳、早川書房)がある。同書は2011年にピュリツァー賞一般ノンフィクション部門を受賞。
コロンビア大学助教授(医学)で、同メディカルセンターにがん専門内科医として勤務している。
ローズ奨学金を得て、スタンフォード大学、オックスフォード大学、ハーバード・メディカルスクールを卒業・修了。
『ネイチャー』『Cell』『The New England Journal of Medicine』『ニューヨーク・タイムズ』などに論文や記事を発表している。
2015年にはケン・バーンズと協力して、がんのこれまでの歴史と将来の見通しをテーマに、アメリカPBSで全3回6時間にわたるドキュメンタリーを制作した。
ムカジーの研究はがんと幹細胞に関するもので、彼の研究室は幹細胞研究の新局面を開く発見(骨や軟骨を形成する幹細胞の分離など)で知られている。
ニューヨークで妻と2人の娘とともに暮らしている。

「2018年 『不確かな医学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

シッダールタ・ムカジーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×