人魚姫の椅子

著者 :
  • 早川書房
3.24
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本棚登録 : 225
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152096586

作品紹介・あらすじ

瀬戸内海に面した小さな町。高校生の海野杏は、毎朝海辺で小説を書きながら、椅子職人を目指す同級生・彗斗と少しだけ話すことを日課としていた。そんな平穏な日々は、失踪事件を境に変化していき……

感想・レビュー・書評

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  • 乱歩の人間椅子を意識してしまうのは狙い?彗斗と杏の関係は好きだけど、小説と現実が混ざったようなMIDORIのパートが好きになれないし、人の嫌なとこが満載。

  • 表紙からさわやかな青春小説を想像していたが、実際は胸糞悪い小説だった。
    そういうジャンルの作品としては、やりたいことはおもしろく伏線の張り方もいいのだが、ミステリとしてはファンタジー色が強い。
    それと、悲劇に見舞われた登場人物があまりに悲壮感を感じさせないので気持ち悪い。
    読者が引くくらいのことをされているのにずいぶんとノリが軽くてそれが一番怖い。
    これが作者の技量不足によるものなのかそういう演出なのかはわからないが、あまりに怖いのでたぶん著者の作品はこの先読まない。

  • 恋心から始まる失踪事件の物語は作中作含めて薄い紗に包まれた様に幻想的でどこか浮遊感があるのに、ある意味シビアで少し残酷でもある。
    以前から思っているけれど、森先生が十代少年少女の自意識過剰だったり独善的だったり利己的だったりする部分を書くとザクザク刺さる…。

  • 2019.3.20 読了


    この作者さんの割には、
    めちゃめちゃ わかりやすかった!
    言ってる意味わかるやーん!(ふつう?)

    やっぱ この作者さんは、
    片思いのもどかしい想いとか
    うーん、どうなるの?みたいな描写が
    めっちゃうまい!
    キュンキュンするやん〜

    最後はハッピーエンドとは言えないのが
    ちょっと寂しいけど、
    その後の話とか 読みたいかも!

    犯人の読みは 当たってた!

  • 主人公が書く小説も意味があるのだろうけど、それが読みにくい、分断されたような気分になって飛ばし読み状態だった。
    言葉にしないで雰囲気でわかるというのはありえないと思うけど、言葉にしづらい年代とか性格とかあるのだろうし、そのすれ違いによっていろいろなことが起こると思うと、それもまた味のある人生なんだろうしなぁ。
    何もかもハッキリさせてしまうばかりがいいってわけでもないか。

  • だーいぶ昔に積読してたのをひっぱりだした。これはくる。なんとなーく、登場人物で「あー絶対こいつが犯人」って思って読み進めたけど、まあまさか最初から椅子になっていたとは……oh人間椅子(???)でもこういう最高潮の美しさを椅子にしてとどめたいっていうサイコーに狂った犯人の美意識は好き。物語の中だけだけど。
    あわい水彩画って感じ。

  • 高校生の優しく微笑ましい恋愛のお話、と思ったら・・・

    まさか、いやいや、まさか、いやいやを繰り返して

    まさかがそのまま結末になる。残酷なお話。

  • 繊細な心と今どきの生活風景。幻想的な世界と事件。行ったり来たりしながら切ない旅をしたな。
    なんだかいつも森さんの作品を読んでいる間は不思議な気分になる。ふわっとその世界に入り込んでしまう。

    その輝きは消えないって。よかった。今の私には救いの言葉。


  • 作者のトークイベントに行く移動中に読了。
    やっぱり文章が綺麗で好き。読み易く情景を思い描き易い。
    ちょっと切なくなりました

  • 04/13/2017 読了。

    図書館から。
    杏と彗人の関係性好きやわー。
    ああいう、信頼が先にあって、っていうの
    いいなぁ…。
    (黒猫と付き人みたいで)

    翠ちゃんは残念だったけど、
    ああいう太陽みたいな子って、
    杏みたいな友人がいると、安心するんだろうなって思う。

    推理の部分は途中で先が読めてしまったけれど、
    好みの雰囲気の作品でした。

    願わくは、次あるといいな。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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