- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152098177
作品紹介・あらすじ
テクノロジーにより現行人類が大幅な変化を遂げた「トランスヒューマン」と、破壊的な天体現象「ガンマ線バースト」が登場する童話パロディ連作短篇集。『灰かぶり姫』『竹取物語』ほか、誰もが知っているのに誰も知らないSFおとぎばなし、全6篇を収録!
感想・レビュー・書評
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まず、受賞おめでとうございます。たまたま検索に引っかかって読んだ「スノーホワイト/ホワイトアウト」が大好きだったので、広告で受賞を知りとても嬉しかったです。
ネットから下げられているので記憶頼りですが、書籍化にあたり改稿している模様。
個人的に残念なのがスノーホワイト/ホワイトアウトの好きだった語りが削られているところ。冒頭の「あなたは自分を何人持っていますか?」「一人?ほんとに?奴隷精神に単純作業させたりしてないんですか?」という読者への語りかけはトランスヒューマンへの憧れを掻き立てられましたし(常日頃分裂して仕事と趣味と家事を同時にしたいと思っておりますとも、ええ)、エピローグの「この話はこれでおしまいです。ありがちな話だったでしょ?」という冷笑的な結びは毒が効いてて好きだったので、無くなってて残念(たぶん後述するアリとキリギリスの改訂に合わせてお話的すぎる記述を消したのかな?)(引用は記憶頼りなので細部は異なっています、念のため)
ウェブで読んだとき、最後のアリとキリギリスの「ここまでの寓話集はキリギリスが書いたフィクションだった」という展開は、地球灰かぶり姫で書かれた人類(トランスヒューマン)のたくましさに胸ときめかせた身としては非常にガッカリしたので、書籍では事実にしてキリギリスを探すアリが各エピソードを拾っていく、という形になったのは良かったのですが、じゃあこれでより楽しくなったのかと聞かれると、綺麗にまとめようとしすぎた感じがして、うーん。
評で「モチーフの寓話に添った前半三作品は求心力があったが、モチーフから外れた後半三作品になるとそれがなくなってしまった」が頷けました。
魅力的な連作短編集が最後に纏めようとして壮大な世界観を狭めてしまう、というのはよくあるので、難しいなーと思います。好きな作風なので次回作に期待!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごいおすすめ。
一時期童話のオマージュ作品にどハマりしたけど、これが一番面白かった。短編集のため、読みやすいし、童話だけど大人も子供も楽しめる! -
童話モチーフが好きなので面白かったです。シンデレラと白雪姫の話が好きです。
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SF童話集。まさに名は体を表し、トランスヒューマン社会で物語の最後に地球はガンマ線バーストに見舞われる。
「地球灰かぶり姫」「竹取戦記」が面白かった。 -
ハイテク用語がバンバン出てきて置いてけぼりにされるかなと思ってたけどそんなことなかったし、元の童話とリンクしてる部分そこそういう風に繋げるんだ!ってなって凄く面白かった
私は「竹取戦記」と「アリとキリギリス」が好き -
エッジが効いたタイトルと突飛な内容。インターネットミームになった、クソデカ羅生門を彷彿とさせる童話とSFの悪魔合体。面白かったが、童話として伝えられるべき教訓みたいなのは薄まってる。当然だけど。
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混沌として、訳がわからなくなる。モヤモヤ感が残る。もっとスカッとしたかった
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日本昔話の骨格だけ使って、γ線バーストで激変した世界、肉体拡張した人類を描くハードSF。
元の昔話から予想もつかない展開で面白い。
設定がすごい白雪姫、ハードボイルド爺の竹取物語が好き。 -
トランスヒューマンもガンマ線バーストもわからなかったけど、童話ネタのSFらしいので読んでみた。はじめの3作はイメージしやすかったのでそのまま読み続けられたが、逆だったら挫折してたかも。シンデレラと白雪姫が良かった。シンデレラが残してきたのが靴だけじゃなかったときは怖っと思ったけど、この世界では全然問題なかったのね。
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SF。ファンタジー。おとぎ話。
「地球灰かぶり姫」は既読。これが一番良い。
確かに個性的ではあるのですが、正直あまり面白くない…。
雰囲気が自分には合いませんでした。