- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152101907
作品紹介・あらすじ
マリアンは、お手伝いの息子コネルとは幼馴染。惹かれ合い、周囲に内緒で付き合い始めるが、高校卒業前に別れてしまう。だが同じ大学に通うことになりーー。劣等感や社会格差、すれ違いで引き裂かれた男女の恋愛の機微を描く、全世界100万部超の傑作長篇小説
感想・レビュー・書評
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人からどう思われるか、見栄、自己肯定感の低さ、未熟さ、お互いのパワーバランス、属してる環境など色んな要因ですれ違いまくる2人を見ているともどかしい。2人の心の闇というか抱えている問題が繊細に描かれていて、単純にどちらかが悪いと言い切れないようなどちらにも問題があるようなほの暗さが終始続くため明るい話ではないけれど、不思議と瑞々しい青春に思える。
マリアンの「自分の本当の人生はどこか遠いところで、自分抜きで進んでいるという感覚があったがどうすればそこにたどり着いて参加できるのか分からなった」っていうところに共感してしまう -
某誌で角田光代さんがおすすめしていたので読んでみた。恋愛小説はもういいかなと思うし、実際この小説もあらすじだけまとめれば、さほど新鮮味はない…はずなのに、ふたりの行方から目が離せず、残酷な展開に何度も胸をぶっ刺されながらも読み耽った。山崎まどかさん、コラムやオシャレな何かをオススメするツイートしか読んだことなかったけど、翻訳もすごく上手だ。コネルの喋り方とか同じ年頃のうちの子みたいで、母親目線で生態を観察している気分になったり。マリアンは魅力的なのに痛々しくて、あの被支配体質はちょっとはコネルのせいもあるのかな、それとも生来の性癖なのかな。いい歳して恋愛のキビがよくわからないので、考え込んでしまった。サリー・ルーニー、
淡々としてるのにじわっと深く、低温なのに生身を感じる、ちょっと未体験の読み心地がクセになりそう。 -
互いに惹かれながらもすれ違い続けるマリアンとコネルにじりじりした。もし付き合い続けたとしても先行きに明るい展望は望めない。それは2人の関係が共依存的だからだ。
やっと2人の仲が安定しそうになったやさきに、コネルの今後の人生を考慮して別れを決意するマリアン。
最後の1行を読んで感じたのはふっと心が軽くなるような開放感だった。
心に深い傷を持つマリアンがコネルとの共依存的な関係から一歩を踏み出したのだ。えらい、えらいよマリアン。 -
海外の作品にはずっと抵抗感があったけど、この作品はスイスイ読めた。
登場人物の横文字の名前や地名が、固有名詞としてではなく、単なる記号としてか入って来ず没入できなかったのが原因だったかも。
でもこの作品に関しては、色んな登場人物が出てくるけど、とにかく主役2人だけがわかればあとはそんなに重要ではないというか、そこの軸がぶれなければどんどんのめり込む物語だった。
またその没入感は、会話のテンポや会話と地の文が続いているように読めるっていうのも理由だったかも。原文を読んでいないからわからないけど。
そうなると、翻訳が自分に合っていたのかもしれないし、そこの重要性をかなり感じた。また、読み慣れていないからこそ、訳者あとがきがめちゃくちゃありがたく、要旨をしっかり振り返ることができた。
かなり現代的でまさに今を生きる若者の物語なんだけど、青臭さや瑞々しさだけではない、汚いことや暗さや欲望もしっかり表現されていて、周囲に左右されながら近づくとまた離れてしまう2人の関係性は読み応えがあったし、情景がすんなり思い浮かんで映画的でもあった。
この作品をきっかけにもっと海外作品も読んでいきたい。 -
ヒリヒリする、そして何よりエモい。
根っこで繋がって、養分を分け合う関係って素敵だなと思った。
言葉は割とシンプルで、英語原文で読みたかったなと思う本。 -
日本生まれ日本育ちのせいか、登場人物の生活がすごくかけ離れた世界で感情移入できなかった。
同世代だったら、少しでも共感できたのかな?
あと、訳が読みにくかった。 -
☆☆☆ / なんだかすごく読みにくくて、読むのに時間がかかった。同世代の頃に読んでいたらもう少し入り込めたのかも。
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人は、人間関係によって自分自身を変えながら生きているんだなぁと感じる。当たり前のようだけどあまり普段は意識しないこと。出会う人や付き合う人によって、自分の立場も振る舞いも自然に変わる。
コネルとマリアンの関係は特別で、周りからは理解できないことも多くて、本人たちもすれ違って理解できないままなのに離れることも出来なくて、読んでても辛くなってくる。でもこれだけ大切なソウルメイトになる人に出会えること自体が本当は素晴らしいことだよね。
コネルとエレインの関係と、マリアンとジョアンナの関係も良かったなぁ。地元のいい意味での軽い付き合いと、大学の友達との嫌なうわべの付き合いも、リアルだった。離れたところから見てたら、なんでこんな人達と付き合ってたんだろ?って思えるのに、自分がその中にいるとそうも思えないの恐ろしいことだよ。
自分がいい人間に思える人と付き合うって、割と一般的でそれで自分の暗い部分や嫌いな面には触れないようにするって、それはそれで正解だと思うんだ。それがうまく人生生きることでもあるかと。大好きでも趣味や話があっても、上手くいかない関係もあって、それによって悩んだり一喜一憂して苦しんで、本当にそれにしがみつくべきなのかな?ってみんな経験することだと思う。
結局は何が正解かわからないし、大きく心動かされる人と愛し合えるなら色んな悩みも苦しみも耐える価値のあるものになるのかな。疑心暗鬼にならずに人を愛せる人は、人に愛された経験があって自分は愛される人間だと思える人なんだろうなぁ。
とても面白い本でした。たまにはこういうのも良いな。 -
何かが違ったら——
ふつうに恋人になってたかもしれないし、ふつうに親友になっていたかもしれない。でもそのどっちでもない。根が繋がっていて、最高にしっくりくるバディに見えるのに、「何か」でこうもすれ違ったり傷ついたり、くっついたり離れたり。不思議なものだけどそういうものなのか。
コネルがずっと「お前」って言うのだけ気に食わなかった。笑-
2023/09/11
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コメントありがとうございます!
コネルが調子に乗っていた高校時代はしょうがないとしても、コネルとマリアンは対等でいてほしかったという点で、「...コメントありがとうございます!
コネルが調子に乗っていた高校時代はしょうがないとしても、コネルとマリアンは対等でいてほしかったという点で、「お前」が受け入れられませんでした…。2023/09/11
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