ウィキペディア・レボリューション: 世界最大の百科事典はいかにして生まれたか (ハヤカワ新書juice 5)

  • 早川書房
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153200050

感想・レビュー・書評

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  • 規模と影響力で言えばこれ以上無い大成功、記事の信頼性や濃淡の課題はおそらく今後も解決せず、永遠に混乱と混沌が絶えなさそうなウィキペディア。
    技術的革新ではなく社会革新、圧倒的に中立性でフリー、入口を緩くしてユーザーがピラニアのように面白がって食い付くのを見届ける。そんな文化がここまで育った経緯が語られている。
    他にこんな事例を知らないだけに、その内容は非常に興味深い。

  •  2001年に生まれたウィキペディアは、250以上の言語で1000万以上の記事が書かれており、記事の質も高い優れた百科事典である。世界の百科事典「ブリタニカ」を凌ぐ利用者数だという。このウィキペディアが、全くのボランティアのみで執筆、訂正、管理されているというから驚きだ。いったいどのように、質の高い記事を維持しているのだろうと以前から疑問ではあった。本書は、このウィキペディアが生まれる経緯から、今まで出くわした事件など、現在に至る紆余曲折を克明に記している。新書本としては450頁もあり、ボリューム満点だ。訳もよく、たいへん読みやすい良書といえる。

  • 利用側ではなく提供側の視点で書かれているため、知らなかった裏話等も多数披露されている。
    英語版だけではなく、各国語への展開とそれにまつわる文化の違い等も大変興味深い。
    Wikipediaについては賛否さまざまだが、今後のネットに大きな影響を及ぼすものの一つであることは間違いないだろう。

    2回目
    確かにそうでしたね、みたいな・・・

  • 2010 12/15読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りて読んだ。
    『ウィキペディア革命』とは好対照に、全体にはWikipediaに肯定的な本・・・というか序文がジミー・ウェールズで著者もウィキペディアン、となれば当然でもあるか。
    Wikipedia発足に至る経緯についての細かい説明や背景が書かれている。知っていることも多いが、飛ばし読みでもなかなか面白い。
    荒らしやトラブルとその対先に疲れたり失望する熟練ユーザ、という構図も興味深いが、こちらは悲しくもある。
    結局、解決策は明示されないしね。いや、できてたら凄いのだろうが。

  • Wikipedia(ネット百科事典)の歴史と、その裏でうごめく人間模様に焦点を当てたノンフィクション。

    ボランティア運営の難しさ、バックグラウンド(文化・言語など)の異なる中でのポリティー作りの厳しさ。
    そういったものが伝わってくる本でした。


    誰でも参加できるという自由(フリー)が、規模を大きくし、成果を上げた一方、自由の中で勝手にさせない努力のすさまじさも垣間みました。

    ネットに興味がある人は読まれても良いかもしれません。

  • Wikipediaの裏側の話として読める。あの形態でどうしてほぼ正しい百科事典となるのか、また維持するための努力も伺える。Wikipediaを使っている人は読んでおくと感謝の念がわくかも

  • ネットの歴史とか仕組みを、ウィキペディアのからくりを紹介しながら、書いてある本。
    今までこの分野の本を読んだことがなかったからすっごいおもしろい!!
    私がもっと理系で、コンピューターのプログラミングとかに強ければ、こっちの世界に進みたかったなー。
    すでにネット生活でこれ抜きには語れない、ウィキができるまでの舞台裏。

  • ウィキペディアという「誰でも編集できる百科事典」の話を始めて聞いた時は、そんなものがうまくいくはずがないと思ったが、今では最もよく使うサイトの一つになっている。さすがにここまでの道のりは平坦ではなく、名誉棄損や荒らし、編集合戦など様々な事件があり、その度に管理上の規則が作られ、よい形での自治が維持されてきた。Wikiの創設から現在まで、どういう仕組みで動いているのかがよくまとまった良書。・学者的なスタンス(編集してから記述する)とWikiのスタンス(記述してから編集する)の違い。ある程度の記事数が集まると、ピラニア効果が生まれ、ボランティアが集まる。詳細不明の進化論的プロセスにより、最終的に記事が安定し、正確になるという話は当初、嘲笑の的であった

著者プロフィール

オーストラリア連邦議員。シドニー大学を卒業後、ハーバード大学で公共政策のPhDを取得。元オーストラリア国立大学経済学教授

「2020年 『格差のない未来は創れるか?―今よりもイノベーティブで今よりも公平な未来―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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