だりや荘

  • 文藝春秋 (2004年7月21日発売)
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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163231709

感想・レビュー・書評

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  • 杏は夫の迅人が姉の椿と不倫していることを感づいている。
    そんな中、亡くなった両親が遺した山荘-だりや荘を切り盛りするため、東京から杏夫婦が越してきて姉の椿との距離が近くなる。

    登場人物の誰も彼もが身勝手なようにみえたけど、
    だりや荘のバイトの翼は、まっすぐだ。

    人妻の杏に恋したのはダメかもだけど、
    その思いもシンプルで純粋。


    とにかく、迅人が勝手すぎる。
    杏は迅人と椿の関係に気づいても、迅人が好きで
    その一途さは切なかった。

    翼と関係をもってしまった杏だけど継続はしなかったし。


    ひとりで悟って、"気づいていること"を気づかせないようにする杏。
    なんの文句も言わず事を荒立てない杏はそれでも幸せなのかな。


    ラストもなかなか皮肉だけれど、
    杏はそれでも迅人 と椿を好きでいつづけるんだなと思うと、
    胸が痛くなりました。

  • 以前読んだことがある気がしたけど、結末は忘れていた。もし、死ぬなら雪の中で凍えるのも良いな、と今回思った。子どものころ、どうやって死ぬのが良いか考えるのが趣味だったので、それも思いだした。

  • 2019 10/19

  • 迅人が不能だと面白いだろうなと思いながら読んだ。結果椿の妊娠だったが。
    この後この3人はどんな風になるんだろうか?翼もどう立ち直っていくのか想像をかきたてられた。

  • 一気読みしてしまいました。美人な姉と愛嬌のある妹。それぞれの複雑にからみあった恋愛模様といった感じ。姉は妹のものだからこそ妹の旦那に惹かれたのか……映画化してもきれいにまとまりそう。クライマックスシーンの情景が目に浮かぶようです。

  • 2015/03/21 読了

    ぐちゃぐちゃのどろどろなんだけど、不思議な透明感。行為そのものの描写はほぼないのに、じわじわとエロい。
    すっきりどころか、もやーーーっとしたままで読後感もやもやもやもやもやーなんだよーなんだよーって枕ばっしばっししたい衝動なんだけど読み心地が良くて読んでる間はうっとり気味でした。登場人物だれにも惹かれないのに惹きつけられる作品。

  • 両親が開いていたペンション「だりや荘」。
    再開するために戻ってきた杏とその夫、迅人。それから、杏の姉である椿の話。

    段々といろんなことが解っていくから、それにに引き寄せられてするすると読んでしまった。

  • 2014.06.04. 読了
    私は兄弟姉妹がいないので
    杏や椿の気持ちがわからない。

    迅人の自信はどこから来るのかな

  • こんなにもあっとゆう間に読めたのは初めてかも。
    けど、うちにはちょっと難しかったかも(>_<)
    最初は迅人のあったかさにほんわかしたけど、途中からは最低としか思えなかった。一方、翼くん最高。
    姉妹の絆にはなんか不可解な部分もあった。

  • 最後まで、何ひとつ完結しないし、不条理だし。でも、人間の本質の何かを表しているのは感じられる。人物描写が相変わらず巧みな作者。終わり方が何とも言えず、途上で、未完成で、継続的。それもまた人生かも。

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞、2018年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞を受賞。他の作品に『もう切るわ』『ひどい感じ 父・井上光晴』『夜を着る』『リストランテ アモーレ』『あちらにいる鬼』『あたしたち、海へ』『そこにはいない男たちについて』『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』『猛獣ども』『しずかなパレード』などがある。

「2025年 『私たちが轢かなかった鹿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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