- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163243801
感想・レビュー・書評
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桐野さんが描く鬱屈した世界、人それぞれが抱く心の隙間に潜む闇。時に繊細で時に粗っぽく、女たちの複雑な心情を描く短編集。
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最後の短編が湊さんの「告白」みたいな感じで期待して読んだのですが、中途半端な感じで終わって気分的に不発。他の短編も少し胸糞悪くなるような感じが多かった。
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短編集。
「植林」「ルビー」「怪物たちの夜会」「愛ランド」
「浮島の森」「毒童」「アンボス・ムンドス」
止めることが出来ない「桐野夏生」読み、少々自嘲気味なのだが。
やはり、面白く楽しんだ。
こういう新刊本の感想を書くとき困る。私みたいなタダの本好きが何か言っても素人の悲しさ、外れていることが多いのだろうと萎える。でもそうしていたらブログの意味がないと開き直る。
やはり表題作「アンボス・ムンドス」がよかった。「桐野夏生」らしい。と言う評価は「一作ごとに自己模倣に陥らない」とする桐野夏生さんにはご不満かもしれないが。
似通ったような事件をつい今年聞いた。
内緒で海外に旅立った教師同士(ここでは不倫)が事件に遭遇する。夢のような時間を過ごして帰って来たら、教え子の死と不倫がばれて非難が待っていたのだった。しかも悪意ある、その悪意とは?というのがあらすじ。
この短編が最初に書かれたのが2004年9月、現実の中東のニュースは今年。作家の明察。
桐野夏生描くリアルはより現実に近く、リアルすぎて恐ろしいのか。所詮人間のやることは悪意にみちているのか、行為そのものが好まざる悪意になってしまうのか。
結局私は息苦しい現実を逃避する目的でも本を読んでいるとして、それなのにやりきれないフィクションをどうして好むのかと考えさせられつつ、やはり惹きつけられて読んだ。
要するに「癒し」ばかりでは嫌ということである。
昔の曽野綾子の短編もこんな風だったなあーとなんとなく思い出したよ。後の作品は皮肉には満ちているが、怒りは静かに抑えられているのだから。
桐野さん怒り全開ということか。私見である。 -
2005年刊行。短編集。
非常にインパクトのある話ばかりで、それが内容の好き嫌いを超えてた。
(図書館) -
あんまり進まず2個目までしか読めませんでした。
どろどろしたの嫌いじゃないのに、なんかなー。
好き嫌いがありそう。 -
3.7 女の作家が書くと言うことで許される側面があるかも知れない。男が書けば非難されそうな内容ばかり。読後爽やかな話はひとつもない。だけど暗部から目を背けることができない人の習性を桐野夏生は知っている。
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この数ヶ月、読み応えを求めて桐野夏生の長編ばかりをかなり続けたが、そろそろ短編もいいかなと手に取った1冊。
7篇の短編はどれも秀逸で、どれにも長編小説に劣らない桐野作品特有の毒がふんだんに散りばめられている。
特に愛ランドと、怪物たちの夜会が結構ぶっ飛んでてよかった。 -
短編小説です。
アンボス ムンドスはパナマのホテルの名前です。
どの作品も人間の醜さを表しています。
桐野の人間の汚さ、醜さの表現は時に怖くなるぐらいのものがあります。
落ち込んでいるときは余り読みたくないですね。 -
残念ながら話のテイストが好きではなく積読本へ