イルカ

  • 文藝春秋
3.40
  • (51)
  • (118)
  • (261)
  • (29)
  • (4)
本棚登録 : 871
感想 : 174
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163247601

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 妊娠中に再読。

    主人公の妹が言う通り赤ちゃんってフレッシュな存在なんだよねー不思議。

    妊娠、出産が物語の軸だからばななさんの他の作品より一層哲学的?スピリチュアルな雰囲気。

    この本を読むとつばめグリルのハンバーグ食べたくなるんだよなぁ。

  • ずっと暖かすぎず、眩しすぎない陽だまりにいるような気持ちになる
    自分のことと、他人のことと、ある程度客観的に見て考えられる能力がある人こそ一人でも「素晴らしい」になれるんだろうなあと思った
    この本が一番好きだと言える母、素敵
    私にはまだ早い気がした

    なんとなく、明確な理由はたぶんないけど人間失格と同じものがあるような
    環境やら感情やら、陽と捉えるか隠と捉えるか、を反転させたようなね

  • 主人公と周りの人々との関係がとても吉本ばななさんらしく、暖かいなぁと思いましたが、物語としてはふわふわとしたまま終わりました。

  • 久々にばななさんの長編小説を読みました。かつてほど、引き込まれなかったのが残念です。でも、ばななさんの本を読むといつも感じること、
    1.生と死は表裏一体であること
    2.幸せであるか否かは自分次第であること
    3.人は自然の中で生きている以上、自然の営みの一部であり、自分では思い通りにならないことは、何かしらあること
    が、この本にも感じられました。

    私が記録しておきたいと思った箇所。[more]
    「 スーツ姿でピンクのスリッパを履いて面会に来た彼はなんとなく間抜けに見えたけれど、いやおうなしにお父さんという生き物に変わっていた。私はそこに自分の父親の残像を見たし、きっと彼も私を見て自分の母親をどこかしらで思い出しただろう。そのどこかしらおっぱいとか赤ん坊をあやしている声とかではなく、襟元の匂いとか、しわしわのパジャマの感じとか、きっとそういう体の記憶として思い出すのだ。
     そうやって代が続いていくことを否応なしに知るのだ。」

    自らが出産したから、このような本も書くようになったのでしょうか。
    なぜ、出産したぐらいのときから、ペンネームが「よしもとばなな」と全部平仮名に変えた理由がwikiを読んで分かりました。子供を命名するときに自分の姓名占いもしたのですね。

    何か、かつてよりばななさんの本を必要としていない自分が淋しいな。リア充だからなのか、自分が老けたからなのか。。。。

  • 2018/09/30
    妊娠したので、再読。
    イルカ見に行こうかな。

  • 私自身も、この作品が出版された同時期に出産し、眠る我が子の隣で読んでいたのを思い出します。
    ばななさんの作品は、初期から読んでいましたが、主人公の女性が妊娠から出産に至るまでの過程は、恋愛話以外は、とてもリアリティーがありました。
    その後文庫化もされましたので、手元に置いて、幾度となく読み返しています。

  • 水族館嫌いだからずっと行ってないのだけど、妊娠中の今のうちにイルカ見に行きたいな、と思った。
    思ったより、主人公が妊娠を自覚するまでが長かった。「女だらけの生臭い生活」とか「剥製」と新しい命を授かることとの関連性をもっともっと掘り下げて考えるべきなのだろうけど、そこまで頭が回転しなくなっている。でも剥製の持つ死の生臭さはすごく対照的で気持ち悪いという感覚はある。
    ただ、この話のように妊娠が誰にとっても、プラスに人生を動かすものだといいなと思う。赤ちゃんって、絶対素晴らしいと思うんだよね。

  • ばななさんの作品というよりも、ばななさんの日記かエッセイを読んでいるような感じがした。

    いのちだったり、理屈で説明のつかない不思議なできごとであったり、そういうものに対するとらえ方は理解できるんだけれど、この作品では、そういったものを日常で感じない人たちを上から目線で否定する感じがして、あまり気分がよくなかった。

    「これを赤ん坊の生命に乗っ取られていると考える人が多くても無理はないと思った。でも違う。生物としての自分に乗っ取られているのだった。」とか、誰かの感じ方を下に見ているように感じてしまった。


    プライベートで、そのような人たちとの対立でもあったのかな、と思わせるので、物語に入り込めず☆二つ。

  • 私に赤ちゃんができ生まれたときにもう一度読みたいと思った。すっきり、あたたかい気持ちになった。

  • 逃げ続けて、前へ進み続ける日々。

    どこかにとどまることをせず、誰かに頼るわけでもなく
    自由な恋愛をし、何に縛られることなく一人の生活をしている小説家のキミコ。

    インフルエンザで高熱にうなされて以来、年の離れた世間知らずの妹の世話になり、内縁の妻がいる五郎と恋愛

    病み上がりのままお寺のまかないのバイトをし、知人の別荘の泊まり込みのバイトをてんてんとしていく。

    お寺で知り合った、現代の女性が抱える苦労を知り、
    別荘で感じた不吉な雰囲気は、無意味な殺生により犠牲になった動物の剥製の存在と、キミコのお腹に宿った新しい命。

    タイトルはイルカじゃなくて剥製のほうが印象深いんだけどw

    一人は使える時間もお金も何もかもが自分のことだけだから気楽だけど、やっぱりそれだけじゃあ、人は成長しないのかもしれないね。
    せっかく女に生まれてきたのだから、はじめから子供は産まないつもりだとかなんとか変な意地はっていないで、縁があれば出産もいい経験で良いかも。)^o^(

全174件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしもとばななの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×