六地蔵河原の決闘 八州廻り桑山十兵衛

著者 : 佐藤雅美

• 文藝春秋 (2006年10月16日発売)

感想・レビュー・書評

[fyukawaさんの感想 · 2015年12月11日]

八重殿のお相手がそういう人だったとは、意外。

[kazuさんの感想 · 2014年2月1日]

八州廻り桑山十兵衛シリーズ6弾。養女が絡む悲惨な結末を迎えて終わった事件を解決して帰宅すると、妻・登勢に話していない、十兵衛にとって月日の勘定が合わず、不義の子と疑惑を持っていて養女にだした娘八重が十年ぶりに突然帰宅して…妻は実家に不幸があり留守と知らされる。表題作「六地蔵河原の決闘」寺の住職の交代に関する祝儀の席の席順をめぐる百姓同士の諍いがついに決闘にまで発展して大騒動になったところへやってきたのは…。訳ありの娘八重のまわりに男の影がちらついて…。十兵衛に心休まるひまはなく…読む方も混乱気味。

[Zucchaさんの感想 · 2012年9月11日]

しばらく娘の八重が出てこないと思ったら，なんと10年も会っていなかった。育児放棄と言われてもしょうがないね。
まぶしいばかりに育った15歳（満で13歳）の八重のまわりには，10歳も年上で，やさぐれた不良御家人風の男が。八重は「2年たったら一緒になると誓い合った」という。偶然，十兵衛はこの男に捕物の助太刀を頼むことになり…どうする？十兵衛！
というとことで，続きが楽しみ。

ところで，この加納幹三郎といい，八重の養父だった山村左門といい，十兵衛の敵役（?）って，なぜかかっこいいです。

[kitanoさんの感想 · 2009年11月25日]

あ・・・シリーズ最新刊だった（八州廻り）
今回は娘の八重が貰われ先から戻ってきました
その娘の周りに見え隠れする侍の影
なさぬ仲の登勢とのクッションになりたいのに
相変わらず、江戸を離れなければならないジレンマ
まずは現場に飛びこみ思わぬ解決方法を思いつく
柔軟思考な桑山十兵衛に脱帽

[root3さんの感想 · 2008年8月11日]

八州廻りシリーズ第６作〜幸手宿で博打打ちが殺された事件を解決し，江戸に戻ると１０年間放ったらかしにしていた娘が帰っていた，というのは預け先の旗本が急逝したらしいが，妻は実家に不幸があって帰ったという。葬儀に出向き妻を出迎えようとした矢先，浜野の先で百姓同士の決闘があると聞き止めにはいるが，両者は譲らず，俺を相手にしろと身体を張るが，止めたのは馬に乗って駆けつけた登勢であった。妻と娘の気まずい雰囲気に，小者は娘が神田で不良御家人にあっていると気になることを云う。草加で鳥見が不正を働いていると聞いて出掛けるが，大したことはないと戻ると，数日もしない内に殺されたという。下手人は密猟人であった。村に無理難題を掛ける松山の名主が殺され，下手人は道案内だと判って白状した。家に戻ると妻は娘が部屋に二百両を持っているという気掛かりを告げるが，質す暇もなく安房へ赴き，質屋に冥加金を差し出すように伝える役を伝え，網元同士の争いに巻き込まれる。帰ると関所破りの手引きをしたものの捕縛で上州へ出向き，薬研堀の医師を騙して保証人に引き受けさせた犯人も捕まえる。気になる二百両の出所を娘を預けた女性に聞いて貰いながら，竜ヶ崎で同僚が博打打ちにうち負かされる不始末の方を付けて帰ってくると，助っ人を頼んだ無役の御家人は娘の実の父から二百両を預かって，娘に渡したのだと打ち明ける〜久しぶりに会った娘は満で１３，数えで１５。よくもまあ放っておいたモノだ。妻の不在には慌てる姿，気に染まない役目もこなして，手柄まで立てる八州廻りの十兵衛は，道案内の不始末に追われる毎日だが，空席となった同役にはどんな奴が就いたのだろう。娘の恋しい男が第一候補だが・・・。この次の巻がでているものか，どうかが気になる

[slkyさんの感想 · 2007年4月2日]

いつの間にか結婚して、奥さんに逃げられていたらしい十兵衛さん（1作抜けて読んでいる）。おまけに娘は戻ってくるし。

著者プロフィール

佐藤　雅美（さとう・まさよし）
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り　物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな　縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り　八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人　荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え　新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」