サマーバケーションEP

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 301
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163257204

感想・レビュー・書評

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  • 0812 三田図書館にて
    夏の日の珍道中。って感じでした。
    そこそこおもしろかったです。

  • 夏の匂いに満ちた、素敵な話。井の頭公園を起点に、神田川を辿り海を見に行くという冒険。語り手の青年のピュアな視線がよいなぁ。彼の、出会うもの、見えるもの、感じ取れるものすべてに対する驚きと喜びの表現に、こちらまで優しい気持ちになっていく。
    いつの間にか、冒険の仲間がどんどん増えていくあたりは、昔語りのようで。日傘をさした中国人の双子の姉妹を先頭に、とりどりの帽子を被り、棒つきアイスキャンディを持って(一人はスティックチーズだけれど)一列になって歩く一行の姿は、見開き2ページ分の絵本の一場面を見ているみたい。
    英国人を恋人にもつ臍だしギャルの別れの手紙は、ハチャメチャだけど胸打たれるし(きっと昔、手紙の書き方の実用書でも読んだんだろうな)、途中で出会った中学生の、荒唐無稽な秘密結社の話も楽しいけれど、きっと不器用に生きているであろうウナさん、カネコさん、主人公の三人の、お互いへの柔らかな気遣いが、何よりも心地良かった。
    読後、そのままの道程を歩いてみたくなった。実際に歩いている人たちもいるとか。さもありなん。

  • 井の頭公園から海へ歩く、
    夏のひとこま。
    胸がきゅんとした。

  • 神田川の源流、井の頭公園からはじまる冒険。
    神田川から隅田川、そして川の終わりの海を目指す僕たち。

    「LOVE」を彷彿させる読む地図的な文章と、
    川の流れのように合流と分岐、出会いと別れを繰り返す中での人々のふれあいに心あたたまる。

  • ひたすらに可愛らしい物語です。川沿いをてくてくと、ただひたすら海を目指して歩く物語。
    主人公を含めてたった三人から始まった旅は、大勢の人を巻き込んで大きな支流のように歩くこともあれば、小川のように分かれてしまうこともある。かと思えば、自転車軍団を従えて濁流のように街を駆け抜け、皆でアイスを食べてゆらゆらと漂う。登場人物のそれぞれの顔が目に浮かぶようです、誰もその人の事情を責めることなく受け入れていて、のんびりした気持ちで読めました。

    個人的にはくるくる笑うおじさんが凄く好き!!

  • 今までこういった文体の本は読んだ事がなかったので実に新鮮でした。

  • 旅に出よう。歩こう。歩けるところまで。

  • なんやこの気持ち悪いくらいの爽やかさ!! 他人の顔を覚えられない主人公。これは面白いんですけどね。でもその設定べつに物語に絡んでこないっていう。なんでやねん。しかし源流から海まで歩くとだけいう爽やかさー!仲間が加わったり離脱したりで歩き続ける。あー・・爽やかさにうちは負けました。でも、それだけで小説がちゃんと成り立つのはすごいですね。個人の感想が極端に二分化されそうな一冊です。

  • こんにちはとさようならと川。<br>
    「繋がり」が見える。人数が減っていく時はなんだかこっちまで寂しくなったり、だんだん海に近づいてきていっしょにわくわくしたり、本の中とこちら側も繋がる。読み終わって不思議に頭の中がクリアになったことに気がついた。

  • 川の本。
    青春テクテク物語。
    タイトル通り休暇中の軽いノリで書いてるような作品。

    主人公達の何も解決がないまま、ひたすらに歩いています。

    道連れが増えたり減ったり、その増減は絶妙。
    まさに川の合流や分岐を連想させます。
    連想させとくだけでいいのに、後楽園ラクーアの部分でそれを書いてしまってはダメでしょう。

    でもやっぱそのセンスは凄いと思います。
    文体とか他の作品と毎回違うし。

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著者プロフィール

1966年生まれ。著作に『13』『沈黙』『アビシニアン』『アラビアの夜の種族』『中国行きのスロウ・ボートRMX』『サウンドトラック』『ボディ・アンド・ソウル』『gift』『ベルカ、吠えないのか?』『LOVE』『ロックンロール七部作』『ルート350』『僕たちは歩かない』『サマーバケーションEP』『ハル、ハル、ハル』『ゴッドスター』『聖家族』『MUSIC』『4444』『ノン+フィクション』『TYOゴシック』。対談集に『フルカワヒデオスピークス!』。CD作品にフルカワヒデオプラス『MUSIC:無謀の季節』the coffee group『ワンコインからワンドリップ』がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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