三面記事小説

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163263403

感想・レビュー・書評

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  • 三面記事をヒントに短編小説を書くとは凄い事だ。
    フィクションとうたってるが、関係者が読んだらどう思うだろうか・・・

    どの話も重い気持ちになる。事件ってそういうものなんだろう。
    最後の「光の川」は認知症の世話をする息子の話だけど、
    自分も息子を持つ身、今はいいがいずれは・・・と考えると恐ろしくなる。

    「赤い筆箱」の話が1番怖い。姉妹でも性格は違うし、
    考える事も違うだろうから、合う合わないってあるんだろうけど。

    何気ない事柄が恐ろしい。毎日を大切に生きよう。

  • おもっ!
    くらっ!

    角田さんの女性には毎回色んな意味で不安とか抱えさせられるけど、
    今回の本はそういう感じではなく。
    ただただ救いようのない小話ばかりだった。
    前向きさが一ミリもない本って・・・!

    でも、こういう本の描き方、嫌いではない。

  • フィクションだが
    実際の事件を発想の発端にしている
    『愛の巣』
    『ゆうべの花火』
    『彼方の城』
    『永遠の花園』
    『赤い筆箱』
    『光の川』
    の6つの短編集

    実際に起こってしまった事件だけあって
    犯人に対してリアルに恐ろしさを感じた
    気味が悪かったし理解し難かったが
    最後の『光の川』は
    認知症の母親の介護疲れによる殺人事件
    なので深く考えさせられた
    息子が介護離職に追い込まれる様子や
    生活保護申請の役所の対応の方が
    事件よりも恐ろしかった

  • 実際にあった事件から発想を膨らませて書かれた6つの短編。事件の起こる背景にはこんなドラマがあるのかと思わされるくらいうまい。そのうまさゆえか、読んでいて段々気分が悪くなってくる。一番最後のお話が一番辛い。この事件のことを鮮明に覚えているから余計に。2012/505

  • 読み進める程に苦しい気持ちになり、途中で読むのをやめようかとも思った…。

  • 何かが欠けていたり、過大になりすぎている人達の話。過不足の原因は環境のせいだったり、未熟なせいだったり、恋で盲目になっているせいだったりする。

    登場人物たちに人間らしい欠点や偏見があるので、読んでいて辛いこともあるが、共感できる部分とできない部分のバランスが絶妙で、時折自分の人生のうまくいかなかった頃を思い出す。

  • 実際にあった三面記事から、膨らませて描いた短編集。私自身、新聞を読んだり、テレビニュースを見たりして、取り上げられてる事件などから、その背景などを想像してみたいということはあるけど、さすが角田さん‼️ どれも本当の事であったかのような錯覚に陥りそうでした。

  • 三面記事だから身の回り、自分自身にも起こり得る出来事のように思う。いつか自分も登場しそうで怖い。

  • ①夫の不倫相手殺害?家に埋める
    ②不倫相手の妻を殺害依頼…男がクズすぎて、は?って言いながら読んでた
    ③男子高校生をほぼ拉致…こんな母親ぜったい嫌。ひとりの人間だとは思うけど、でも嫌。
    ④担任に薬盛る…何とかして、このままでいたかったって気持ちはわからなくもない。
    ⑤妹殺された…妹に劣等感持ちすぎな姉。姉妹って比べられるからしんどいのかな。比べなきゃいいのに。
    ⑥介護疲れで放置殺人…今の介護って、みんなの良心から成立してるんだなあと。私も追い込まれたらどうなるかわからないけど、幸せな家庭に生まれてよかった

  • 新聞を社会面から1面に向かって読む人もいるみたいだけど、私は1面から順番にめくっていく派。なので、社会面にたどりついたときには、重たい記事をたくさん読んできて「もうおなかいっぱいだわ」状態になり、小さく囲ってある三面記事はなんとなく読み飛ばしてしまいがちなのだけど、そこには当事者がいて、背景があって、悲しい事情もあったりする。今度から、社会面もじっくり読んでみようかな。いろいろと想像力を働かせて。どうしてこんな事件が起きてしまったのだろう、どうしたら防げたのだろうかと。人間はみんな、紙一重だなぁ。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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