みにくいあひる

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163268705

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    故郷を離れバブルに沸く東京で、わたしは精一杯生きてきたはずだったのに…。失った恋、母への愛憎—悔恨と愛惜の思いを込めて描く、六人の「わたし」の物語。

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    故郷を離れバブルに沸く東京で、わたしは精一杯生きてきたはずだったのに…。失った恋、母への愛憎―悔恨と愛惜の思いを込めて描く、六人の「わたし」の物語。
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    表題作のほか、「カントリー・ガール」 「泡立つ海」 「フタコブラクダ」 「きれいな体」 「ネイル」
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    表題作だけは少し趣が違うが、ほかはみな報われない男女の関係――恋と呼べるかどうかも判らない――が、典型とも言えるような報われなさで描かれていて、いささか食傷気味になる。
    表題作だけは、主人公の女性が理想としていたと思われる華やかな恋や結婚とはかけ離れた、地味で静かな毎日のしあわせに、やっと気づきかけた姿が描かれていて、この物語がさいごに配されていたことに救われる思いがした。

  • 図書館にて。
    ぎりぎりの感じ。嫌いじゃない。

  • 東京で映画ライターをして暮らす志津と10歳年上の映画監督・竜司との出口の見えない不倫。女たちの哀歓をヴィヴィッドに描く6篇

  • 不倫相手に引き上げられ、才能が開花させるが、徐々に相手は落ち目になる。そうした相手を母親に会わせるといった設定の短編が多かった。

    「親にだけは言えない」というような状況で、あえて紹介するのはなぜだろう。受け入れて欲しいという願望?それとも受け入れてくれるはずだという信頼だろうか。

    この母は案外スムーズに娘の行為を受け止めるのだ。

  • 短編集。みにくいあひる、との標題通りの、不器用な女たちの生き様を描く。いろいろあるが、それでもたくましく女たちは、生きていくのである。

  • 最後まで、あまりのめり込めず、共感もなかった。
    都会に住む娘が、いろいろあったとき、実家母に頼る話。
    娘と、不倫相手と、実家の母と3人でワンルームで暮らす、という突拍子もない設定もあり…

  • 地方出身、都心に住む30代の女性が主人公の、短編集。
    みんな、危なげな恋愛をしていて、田舎の母に救われる、という話が多かったような。

    正直、入り込めず、途中でやめようかなと思いつつ、頑張った感じでした。
    最終話の表題作は、良かったです。
    最後にちょっと救われた感じ。

    バブル期の、トレンディードラマを見ているような気分を味わいました。

  • 全部に共通するのが、中途半端な遊び人の女性。母親との関係。
    表題作以外は若い頃のあまり幸せでない恋愛の話。分かる部分も多々あるが、軽さがあまり好きではない。
    でも最後の表題作は、同じような女性が最後に暖かい人と結婚する。一つ一つの話は好きじゃないけど、一冊の長編だと思うとおもしろかった。

  • 6つの短編集。

    まとめると、男経験が豊富だけれど、男に奔放され振り回されていく中で、いつの間にか30代になってしまい、
    しまいには精神を病んでしまい、
    一人取り残されていく中で田舎にいる母だけは理解してくれ心暖かく見守ってくれる、という感じ。

    母っていう存在は、そんなに心優しくて理解力に溢れているだろうか??

    表紙はシンプルで可愛いと思う!)^o^(

  • キレイな不倫の話。っていう印象。
    淡々と読めました。

  • 10/08/28 東京の、みにくいあひるどもの話。
         京都の、あわれなあひるの話書け。

  • 哀しくて愛しくもある、ちょっと不幸な都会に住む女性たちのお話。短編集で読み易い。

  • 嫌悪感を感じるほど嫌いではないけれど、好きでもないんだよね。いろんなものを、もう少し大切に大切にしたい。

  • 谷村志穂さんは「週刊ブックレビュー」で2度見ました。
    「黒髪」のときは特集ゲストでした。
    谷村さんの作品を読むのは「黒髪」に続き2作品目になります。

    故郷を離れて東京で暮らす6人の女性の物語です。
    6人の女性は基本的にはセレブに憧れ、故郷から逃げ出したいと思っています。
    不倫の話が多いです。
    高1の娘が都会に憧れていますので、あれこれ考えさせられました。

    「ネイル」では35歳の主人公はコーヒー1杯1000円のホテルのラウンジで、マニキュアを塗ったり、携帯電話で通話しようとします。
    これに対して、対照的な「よけいなことを言わない」利口な友人が描かれています。

    「みにくいあひる」の主人公は独身時代はラジオ局勤務で、セレブな生活をし、男性遍歴も重ねました。
    堅実な夫と結婚して子供も生まれましたが、「結婚によって仲間を失った」という意識があります。
    昔の仲間と電話で話すときには「頭の中の消しゴム」を使って不都合なことを消去します。
    夫は酒屋さんですが、酒屋さんがチェーン店になる話が持ち上がったときに、大きな失望を味わいます。
    コンビニのような店になることに暗澹たる気持ちになり、昔の友人に話せるものが全てなくなったという絶望感にとらわれます。
    この心理の描き方は面白いと思いました。

    この短編集は1冊に6編入っています。
    1編が30分くらいで読むことができますので、時間の区切りをつけながら読むのに良いです。
    谷村さんはこういう短編集を他にも出しているようなので、読んでみたいです。

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著者プロフィール

1962年北海道生まれ。北海道大学農学部卒。’90年『結婚しないかもしれない症候群』で鮮烈なデビュー後、’91年に処女小説『アクアリウムの鯨』を刊行する。自然、旅、性などの題材をモチーフに数々の長編・短編小説を執筆。紀行、エッセイ、訳書なども手掛ける。2003年『海猫』で第十回島清恋愛文学賞を受賞。

「2021年 『半逆光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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