華族夫人の忘れもの 新・御宿かわせみ

著者 :
  • 文藝春秋
3.48
  • (9)
  • (19)
  • (35)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 153
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163274904

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 新御宿かわせみの第一作 「華族夫人の忘れもの」ーーアッという間に読んでしまった。 長~いお付き合いのシリーズ物なので、登場人物もとても馴染みがあり、すぐに物語の中に入り込んでいける。
    「浮かれ黄蝶」に出てくる不良少女が、華族夫人の蝶子として再登場してくる表題作は、江戸から明治へと激動する時代背景がよく表現されていて面白い~
    東吾、るい、源三郎。。。という第一世代から、麻太郎、花世、源太郎、千春。。。という第二世代に主役が変化しているのも心なしか淋しいが、明治の世情が書き込まれているのはとても興味深い。

    麻太郎の出生の秘密が最終章であっさり、るい、千春にも知られてしまうが、愛読者としては千春の気持ちを考えてハラハラしていたので、ホッとしたりして~ 我ながら何と単純な読者かと、、、(笑)

    江戸の地理はまったく判らないが、大川端から川舟の猪牙(このネーミングが素敵)に乗って、御宿かわせみの世界を辿ってみたいものだと思った。

  • 本当に無条件に好きです。

    読みやすくて、温かい。
    登場人物、みんな好きです。

    悲しいかったり、切なかったりするのだけど
    人間も捨てたもんじゃないと思わせてくれます。

  •  やっと読めたー。
     前の巻読んだ時にも思ったけど、ご一新後の生活感覚がものすごくリアルな気がするのです。「古い人間なもので日曜とか言われましてもぴんときません」「年が明けてから節分だなんて」おおおおお!そりゃそうだよねー!
     てことは、きっと定時法にも戸惑ってると思うの。「まだ七つ?おてんとさまはあんなに傾いてるってのに?」

     いずれ千春ちゃんや麻太郎さんに良いお相手が現れるのが楽しみです。あと、東吾さんのお帰りもお待ちしてます。

  • いつのまに東吾さんは行方不明に?
    子供たちの時代に?

  • 【6作収録】
    ・源太郎の妹・千代の紹介で華族夫人がしばらく滞在することになったかわせみ。気さくな性格で、かわせみ一同から好意的に見られていた夫人だが、急患がいると麻太郎を騙す。果たして目的は何なのか
    ・古代裂屋の女主人と女番頭。友人である女番頭がろくでもない男と付き合っていることを知った花世は忠告するが、断られる。一方、男は女主人とも好い仲になっているようで・・・
    ・女主人が切り盛りし、評判の高い牛鍋屋。大商人の妾として店を持たされ、何不自由ないような生活だが、源太郎に夫婦別れは女のほうからできるかどうかを訪ねるなど、不審な点が多い
    ・頑固で偏屈な患者に追い返された麻太郎。漢方を好み、妾から勧められた薬湯を飲んで西洋の治療を馬鹿にしていたが、息子が薬湯を飲んで瀕死の状態に陥る
    ・元旗本の男が、その昔、芸者に生ませた娘を探してほしいと源太郎に依頼する。手切れ金を払ったきり連絡もせずに数年の月日が経ったことで、捜索は困難を極めたが、ようやく見つけ出す
    ・仏壇の掃除中に東吾の遺書を見つけ、麻太郎が本当の兄だと知ってしまった千春。あまりの衝撃から、何の準備もせずに夢遊病のように麻太郎のいる横浜まで向かう。同行した源太郎と共に横浜へと到着した二人は、宿屋の客の口から東吾の名を聞き、気になって調査をするが・・・

    (2009年6月 図書館本読了)

  • 作者に行方不明にされちゃったのにこの存在感!神林東吾おそるべし。

  • 次世代のお話の2冊目。居留地で医者をしている麻太郎、司法官の受験勉強中の源太郎、女子校の教師になる花世ちゃんにかわせみの若女将の千春ちゃん。初めて登場した時は5歳だった正吉がかわせみの番頭になってるし…江戸は遠くなりにけり…という感じだなあ…明治維新後の世情が伺えて、横浜居留地にいる麻太郎のせいか外国人の出番が多くなってるか。麻太郎の出生話がでてきたりして千春ちゃんにはちょっとショックだったかな?…にしても、東吾はいつか生き返ってくれるのだろうか??

  • 新!御宿かわせみ〜☆

    源太郎・・・麻太郎・・・大人になってる(笑)
    時代は明治です・・・ああ、政権が幕府から変わって
    無政府状態から立ち直ってないなぁ
    この時代は、教育から得られてないので新鮮ですねぇ

  • 麻太郎と千春の行く末は如何に…。

  • いつの間にか世代交代し明治時代のお話しになっていた。とても新鮮で読み応えあり!これからもずーっと続いて欲しい作品だと改めて思った。

全26件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(十) 幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平岩弓枝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×