静けさを残して鳥たちは

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163293004

作品紹介・あらすじ

葉子の夫は失踪し七年、彼女の元に骨笛が届いた。謎は謎を呼び寄せ、運命は絡み合う。東京、福岡、四国、五島、ローマ、ヴェネツィア、パリを結ぶ愛と愛の不在の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 旦那が失踪した女性と、その幼馴染の男性二人の話。
    読み進めていくと三人の話がごた混ぜになり、飽きてしまった。

  • 非常に、丁寧な文章を書く人だな、という印象。
    でも、それがいいかというと、情景描写など細かすぎて、読んでいて結構めんどくさい。
    話は、幼馴染3人を中心とした話。
    だが、いまいち、この登場人物たちに共感が持てない。
    主人公の葉子は、レイプされ、そのせいで子供で妊娠してしまうにもかかわらず、なぜか失踪した夫の子供と思い込み、産んで育てることを選択する。
    あまりにも、ポジティブすぎません?
    また、葉子の幼馴染の青柳は、最後の最後で、葉子の子供を自分の子供と思い込む。
    なぜ?なぜ?なぜ?
    しかも、葉子の失踪した旦那も登場するが、幽霊なのか、生きているのかわからないうえに、かなり嫌な奴。
    おかしなひとたちばっかりです。
    話が長い割に、なんかもやもやした小説だった。

  • 死を取り巻くイロイロな出来事がかかれていてしんどくなった。失踪した後事件が始まるのかな、という期待をもってよみはじめたので、何も起こらないことに「うん?」って思い続けてしまった。

  • 片山恭一『静けさを残して鳥たちは』読了。夫の失踪後7年たってから、妻の元に届いた骨笛。誰の骨でいったい何を意味しているのか。しかし、「察してね」という幻想だか推理だかが残るだけで、はっきりした答えは書かれていない。人々の現在、過去、夢や幻想が混在するが、正直良さがよく分からない。

  • 夫の失踪から始まる、現実とも幻想ともつかない不思議な話。


    福岡だし人工島出てくるし、葉子の家がどこにあるのか考えながら読んだけど、結局分からなかった。

  • 夫が失踪した・葉子のもとに「骨笛」が届けられた。その謎を解くべく動き出す友人達。結局、どうしたいのか?よく分からなかった。

  • 七年前に失踪した葉子の夫、白江宛に骨笛が送られてきた。葉子の幼馴染で白江の大学時代の友人の青柳は、葉子と青柳の同郷で木彫作家の黒岩が、白江の失踪に関係しているかも知れないことを知る。

  • いつもの感じと違って、ちょっと期待はずれでした。

  • この530ページに及ぶ長編の物語は、あらかじめ不在の失踪した主人公・白江伸幸のイメージとそれに翻弄される妻・葉子、そして友人たちの旅の記録のようなものだ。時おり亡霊のように姿を現すイメージだけの白江は妻・葉子ばかりでなく、幼なじみの葉子を白江に紹介した友人・青柳の人生をも混沌へと追い込んでいく。登場する人物たちに記号のように付された5色の名前(白江、青柳、赤沼、黒岩そして黄)は、著者の語るところによれば、陰陽五行説の5色にしたがって名付けられたという。それぞれの持つイメージは季節の進行を表すものだが、この物語ではまるで人間の生死のサイクルを象徴しているかのようだ。ペダンティックに展開される音楽や美術の解釈や、文章化される難解とも思える内的イメージのオンパレードは、すべて片山さんの美意識の表れと理解する。しかしながら、内容を咀嚼しながら読了するのにはそれなりの時間がかかる。

  • 初めは現実的だと感じていた物語は、話が進むにつれ現実的か、非現実かが分からなくなってきてしまいました。誰が誰の事が好きだったのかも。海外を旅していると、ふとこのまま消えてしまいたくなるような事があると書かれています。その様に感じる人は多いのでしょうか?これって、やっぱり相当オトナの人にならないと感じない感情なのでしょうか。

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著者プロフィール

昭和34年(1959年)愛媛県宇和島市に生まれる。愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)、『世界が僕らを嫌っても』(河出書房新社)などがある。福岡市在住。

「2024年 『含羞の画家オチ・オサム—美術集団「九州派」の先駆者—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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