ほかげ橋夕景

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 86
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163296609

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)

    祝言が決まった頃から、急につっけんどんになった父の様子を気に病む娘…。親子の絆を火影橋の夕間暮れを背景に切り取った表題作など、珠玉の時代短篇集。とびっきりの人情譚。

    令和5年2月15日~18日

  • 泣き笑い 湯呑千両
    お蝶は胸の内で安堵の吐息を漏らした

  • 主人公がみんなストイックな山本一力先生

    今回の短編の中に、不思議な物語

    不意峨朗(ふいがろう)
    なんだか、日本昔話の不思議な言い伝えの
    ような作品でした

  • 短編8作品。基本的に下町職人の人情物なんだけど、物足りなさが残る。あまり爽やかさも感動もないなぁ、ほのぼの路線が「泣き笑い」「ほかげ橋夕景」で男の生き様みたいなのが「不意蛾朗」「お橙まつり」で一力の痛快路線が「湯呑み千両」、恋愛人情が「藍染めの」でユーモアが「言えねえずら」、後は武士の「「銀子三枚」か・・どれもイマイチだな~

  • 人情味あふれる短編集。

    最近がつっと筋を通している人いますか?

  • 初めての山本一力の本。
    最後まで美しい思いを貫き通す美談など、忘れていたな~、いいな~。と思った。

  • 短編集で・・・まとまりもなく~「泣き笑い」:叩き大工の清吉は八幡様の祭の夜倅の金太が十文はする竹とんぼを持っているのを見つけ殴りつけ,八幡様のお札を噛ませた上で盗みを白状させたが,泊まりに来ていた倅の友の母が二枚一文の絵札を金太に盗られたといちゃもん付けてきて憤慨する。「湯呑み千両」:安政元年(1854)三州瓦の問屋の二代目雪次郎は普請場の崩落が二軒続いて,馴染み客からも注文が入らないまま大晦日を迎え,母の代から強請たかりにあっている藤松が談判に来ると知って穏やかではないが,実は借金を請け負っていたのは本所の貸し元で,藤松は交渉の仲介役だけではなく富岡八幡の初天神の屋台を譲ることで三河屋の窮地を救う働きもした理由は,母が何かと為に藤松に差し出した百両の恩を感じていたからだった。「言えねえずら」:明治11年(1878)清水湊の次郎長は明治になって一家を畳んでからも清水・横浜間に汽船を走らせる働きを見せ,清水の祭も華やかさを取り戻していたが,儲けが回ってこないにも係わらず蓄財した噂のために借金を申し出る輩に金策をして金を渡していたが,御輿担ぎの若者には頑固者の糞爺にしか写らない。祭の後で強か酒に酔った次郎長は若い者によって髷を切り落とされる恥を掻き,酒断ちができたが理由は言えない。「不意峨朗」:安政2年(1855)深川の孤児だった喜一郎は親方の許しを得て京で再修行をし,舞妓の贔屓も付いたのは新しい親方の教えを忠実に実現したからだったが,夢枕で江戸に戻り出番を待つため佃町に戻り,深川芸者の贔屓を受ける。職にあぶれた髪結いたちは喜一郎を嵐の晩に襲うが凶器となった剃刀に雷が落ちて,喜一郎の弟子になる。夢のお告げで不意峨朗と改名した後,漁師相手の剃刀で蒸し手拭いを使用し評判となるが,大地震が発生し無料で髪結いを始めた。彼を待っていた用とは増水しても開けない川木戸で浸水する町を救うため,剃刀を手に川に入り川木戸に向かうことだった。「藍染めの」:天保七年(1836)江戸小紋に使う伊勢型紙彫りの職人・佐五郎は思いきって親方にお嬢との婚礼を申し出るが「顔じゃない」とすげなく断られた。吉野家の次男・半次郎に遊ばれた挙げ句に四十両の用立てをして捨てられて石見銀山を呑んだものの一命を取り留めたさゆりの事が以前から好きだったのだ。江ノ島行きに供をして賭場で自棄になって稼いだ金の残金を別の賭場で使い切って思いを断ち切ろうとしたのだが,貸し元はすべて見通していて,待つことを薦めてくれる。「お燈まつり」:文化四年(1807)傘職人の光太朗が深川から新宮に移ったのは,許嫁と祭り見物を橋の中央で約束していたため橋の崩落に巻きこまれて死んだからだった。新宮に移ってもやる気の湧いてこない光太朗は小料理屋で許嫁と瓜二つの娘に出会ってようやく復活をするが,江戸と同じ給金は新宮では破格であり,川並連に疎まれた挙げ句,新宮の祭に引っ張り出されて怪我を負うが,無事に山を下り,川並頭とも言葉を気軽に交わすようになった。「銀子三枚」:貞享五年(1688)土佐の外様・嶋嶼(ほんとうはぎょくへん)介は途絶した長宗我部家の父の事を説明する差し出しを書く。「ほかげ橋夕景」:天保十四年(1843)大工の娘おすみは子どもの頃のように深川山本町の五ノ橋で父を迎えに出てきたのだが,父と同じ大工との祝言を控えて,父の様子が余所余所しい事に気を揉んでいたが,夜毎父親の思いを聞いていた呑み屋の親父から話し掛けられる。父は妻が早く亡くなり,所帯を持ってからは実家の事は心に留めずに亭主に仕えるものだという教えを伝える術がなかったのを残念に思っていたのだ~題名を挙げていて思い出すのは,「湯呑み・・」で借金取りに来たかと思った渡世人が逆に助けに来た話と,「言えねえずら」で清水の次郎長の話だったなと言うことと,「不意・・」で髪結いが夢のお告げで佃町に帰って改名し増水から町を救うために堰き止めていた川木戸を剃刀で壊す話,「藍染め」で特殊な染めのための型紙を彫る職人と,「銀子・・」で長宗我部家が秦一族であることか。あちこち出歩いて話の種を拾おうとすると,向こうからやってきてこういう話を書いて欲しいという相手も現れるのではなかろうか。嶋の話などはそういう類ではないかと勝手に想像する。深川~伊豆~静岡~紀伊~土佐の路線は変わらず

  • 一話目と最終話しか印象に残っていない!

  • どの物語も「男気」を感じます。

  • 途中までしか読んでない

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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