お葬式日記

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163388700

感想・レビュー・書評

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  • 大ヒット映画の製作日誌。
    勿論、製作中はそんな事微塵も予想されないので、準備や現場での、あれこれが記載されてる。

    画面に登場する俳優達の現場のエピソードも面白いけど、それよりも映画見てると分からないスタッフ達の奮闘がよく分かった部分が、一番良かったかな。

    監督第1作目という部分で、結構試行錯誤して迷ってる部分なども。ラッシュ見過ぎて、面白いのかどうか分からなくなったり、マネージャーからの上映時間は2h以内に。という通達で、カットシーンをどこにするか、グルグル思案したり。

    最近のこの手の書籍には掲載されてない事が多いシナリオがちゃんと入ってるのが良い。

    特に興味深かったエピソードは、

    脚本の初期の題名は、別れの日→侘助たちの秋→お葬式と変遷があった事。

    ポスターのイラストは、当時小学生の監督の次男に書かせ(ギャラは4,000円)、お葬式から想像される黒の色のイメージと反対の赤を採用した事。

    侘助の愛人役は中々決まらなかった事と、林の中でのHシーンは一番最後に撮影された事。
    これ、絵コンテ書いてるんですね!

    見積もり表が、載ってたのも興味深かった。
    製作費1億の内、俳優のギャラで3,000万計上してますね。
    詳細は別紙になってますけど。
    あと、ロケが多いのに梅雨時期の6月にクランクインしてたり、中々チャレンジャーだと思います。

    キャストは、宮本信子、山崎努、大竹秀治の3人は当初から決まってたそう。後は、キャスティング・ディレクターと監督が相談しながら、バランスを見て決めたそうです。

    撮影や編集の合間に伊丹十三は良く映画見に行ってたんですね。
    子供とインディ・ジョーンズとかも見に行ってるけど、俳優座とかシネヴィヴァン、三百人劇場とか今は亡きミニシアターの名前がちらほら出てきて、ついニンマリしてしまった。
    ゴダールの「カルメンという名の女」は複数回見てるようです。

  • 妻 宮本信子の父の葬儀で火葬場から昇る煙を見て「これは映画になる!」がきっかけで手探りで映画を模索して自身初の映画を撮ることになる一人の新人監督の映画日記。

  • 778.7
    シナリオ、監督ロングインタビューも収録。

  • ランク:本の状態
    レビュー:本の紹介
    (共に後程入力します)

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著者プロフィール

1933年生まれ。映画監督、俳優、エッセイスト、テレビマン、CM作家、商業デザイナーなど、興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り、多彩な才能を発揮。翻訳も多数手がけた。1997年没。

「2020年 『ちょこっと、つまみ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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