大統領執務室: 裸のクリントン政権

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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163494708

感想・レビュー・書評

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  •  これまでウッドワードの本は「ブッシュ政権の戦争遂行」をテーマにした何冊かを読んできたが、本作は「クリントン政権の議会対策」という地味な部分がテーマである。しかし、それをここまでスリリングに描けるのは著者の力量と言わざるをえない。
     この本で描かれるのは、大統領の無力さである。投資による財政支出拡大を図るも議会の財政支出削減に為す術をなくすところから始まり、党議拘束もないため与党議員ですら囲い込むのに苦労する。何より、ワシントン政治に無縁だったクリントンがその力学を理解できずに右往左往する様は、見ていて辛くなるばかりである。
     結局、法案は通る。しかし、クリントンが掲げた投資拡大は葬り去られ、副大統領ゴアが掲げた環境対策税は骨抜きにされた。何とも言えない後味の悪さが本書の魔力である。
     アメリカ議会と大統領の関係を考える上で、教科書読むよりもよっぽどわかる一冊。

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著者プロフィール

米国を代表するジャーナリスト。1943年生まれ、イェール大学卒。50年間にわたりワシントン・ポスト紙の記者、編集者を務め、ニクソンからバイデンまで歴代大統領を取材・報道しつづけている。
ウッドワードは同紙の社会部若手記者時代に、同僚のカール・バーンスタイン記者とともにウォーターゲート事件をスクープし、ニクソン大統領退陣のきっかけを作ったことで知られる。このときの二人の活動から「調査報道」というスタイルが確立され、また同紙はピュリツァー賞を受賞した。ウッドワードはその後も記者活動を続け、2002年には9.11テロに関する報道でピュリツァー賞を再度受賞。
『大統領の陰謀』『ブッシュの戦争』『FEAR 恐怖の男』『RAGE 怒り』など、共著を含めた20冊の著作すべてがノンフィクション書籍のベストセラーリスト入りを果たしている。そのうち14冊は全米№1ベストセラーとなった。現在はワシントン・ポスト紙アソシエイト・エディターの責にある。

「2021年 『PERIL(ペリル)危機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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