ユーコン漂流

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163531304

感想・レビュー・書評

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  • ユーコン川との出会いは水曜どうでしょうで、野田さんの本を読もうと思った時絶対ユーコン川の本を読もうと思ってユーコン漂流を読むことに決めた。

    ちなみに、野田さんの本を読もうと思ったのは石川直樹さんのいま生きているという冒険という本を読んだからだ。

    淡々とした文章で、時折見え隠れする感情がいい。
    すっごいわくわくして充実した時間を過ごしているはずなのに淡々と文章を書いている野田さんという人はいったいどういう人なんだろう。

    ユーコン川をひとりで、というかひとりといっぴきで下っていると人間と動物が対等になるという部分が印象に残っている。人間もやはり動物なんだな。

    クマが怖くもあり、でも仕草や行動が人間みたいで可愛かった。クマだけじゃなくて動物ってそういうものなのかも。

    私はいまほぼ人間しかいない世界に暮らしている。でも自然の中ではたくさんの生き物たちが一緒に暮らしているのに、なぜ人間は同じヒト科なのに争いばっかり起こるんだろうか。難しいなあ。

    ユーコン川では白人が差別されているところも印象的だった。日本人がユーコン川を悪い方向にしてしまっているのも腹が立つ。

    でも、とりあえず、いちばん心に残っているのは私もユーコン川でいくら丼をお腹いっぱい食べたい。

  • これは野田さんの中でも特に好きな本です。旅に出たい、カヌーに乗ってみたいという欲求が爆発する本です。

  • 1980年代後半に「ホワイトホース」から河口近くの「エモナック」まで、数回に分けて3年ほどかけてカヌーで旅した野田さんのカヌーエッセイ。手元にある本が実は約10年程前、音楽フェス「ナチュラルハイ」で野田さんのイベントがあって、そこで本書を購入し直筆サインを頂いている一冊であったったりする(^_^)。

    ユーコン川はツアーコース(といっても相当ワイルドですが...)なイメージがあるもそれは”ホワイトホース”から”ドーソン”までで、そこから先はマッケンジー川に劣らずグリズリーと泥がメインのマゾヒスト向けの過酷ワイルドコース、でも日本で普通に生きてたら絶対体感できない真のネイチャーを知ることができると思うと、ユーコン2000マイルは一度きりの人生だしチャレンジしたい選択肢の中の1つに入れておいてもよいのかなって思った。

    (今現在はどうなっているのか気になるが)エスキモー&インディアンと白人との間にある深い溝にはリアリティを感じた。長い間、時の流れに身を任せて静かに暮らしていた生活の中に、急に勝手に踏み入ってきて土地を占領し不要な価値感を押し付けてこられたら普通は堪らないし、そりゃそうなるわって直感的に思った。「貨幣生産力」で人間を評価することがどれだけバカバカしいことか...。(ともあれ、譲り合いで仲良くしてほしいものです。)

    しかし野田さんの旅を通じての現地人との溶け込み力はすごいなあっていつも思う。”人間としての魅力"がものすごくあってなのかなあとふと考えてみたりした。

    カヌーと魚捕りと冒険好きにはおススメできるエキサイティングな一冊です!!

  • こうやって本でキチンと読んで、ユーコン川とわカナダ北部からからアラスカに向かって流れている川なのだ、という事をやっと覚えた。それまでわなんとなく東南アジアを流れるメコン川の親戚みたいなものかなぁ、と思っていた。ええかげんな事であった。
    さて最近わこういう紀行文を読む時、もう必ずグーグルマップを視ながら、フムフム今この辺りなのだな、とほくそ笑みながら読むことになる。良い時代だ!

  • 何回かに別けて、ユーコンを渡り切った野田さん。彼が流域の人々と仲良くなるのは、最早、職人技と云うよりも天性の物なのではないだろうか。多少の脚色や誇張は或るのかも知れないが、川行をしたのは事実だし、結果も遺している。でも、彼は何とも思っていないのだろう、自分の好きな事を好きな様に好きなだけやる自由を遣れたのだから、満足しているのだろうと、思う。

  • 男だったら一生に一度はこういう一人旅をしてみたい!
    世界中で荒野を一人旅できるユーコン川
    若いうちに経験しなくては

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著者プロフィール

熊本県生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。在学中、ボート部で活躍。卒業後ヨーロッパを放浪。帰国後、高校の英語教師、旅行雑誌の記者を経て、エッセイストに。傍ら、カヌーによる川旅に打ち込む。これまでに日本の一、二級河川約200を漕破。さらに北米、ニュージーランド、ヨーロッパにまで活動範囲を広げている。長良川河口堰問題や川辺川ダム建設反対運動、吉野川可動堰問題などにかかわり、講演などを行う。

「2008年 『イギリスを泳ぎまくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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