川口能活 証

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163680101

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  • 日本を代表するGK川口能活。アトランタ五輪のブラジル戦やアジアカップ2004のヨルダン戦で見せた重慶の奇跡など、華々しい活躍をしたGKだ。

    サッカーに心血を注ぐような生き方、感情を剥き出しにしてゴールを守ろうとするスタイルから、「求道者」や「鬼神」とまで評されてきた。イングランドのポーツマスやデンマークのノアシェランで守備陣の崩壊から大量失点で負ける度、掴みかけてきたレギュラーの座を失ってしまう。

    ノアシェランでの試合前日、須藤(川口のいまの奥さま)から電話をもらった川口は、開口一番に「ごめん、明日は試合だから電話じゃなくてメールだけでいいかな」と言って、一方的に会話を終わらせようとしたことがあったらしい。

    前日には集中したいし、余裕がないときはそうなるよね、うんうん。

    「そういうのって、ちょっと寂しくない?」電話口の向こうから須藤が優しく問いかけてくる。意外な一言だったが、このとき自然に受け止められたそうだ。川口はここから、サッカーをする楽しさや喜びを忘れていたこと、サッカーに集中していたんじゃなくて、周りが見えなくなっていただけだったことに気づいたという。

    佐藤由紀彦の紹介で出会った遠藤貴。そしてデンマーク留学をしていたことからデンマーク語を生かした仕事をしていて、川口の壮行会で運命の出会いを果たした須藤佳苗。この2人の川口への愛溢れる行動も素晴らしい。

    メンタルとフィジカルのバランス、両面での準備、生まれる余裕。ちょっとの運。これが人生を好転させるのだなと感じることができた。まだまだこれからの活躍を期待。

  • 川口選手といえば、アジアカップヨルダン戦での PK合戦。大好きな選手。

    “なんか、ぱっとしないままあっという間にJへ出戻りしたな”という印象だったポーツマス移籍の裏に、そんな凄絶な裏話があったとは……。

    3年間全てとは言わないが、明らかに“棒にふった2年間”が、そこにはあった。

    事態がそこまで悪化する前に、打つ手は無かったのだろうか……?特に、遠藤さんとの出会いを通じて。


    3年間の海外挑戦は悲惨な結果だったけれど…… まあでも、ソレがあるから今があるのだな、と思えなくはないけれど。

    ファンやチームメイトとの関係を築けても、クラ ブ首脳に疎まれれば成功は無い……

    そんな世界で、ファンの心を掴み、チームメイト やクラブ首脳からの信頼を得て、なおかつプレイ でも結果を出し続けている長友選手の凄さを再確 認(^-^)v。

    ★3つ、7ポイント半。
    2013.10.02.了.図。

  • ワールドカップで大活躍だった川口選手の今までの苦悩や努力が!ヨシカツ!ヨシカツ!

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著者プロフィール

1966年生まれ。青山学院大学卒。94年に渡欧し、駐在員からフリーライターに。第二の故郷である西ロンドンのチェルシーをはじめ、「サッカーの母国」におけるピッチ内外での関心事を、時には自らの言葉で、時には訳文として綴る。英国スポーツ記者協会、及びフットボールライター協会会員。著者に『川口能活 証』(文藝春秋)、『勝ち続ける男モウリーニョ』(カンゼン)、訳書に『フットボールのない週末なんて』、『ルイス・スアレス自伝 理由』、『夢と失望のスリー・ライオンズ』『ペップ・シティ』(ソル・メディア)など。

「2022年 『バルサ・コンプレックス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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