これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163757704

作品紹介・あらすじ

マサチューセッツ工科大学は、学内の授業を、ユーチューブや、I-tunesU で無料公開を始めていたが、アメリカ国内ならず、イラクや中国の人々まで魅了して人気ナンバー1になっているのが、このウォルター・ルーウィン教授の物理学入門の授業。 例えば、エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕く(位置エネルギーが力に変わった)。さらにガラスを粉々に打ち砕いた鉄球を自分の顎からわずか2センチの位置で持ってこう言って離す。 「この鉄球の位置エネルギーは離しただけだから、これ以上増えることはない、したがってこの高さ以上にくることはない。だから、私の顔が粉々に砕けることはない」 教室にあがる悲鳴、が、鉄球は確かに教授の顔、2センチの距離まで振り子をかけあがるが、教授の顔は無事だ! 「ほら、これが物理学だ!!」 沸き上がる歓声。 虹はなぜ、あのような色の順番なのか? 空はなぜ青いのか? 寝て伸長を測ると、伸長が2センチも伸びるのはなぜ? ビッグバンはどんな音がしたのか? 雷のあと空気が爽やかなのはなぜ? 時間とは何だろう? 宇宙の果ての銀河が光速より早く遠ざかっている理由は? 教授は、本にこう書きます。「複雑な計算よりも私は、物理学の発見の美しさを教えたい」 NHKがシリーズで放映!

感想・レビュー・書評

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  • 2016.1.23 再

  • 物理の面白さを実験中心に分かりやすく書かれている。特にX線天文学、中性子星、ブラックホールh集中して記されている。レイリー散乱、虹、ひも理論、プラズマ、Maxwell方程式、渦電流、赤方偏移は実生活にも即したものだ。今一度思い出していきたい。

  • 2023-4 再読

  • この本は有名なMITの物理学の講義を1冊にまとめた本である。著者は実験物理学者であり、授業では、いくつかのテーマをもとに理論の法則を身を張って実験しながら進んでいく。この熱量を感じながら、物理の面白さや美しさに触れることができる。物理学は理論と実験の両輪で進んでいく学問だが、一人で物理を勉強していると、どうしても数式ばかりに気を取られたりしてしまいがちである。この講義で、この忘れがちなところに物理の面白さが詰まっているんだということに気づくことができる。また、この講義の様子はyoutubeでも見られるので、動画を見ながら読むことをお勧めする。

    ウォルター・ルーウィン著;東江一紀訳
    『これが物理学だ!:マサチューセッツ工科大学「感動」講義』
    所在 中央館3F : 図書
    請求記号 420//L58
    https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB10455223?caller=xc-search

  • マサチューセッツ工科大学のルーウィン教授の物理学の講座を収録したもの。1章 物理学を学ぶことの特権 2章 物理学は測定できなければならない。 3章 息を呑むほど美しいニュートンの法則 4章 人間はどこまで深く潜ることができるのか 5章 虹の彼方に 6章 ビックバンはどんな音がしたのか 7章 電気の奇跡 8章 磁力のミステリー 9章 エネルギー保存の法則 10章 まったく新しい天文学の誕生 11章 気球で宇宙からのX線をとらえる 12章 中性子星から部落ホールへ 13天空の舞踏 14章 謎のX線爆発 最終章 世界が違って見えてくる

    物理を理解しているのとそうではないのでは世の中の見え方が根本的に違ってくる。

  • 科学者らしく、実際の実験などについて、できるだけ正確に伝えようとしているのはよくわかるのだが、それがどんなものであったかという想像すらできないのは、もちろん読者の理解力の低さもあるのだろうが、こういう種類の説明は、文字で「読む」のではなく、映像で「見る」ようにすべきなのであろう。

  • 1〜9講は物理学の幅広い基本、10〜14講は著者の専門分野であるX線天文学について。やや難易度高めで読み切るのは大変だった。(2014年に読み始めたが途中で長らく放置して、読み終えたのは7年後…)

  • 途中で挫折。
    物理好きには面白いと思う。

  • MITで動画で無料公開しているウォルター・ルーウィン教授の物理学入門の講義の一部をテキスト化したものです。確かに彼の講義が魅力的でわかりやすい事は伝わってきますがでもテキストはテキストであって、彼が体を張って証明する実験の数々は映像で見るのとは迫力が違うというのが正直な印象です。これを読んでからだと英語の動画でもなんとなく中身はわかりますので補助テキスト的に読むのがいいのかもしれません。「白熱教室」を見逃してしまったのですがこれを読んでDVDを見てみたいと思いました。

  • 生で受講できた当時のMITの学生は幸せでした。
    とはいえ、我々も本書と紹介されているビデオをみることで、同じように学ぶことが可能です。
    そして、その内容は知的好奇心をくすぐり素晴らしい。
    例えば、私は注意されたことも教えてもらったこともなかった生活に潜む危険な行為の1つとして、トースターに食パンが詰まった時にフォークやナイフで引っ張り出すのは感電死の危険性がある(必ずプラグを抜いてから)など。(P209)
    人に直撃すれば確実に死ぬあの莫大なエネルギーの塊のような落雷について、1回の落雷の総エネルギーは100ワットの電球が1か月消費するエネルギーと同じ、つまり稲妻のエネルギーを再生エネルギーとして取り込もうとするのはあまり意味がない。(P210)
    また、雷雨が去った後の空気がおいしく感じるのは、直後にオゾンが生成されたため。(P211)
    地球の地軸近辺の磁場にオーロラが発生するのは、太陽風が磁場が最も強いところに入り込むから(光を作る荷電粒子が空気中に増える)や、この磁場こそが地球の大気圏と水を太陽風から守ってくれている。(P224)
    体温が37℃の人なら1日1千万ジュール(1カロリーは1gの水を1℃上げるのに必要なエネルギーで、約4.2ジュール)発熱に使われており、2400キロカロリーの食事摂取が必要となる、3階にあるオフィイスに1日5回階段で往復して消費されるエネルギーは約35000ジュール(1日発熱量の0.35%)だと知ればバカバカしくなるだろう。(P256)
    そして、本書の眼目は、物理学と芸術との相似性の指摘です。
    ゴッホやマティス、モネ、ドガ、ピサロ、ルノアールでさえ、初めて作品が発表された当時は批評家から物笑いにされた過去があり、年代を経てその価値や美しさが認められるようになったのは、彼らの新しい題材、形式、素材、観点、技法、色調などが時代を屈服させたためであり、その革新性こそ物理における新しい発見に匹敵する。(P382)
    真摯に物理学に向き合う著者だからこそ書けた奇跡の1冊です。
    とはいえ、その後のオンライン講座でのセクハラ行為でMITの終身名誉職を解かれたというニュースは残念でなりません。

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