アップル帝国の正体

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163763804

感想・レビュー・書評

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  • アップルの独善的ともいえる過酷なビジネス主義と、それに翻弄される日系企業の姿がつぶさに描かれている。
    既によく知られた実態なのかも知れないが、事前の知識がない向きにとっては新鮮であろう。

  • 燕市 小林研業 かつてipodの裏蓋を磨く アップルが作業風景を撮影 やすい人件費で大量に磨けるところへ移転

    東陽理化学研究所 powerbook G4の筐体 チタン

    日本の匠の技をあったいうまに呑み込み、海外展開によってコモディティ化する

    原価計算して、徹底的に値切る

    家電の共食い
     電話、音楽プレーヤー、カメラ、ケーム機、電子辞書、地図、ナビ

    IT断食 アイリスオーヤマ パソコンの台数を社員数の2,3割にし、職場共有のワークスペースを拡大。 職場が活性化

    iphone販売 キャリアのメリット少ない

    音楽 日本はCD販売多く、レンタル業界、レコチョクなどがあった。

  • 知られざるアップルと日本企業の関係を描いた本

    これを読むとiPhoneのCMが3つのキャリアで同じものなのになっているのかか(なぜ独自のCMを作らないか)がよくわかる

    今年読んだ中で一番おもしろかったかも

  • 2013年7月刊。アップルが日本企業を牛耳っている…。
    作る側・売る側から見た、 アップルの「闇」に焦点を当てたルポルタージュ本。
    シャープの亀山工場も、今では iPhone の生産で占められているらしい。
    容赦なく突きつけられる厳しいコスト。短期間で膨大な生産量を求められる納期。
    うまく行けば工場がフル稼働。でも一度見放されてしまうと工場が空っぽになる恐怖。
    表紙のデザインはうまいと思った。

  • 普通のよい会社への変化

  • 表題の通りアップル帝国の強さについて語った本。作者は週刊ダイヤモンド記者だけに経済誌的アプローチと文面である。まさにダイヤモンドを読んでいる感じ。でもなんで版元が文芸春秋社なのかな?星3つ

  • 情報規制をしてまで徹底して秘密裏に進める開発。どんな小さな技術も世界中から探し出して、徹底的な経費削減を行わせ従わせるビジネス。いかにすぐれた日本企業の多くがアップルの下請け工場化されているか。その実態を暴露してくれた関係者。アップルはイノベーターではなく、品質向上のために果てしない競争を進めていくのだろうか。

  • 非常に興味深く読んだ。

    アップルのやっていることは、商売の「イロハ」だ。
    しかし、利害が交錯すると、その基本を貫くことは難しい。
    「良い戦略、悪い戦略」でも冒頭にアップルの例が載っている。教科書に載っているような戦略をやり遂げた例として、ジョブズ復帰後が取り上げられていた。

    本書では、アップルのビジネスと日本の関係について、1)生産現場2)家電量販店3)音楽産業4)携帯キャリア5)特にソニーとの関係、と、現状を赤裸々にリポートする。

    第6章では、アップルが貫いてきた「シンプル」なビジネスを、今後も貫けるのか、株主・従業員・ユーザーの支店からまとめられていた。

    しかし、名だたる有名なメーカーがアップルに部品・技術を提供しており、その依存度は高く、アップル製品の売上に自社の運命を依存せざるを得ない状態というのは、かなり衝撃的だった。

    確かに、「安売り合戦」となり、寡占化が進んだ家電製品の流通・販路で量販店が得ていた利益構造は、こういった形で破壊されるだろうとは、起きてみると素直に頷ける。

    判断の速さがビジネスに直結しているという例が、ソニーを取り上げた章では特に詳しく書かれていて、なかなか難しい話だな、と思った。
    戦略の「驚き」とは、教科書に載っているような基本戦略を貫けるかどうかだが、利害関係者が増えると、組織としての一体感も方向性も力も分散してしまう。
    これを抑えることが出来たこと、が、やはりアップルの現在を作ったのだろうと思う。
    それはやはりジョブズの力なのだろうか?

  • 社会人になりたての平成元年に会社に置いてあったマッキントッシュのコンピュータは、当時私が知っていたパソコン(NEC 9801シリーズ)と比べて装飾品のように感じました。

    さらに、今と違って綺麗なフォントを印刷できる唯一のコンピュータであり、その美しさに魅了されて20万円程工面してそれを購入したのを覚えています。あれから創業者のスティーブが追放され、そして戻ってきて復活させて、昨年(2012)早世してしまいました。

    長らくWindowsを使い続けてきた私が久しぶりにアップル製品を手にしたのが 2012.1に購入した iPhone4S、その後に iPadを購入して今に至っています。

    この数年のアップルの快進撃は凄いと思いますが、この本にはそのアップルが製品を構成する部品メーカとどのような接し方をしているのか、つい最近まで完全に秘匿されていたようですが、彼らが自主的に公開したのをきかっけに、徐々に関係者から伝わってきているようです。高収益を出している企業にはなんか秘密があると思いましたが、アップルにもあるようです。

    株式総額が世界一になったアップルもそれを維持することは難しいようで、彼等の高収益の根幹をゆるがす動きがもう始まっているようです。それは iPhoneや iPadで利益を出す必要があるアップルと、その種のハードで利益を出す必要のない、アマゾンやグーグル等との戦いようです。

    最近になって、アマゾンはどうして Kindle Fireを安く売りだしているのかが、この本を読んでよく分かりました。私も含めて最終ユーザーは、自分がやりたいことを安く便利に満たしてくれる方に簡単に流れます。多くの企業が切磋琢磨して、私たちに便利で安いものを提供して欲しいですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・シャープ亀山第一と第二工場の隣接した工場をつなぐ中空の廊下には、シャープ社員もその前を通ることの禁じられている秘密の部屋がある、そこでアップルの社員が30名程仕事している(p13)

    ・米コンパック(パソコン)やモトローラ(無線通信機)は無数の部品メーカを買いたたきすぎて、最終的には買収(HP、グーグル)された(p18)

    ・謎に包まれていたアップルのサプライチェーンの情報がわずかながら開示されるようになったのは、ジョブズ死後のこと、2012.1にHP上で公開した(p21)

    ・電池メーカがどの素材を使うかを選んでいたが、アップルが電池メーカの頭越しに、サプライチェーンの上流部分まで買い付けを始めている、大量注文には、巨額投資の必要設備と、受注を失った時の生産設備過剰の2つのリスクがある(p35)

    ・家電量販店は、アップル製品のマージンは5-10%ほど、従って周辺機器やアクセサリーで儲けるしかない(p74、84)

    ・iTuneが席巻した米国では、プロミュージシャンの数は、2000年から10年間で 4.8万にから 3.8万人にまで減った(p114)

    ・ジョブズは、社内ではパワーポイントを使うプレゼンは禁止した、それが発熱した議論を呼ばないから、白熱した議論に必要なのは、1枚のホワイトボードと実際の試作品、模型といった実物のみ(p171)

    ・今後のITビジネスの重心が、ハードと呼ばれる端末機器そのものから、端末を便利にするソフトウェアや、それを基盤としたプラットフォームサービスに移行している(p185)

    ・アマゾンは赤字覚悟でキンドルファイアを販売できる、それは自社サービスの玄関口に位置付けられ、利益ゼロでもアマゾン主力のオンラインショッピングに貢献できる(p187)

    ・アップルが作り上げた、ハードで稼ぐためにソフトを充実させるというビジネスから、ソフトで儲けるためにハードを提供するというビジネスモデルが席巻し始めている(p189)

    ・ジョブズが作らなかったはずの製品(iPad mini)が世に出た事実は、アップルがグーグル、アマゾン、といった他社との通常の競争に呑み込まれていることを意味する(p190)

    ・2015年までに、10兆円の株主還元を実行すると発表した、また自社株も6兆円購入予定、これにより、製品への期待感よりも現実的な「そろばん勘定」しか株主の期待に応えられなくなっている(p204)
    2013年11月9日作成

  • 日本のメーカーももはやアップルなしでは成り立たない事実に驚愕。

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著者プロフィール

NewsPicks 副編集長(サンフランシスコ支局長)
1981年東京生まれ。青山学院大学文学部卒業。毎日新聞社を経て、週刊ダイヤモンドを経て、2016年にNewsPicks編集部に参画。企業報道チームを立ち上げ、シリコンバレーにおけるテクノロジーの最前線から、中国で勃興するスタートアップなど幅広くカバー。2019年にはサンフランシスコ支局を開設。これまで『アップル帝国の正体』(2013年共著、文藝春秋)や、『LINE 韓流経営』(2016年、扶桑社)など執筆。

「2022年 『ベンチャー・キャピタリスト ──世界を動かす最強の「キングメーカー」たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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