旅猫リポート

著者 :
  • 文藝春秋
4.34
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本棚登録 : 9337
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163817705

感想・レビュー・書評

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  • のっぴきならない事情から愛猫ナナの引き取り手を探す悟とナナの二人旅。
    ナナの気ままで人間を冷ややか目線で分析する様子が面白可笑しく、
    悟の温かな気質に癒されながらのほーんと読んでいたら…
    後半にガッツーンと急展開が!
    よく考えたらそれまでにさりげなーい伏線があったんだけど全然気付かず^^;
    あまりにびっくりしすぎて最初はちょっとばかし鼻白んだが
    最後には涙が滲んできた。
    でもこういう展開って反則だ、分かっていても泣いてしまう。
    有川さんならではのほんわかした優しい雰囲気は纏いつつも『ソロモンの偽証』の直後に読んだからちょっと物足りない感がぬぐえないかな。

    どうして 村上勉さんの表紙絵なのか主人公が“さとる”なのか
    読んで納得。

  •  『2012年11月15日 第1刷発行』版、読了。



     ヤバイ。久しぶりに読書で泣かされた(´;ω;`) そんな一冊でした。


     読書前は「痛快なロードムービー的な内容かな…?」なんて、勝手なイメージをふくらませていたものですが…読んでいくうちにジワジワと「出会いと再会」や「謎」が明かされていく展開は見事でした。


     なにより、主人公と寄り添う猫のキャラクター性がなかなかにして良かったです☆


     それにしても…この作者がいつも扱う作品に対する姿勢は、いきいきした生命力あふれる登場人物たちの、ドタバタ的でありながら痛快にしめくくられて結末を迎える話が多かったので…本作は意外といえば意外な内容でした。


     ひょっとしたら本作にもちらりと登場する、故 児玉清さんの影響があったのかもしれません。

     いずれにしてもこれまでの作品にないメインテーマで描ききりながら、読後感が上手に余韻を残していく、良い作品でした☆

  • 愛猫家の飼い主に可愛がられている猫目線のコメントが多い本。最後の方は涙が止まらなくなりました。
    動物は飼ったことがないですが彼らは人の愛情に敏感だと思います。

  • 野良猫と暮しはじめた悟だが、訳あって愛猫の里親を探すことになった。古い友人を順々に訪ねて行き、悟の人生を振り返る。疲れず面白く読めたので、中高生にも向いています。猫好きにもおすすめ。

  •  小学生の頃は読書感想文が大の苦手で、あらすじを写し書いて、面白かったです。としか書けませんでしたが、この頃は涙腺が緩くなったようで、その部分の背景や緩んだ原因を感想文にできそうなほどです。
     主人公サトルの今の様子に気づいたのはスギとチカコの章でした。そうですワタシはかなり察しの悪い人間です。もしかしたら気づくのが遅いブービー賞くらいなのかもしれません。そこからは、話が進むのがいやで、でも早く終わってほしくて、なんだかモヤモヤした気分でした。スカッとした作品ではありませんが、ワタシは好きな部類です。

  • とても夢のあるお話だと思いました。
    元野良猫のナナと、好青年の悟は銀色ワゴンに乗って旅をします。ナナの引き取り手を探す旅です。
    読み進める毎に、悟という人間の人となりがわかってきます。
    この悟が、本当に優しくて良い子なのです。
    そうやって悟のことを知れば知るほど、エンディングに向かって読んでいくのが辛くなりました。
    寝る前に読む本ではなかったです(笑;

    悟とナナが出会えて良かった。
    悟の側に、ナナが居て本当に良かった。
    と、フィクションだとわかっていながらも思わざるを得ません。

    現実味はあまりないけど、夢はあるな~と。
    絵本が出ているそうなので、そっちの方が物語の形としては向いてるかも?しれないですね。

  • さあ、行こう。これは僕らの最後の旅だ。一人と一匹が見る美しい景色、出会う懐かしい人々。心にしみるロードノベル。
    ----------------------------
    ダヴィンチや本屋大賞でも話題になっていたから、ブームが落ち着いたころに読もうと思っていた本。
    読み進めていくなかで、早めにネタばれに気付いてしまい
    書評やコメントにあるほどの感動や評価はなかった。
    最後の場面では、やはり泣いてしまったけれど
    意外性や深みを求めてしまうと物足りなさが。
    期待しすぎて読むと満足度が薄れる典型でした。

  • 優しく切ない、猫ナナのリポート。
    読みやすくさらさら読みきりました。
    素直に良かった。動物にはやはり弱い。
    ★は4に近い3です。

  • 有川さんの著作は恋愛が大きく絡んでくるものが多いが、この作品はそうではない。しかし確かに愛はある。主人公兼飼い主と猫との愛。余命が短いと分かった飼い主は、大切な猫を大切な知り合いに引き取ってもらえないかと猫とともに旅をする。飼い主と猫との友情はもちろんだが、飼い主と人間の友人たちとの友情もうらやましかった。

  • 人間と猫の旅。確かに涙を誘ういい話ではあるんだけど、先が見えてしまって圧倒的にぐっと来るものがなかった。ともあれ、動物ものは感情抜きに淡々と語られている方が感動する。個人的には犬の話なら理屈なしで泣けちゃうんだけど…。

著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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